「半導体」輸出規制:ガチの貿易戦争で韓国が悲鳴

アゴラ編集部

日本政府が1日、テレビやスマートフォンの製造などに使われる半導体材料3品目の韓国向け輸出手続きを厳格化する方針を打ち出したことを受けて、韓国紙が悲鳴を上げている。

Wikipediaより:編集部

朝鮮日報は2日9時15分に「対韓輸出規制:韓国の急所突く『日本の報復』(上)」と題した記事を掲載。今回の輸出規制が韓国企業に与える影響について、

これらは日本が世界市場の70-90%を占めている必須素材で、日本が供給を停止すれば、サムスン電子やSKハイニックスなど韓国企業は深刻な打撃を受ける。

と説明した。

また同日10時掲載の記事「対韓輸出規制:関係悪化招いた韓国大統領府、尻拭いは担当省庁に押し付け」は、「責任問題や後始末が必要な事案では所管の部処に責任を押し付ける」という韓国大統領府の対応パターンを指摘。

韓国大統領府はこれまで特定の問題で成果があれば前面に出るが、責任問題や後始末が必要な事案では所管の部処に責任を押し付けるパターンを何度も繰り返してきた。

……北朝鮮の木造船が江原道の三陟港に入港し帰順した事件では、大統領府は国防部に対応を一任した。今回、日本による経済報復に対しても同じような対応に出ているのだ。

さらに10時01分掲載の社説「韓国企業を狙い撃つ日・米・中、何もしない韓国政府」では、日本政府の対応が強制徴用判決による日本企業の資産差し押さえなどへの報復であるとの見方を示し、

日本政府は「(韓国との)信頼関係が顕著に損なわれた」との理由を挙げることで、韓国大法院(最高裁に相当)による強制徴用判決で日本企業に賠償を命じ、資産を差し押さえたことへの報復であることを明確にした。

深刻な景気の悪化で不振にあえぐ韓国経済に対して韓国政府が無策であることを嘆いた。

当初は政府次元での交渉や調整で解決すべき外交問題だったはずだが、これが企業や産業界に直接の打撃をもたらす最悪の状況に直面しつつあるのだ。

ただでさえ深刻な景気の悪化で不振にあえぐ韓国経済にとっては文字通り泣きっ面に蜂だ。

強大国が韓国政府をスルーして韓国企業や産業界を狙い撃ちし、直接影響力を行使することで圧力を加えるというこれまでにない事態が毎日のように続いている。数々の規制や建前で企業を苦しめてきた韓国政府は、自国の企業を守るべき状況で一体何をしているのか全く見えてこない。

また他にも「半導体生産を相当部分中止しなければならない恐れもある」という業界関係者の声も伝えられる(時事通信)中、ネット上には、

日本を甘く見すぎた結果です。安倍さんも耐えきれなかったのでしょう。これだけではありません。これからも制裁は続きますよ。お楽しみに

いい加減「遺憾砲」にうんざりしてたから遅いくらいだけどGJ

なぜここまでの事態になったのか、よく考えてみるといい。
何でも日本のせいにすればいいってもんじゃないんですよ。

と今回の日本政府の対応に驚きも示しつつ、概ね歓迎するコメントで溢れていた。

一部では対韓輸出規制によって「日本企業にも相当な被害が出る」「韓国が半導体材料を内製化することになる」などと懸念する声が出ているが、元経済産業省官僚で半導体政策に詳しい宇佐美典也氏は、「短期的には日本にそれほどダメージない」「基本的に先端材料の開発は、先端装置を揃えた開発環境がないとできないから(内製化は)かなり困難」との見方を示した。