吉本とNTT、超教育プラットフォームを構築へ

2019年05月27日 14:00

吉本興業とNTTが教育コンテンツなどを発信する事業「ラフ&ピース マザー」を始めると、「第11回沖縄国際映画祭」を開催中の那覇市で発表しました。
政府系ファンドのクールジャパン機構が100億円を出資します。
http://mainichi.jp/articles/20190421/k00/00m/020/048000c

この事業は「遊びと学び」をコンセプトに、教育コンテンツやアプリを制作・配信することと、バーチャルなコンテンツ、アプリをリアルに体感できるアトラクション施設を設置すること、つまりバーチャルとリアルの双方を進めます。
事業開始は礼和元年10月を目指します。
https://www.businessinsider.jp/post-189486

記者会見には、吉本興業大崎会長、NTT澤田社長、クールジャパン機構北川社長の3人が登壇。
同僚の石戸奈々子さん、NHK「チコちゃんに叱られる!」などで知られる伝説のテレビプロデューサー小松純也さんらも登場し、ぼくと木佐彩子さんがモデレートしました。

冒頭「日本を牛耳るお三方が、東京を離れて、沖縄でというのは、ただならぬ会見です」と申し上げました。
吉本☓NTTという異例のタッグによる教育☓デジタル☓世界という挑戦を国が100億円で応援。
東京で会見を開いたらスゴいざわつきだったでしょう。

100年間、小屋やテレビのアナログでエンタメを作ってきた吉本は、いまデジタル+地方創生+海外展開に舵を切るとともに、教育やソーシャルという「公益」領域で第二創業を立ち上げています。
吉本興業の興業は業を興すと書きますが、また新たな業を興すということです。

もともと吉本は教育企業だったのです。
大崎洋会長「吉本は全員がビリギャルみたいなもん。ぼくも含めてダメダメ人間の集まり。だから、いろんな人たちのお世話をするというのがベース。ひとりひとりの子供が、自分で考えて、強く生きる力を持つための新しい学びが必要だ。」
言葉に力があります。

大崎会長はネットフリックスやアマゾンとコンテンツ制作で協働しながら、対抗する国産プラットフォームを模索してきた。
そして教育という国内の放送局と対立しないジャンルに目をつけた。
非上場化からデジタルへのシフトの社長10年を経て、4月から会長となった大崎さんの大勝負が今回の「マザー」。

日本で一番やわらかい吉本が、一番硬いNTTと組むというのは大事件。
でも教育コンテンツやアジア市場という未開の領域に切り込むにはいい座組です。
NTT澤田純社長「現代の教育はよくできる子には物足りない、遅れる子には冷たい。ひとりひとりに対してのパーソナルコンテンツの基盤ができるのではないか」。

「5Gの電波割当が行われました。新しい通信サービスに乗る新種のコンテンツとして期待できそう。
そしてNTTは研究所で世界最高の面白い技術を開発しています。その技術のショウケースとしてもこのプラットフォームは期待できる。」
ぼくは会見でそう紹介しました。

そしてクールジャパン機構による海外展開の後押しです。
ソニー・ミュージックCEOとしてコンテンツ事業を知り尽くしている北川さんが、今度は機構のトップとして事業を後押し。
「新しい見方で遊びと学びを考え世界に届ける。響く可能性がある。誰もやったことがない仕事。応援する。」

このお三方が組んで打ち出す教育コンテンツが肝心です。
教育といっても勉強ではない。「遊びと学び」。
大崎さんは「CANVASで行く」と明言しています。
ぼくらのNPO CANVASが培ってきた、子どもの創造力と表現力を高めるワークショップ活動を軸に据えます。従来の教育へのアンチテーゼでもあります。

教育内容の方向付けはCANVAS理事長の石戸奈々子さん。
石戸さんは昨年、教育☓テクノロジーを開拓するネットワーク「超教育協会」も立ち上げ代表に就任しました。
先進教育に先端技術をかけ合わせ、壁を破る。
今回の件は、そのパンクな運動に、アプリ化、配信、資金という肉がついたものです。

それを映像化するのが小松純也さん。
フジテレビの伝説的なヒット番組を作り続け、NHKのチコちゃんに叱られる!という国民番組も作られた小松さんが、独立して最初に仕掛けるのがこのネット・プラットフォームというのも大事件です。
教育やテクノロジーをどう料理されるか、注目!

吉本☓NTT☓クールジャパン機構。超教育☓デジタル☓世界。
平成にしこしこと育ててきたうねりが、令和の訪れとともに形を伴って爆発する気配です。
大崎さん「竜巻のように巻き込んでいく。」
巻き込まれたみなさん、その渦を爆発させましょう。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2019年5月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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