今週のつぶやき:韓国は負のサイクルから抜けられず…

参議院選挙は21日の投開票。これからしばらくはこのニュースも注目されそうですが、着目点は自民、公明、維新を中心とする改憲勢力が非改選分も含めて3分の2を確保できるかという点、及び、野党の足並みはそろうのかという点かと思います。下馬評では3分の2は厳しいラインで無所属や国民民主党の取り込みを視野に野党を分断させるシナリオが見て取れますが、さて、如何に。

では今週のつぶやきです。

アメリカの利下げ期待が高すぎる…

7月のアメリカFOMCでの利下げ期待度は専門家の間では100%となっています。100%って利下げする、と断じているわけですが、本日発表されたアメリカ6月度の雇用統計は事前予想の16万人増に対して22.4万人増とサプライズ感すらあり、そのショックで株価が下げるという訳の分からない展開になっています。

パウエルFRB議長(FRB公式ツイッターより:編集部)

利下げへのプレッシャーはトランプ政権と市場の両方からですが、2018年に利上げをし続けた結果、世界で最も安定した国の金利が一番良いという結果が生まれ、アメリカにマネーが流入し、ドルが高くなりました。これがトランプ大統領からすれば輸出競争力が下がり、貿易収支が気に入らない理由の一つなのでしょう。

かといって利下げを必要とする経済状況かといえば不動産や自動車販売にやや陰りが見えるもののそこまででもないように感じます。雇用については失業率が3.7%とアメリカにしてはほぼ完全雇用水準で利下げとは対極的ですが、労働参加率がまだ62.9%と低く潜在労働力はまだあるとする見方も確かにあります。

大統領選に向けてこれから様々な経済刺激策が出てくるとすれば私の本心は利下げは9月まで待ってもいいと思うのですが、トランプ大統領はそうさせないのでしょうか。さてさて。

急ぎ過ぎたセブンペイ

不正利用問題で注目されるセブンペイ。その不正の内容は専門家に譲るとして私が注目したのはマーケティングの逆効果であります。一般的にはマーケティングをすれば販売が上昇し、好結果があると信じられています。

セブンペイ公式サイトより

しかし、それは売り出す商品やサービスがしっかりしたものであり、使った人から「いいね」と評価してもらえる場合だという前提が欠落しています。今回はセブンイレブンで総力を挙げて事前マーケティングしてポスターも張り、準備万端だっただけにこの反動はマーケティングしない場合よりも大きいものになってしまいました。同社の対策チームにはセブンペイの小林社長がトップではなく、セブンイレブン本体の副社長が上に立つという厳しい組織決定もありました。

日本の場合、似たようなサービスが競合他社と先を競って行われるため、スピード感を最も重視します。多分、このセブンペイも夜を徹して準備をしてきたのでしょう。が、PayPayなど過去に同様の失敗をした企業も数多い中でセキュリティに関して2段階認証を採用していなかったのは相当な判断ミスでコンピューターの世界で暗躍する人たちの能力と破壊力を過小評価していたと思われても仕方ないでしょう。本当に重視すべきは安全だということを肝に銘じてもらいたいものです。

韓国は負のサイクルから抜けられず…

文大統領は今頃、何を思っているでしょうか?歴史的会談から1週間たち、ふと冷静になってみれば米朝で話が本当に展開するのだろうかという不安はあるでしょう。時間が想像以上にかかるかもしれないと思い始めると自分がいつまで苦しい思いをしなくてはいけないのだろうという嫌な気持ちすら湧き上がってくるのかもしれません。

韓国大統領府FBより:編集部

北側の隣国との関係を重視しすぎるあまり、東側の隣国と厳しい状況に陥り、西側の隣国とも見えない壁があるように見えます。いや、それ以上に韓国国内に鬱積する不満は今後、更に拡大する公算は高いでしょう。15-29歳の失業率はなんと25%を超えます。夢も希望もない中、唯一の成功企業、サムスン電子の4-6月期の利益は前年同期比56%減で1-3月の6割減のトレンドを引きづっています。

そういう時は喧嘩をしてうっ憤を晴らすというのはアメリカがイラクに戦争を吹っ掛けた時と同じようなシナリオです。アメリカはそれでも強かったからよいのですが、韓国が日本に喧嘩を売ってどうするのか、もう無謀としか言いようがない気がします。

慰安婦財団も勝手に解散してしまいました。これは酷い。では、かつて日本と不仲だった中国は、といえば日中関係は雪解けムードでかなり良好、しばし政治的問題は封印される気配が濃厚です。となれば韓国政府は四面楚歌になりつつあり、国内からもそろそろ大きな不満の声が出てこないとも限らないような気がします。

後記

九州豪雨の被害が最悪の事態を免れてよかったと思います。が、今年の気象は世界中でおかしい状況です。メキシコでヒョウが1メートル積もったとか、アラスカで30度を超えたとか、フランスで45度を超えたなど各地でびっくりする状態になっています。日本の夏はこれから。台風3号は室戸岬200キロ沖で発生しましたが、台風が日本の近海で発生するのも薄気味悪いもので、これから先が思いやられそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年7月6日の記事より転載させていただきました。