「韓国は敵なのか」署名活動に「いつものメンツで笑う」の声

経産省が、半導体材料の輸出管理で優遇措置をとる「ホワイト国」から韓国を除外したことについて、日本国内の大学教授らが「敵対的な行為は明らか」などと政府を非難し、25日から署名活動を開始したことが波紋を呼んでいる。

署名世話人の和田春樹氏(Wikipedia)、賛同人の山口二郎氏(Twitter)金子勝氏(慶応大HP)

声明文のタイトルはズバリ「韓国は敵なのか」。東京大学の和田春樹名誉教授らが世話人となり、

私たちは、日本政府が韓国に対する輸出規制をただちに撤回し、韓国政府との間で、冷静な対話・議論を開始することを求めるものです。

ネトウヨやヘイトスピーチ派がどんなに叫ぼうと、日本と韓国は大切な隣国同士であり、韓国と日本を切り離すことはできないのです。

安倍首相は、日本国民と韓国国民の仲を裂き、両国民を対立反目させるようなことはやめてください。意見が違えば、手を握ったまま、討論をつづければいいではないですか。

などと安倍政権の対韓外交を非難して、対話を呼びかけている。この署名活動は韓国メディアの注目も集め、中央日報日本語版でも29日に取り上げられた。

「対韓規制撤回せよ」日本の知識人77人の叫び | Joongang Ilbo | 中央日報 

和田教授ら世話人を含め、賛同者として78人(29日現在)が名を連ねているが、その顔ぶれを見ると、金子勝氏や香山リカ氏、山口二郎氏、元朝日新聞ソウル支局長など、安倍政権に敵対的な左派系の有識者、あるいはピースボートなど左派系団体の関係者が目立つ。

この署名活動について、アゴラでもおなじみの八幡和郎氏はFacebookで「愚かな声明」と一刀両断。

彼らとて韓国側の言い分を全面的に認めるわけにはいかなくなっているのは注目すべきですが、いくら間違ってても日本人は正しい主張をできないということらしいです。

などと署名活動について皮肉気味に評した。

また、「韓国は敵なのか」という、いささか挑発的にすら思える声明文の問いかけ型のタイトルには、右派のネット民を中心にツッコミが殺到した。

海自機にレーダー照射してくる国が敵じゃなかったら何なんだ

いつものメンツで笑う。規制していないものをどう撤回しろと?

これは韓国を擁護しすぎな活動だと思う

などといった説得力ある指摘が並んだ。

なお、この日未明、日本経済新聞は、韓国をホワイト国から除外する措置に対する経産省の意見公募に4万件を超える応募があったと報じた。その大半が賛成だったとみられるという。

署名に賛同する有識者たちからみれば、こうした動きは「ノイジーマイノリティー」「ネトウヨの策動」程度にしか認識しないであろうが、同新聞とテレビ東京が26〜28日、電話での聞き取りで行った世論調査でも、韓国への輸出管理厳格化に賛成は58%と、反対の20%の3倍近くにのぼった。

ネトウヨならずとも日本国民の一定層が韓国に嫌悪感を抱き始めているのは確かと見られ、署名運動に力を入れる人たちと「民意」との乖離が浮かび上がる。