アーティストIDを付番するアーティストコモンズ、離陸!

一般社団法人 アーティストコモンズ
が発足しました。
円滑なメディア・コンテンツサービス連携に向け、アーティストに固有のIDを付番します。
CiP協議会をベースに進めてきたプロジェクトが独立、法人化するものです。

「アーティストが第一。先が読めないネット時代はなおさら人をベースに。著作権は人格権。」(中井猛アーティストコモンズ会長)

「メディア環境変化の中、コンテンツも関わる人も変化しなければならない。だがこうした組織の運営は大変。みなさんの協力を。」(音事協 堀会長)

アーティストコモンズ(AC)は、
日本音楽事業者協会(音事協)、
日本音楽制作者連盟(音制連)、
コンサートプロモーターズ協会(ACPC)
などの音楽・エンタメ8団体・2企業が共同設立したものです。

スマホ中心のメディア環境でユーザはフィルターバブルと呼ばれる狭い世界に陥りがちで、アーティストが生み出す多様なコンテンツに出会う機会が少なくなっています。

ネット配信、チケット、ニュース、ランキング、放送などのサービス連携が十分でないこと、権利許諾が難しいことが一因だと考えられます。

そこでサービス連携を容易にしてアーティストの付加価値を高める情報基盤を構築するために、2014年10月から、共通のアーティストID「AC-ID」の付番と連携プログラム「AC-API」を音楽・エンタメ団体と学術研究機関が共同で開発・提供する研究・実証を重ねてきました。

アーティストID「AC-ID」はラジオのオンエア楽曲とライブチケットなどのサービス連携に加え、テレビの同時配信、キャッチアップサービスなどに伴う正確な使用状況の把握、ユーザの利便性の向上などさまざまな応用が考えられます。

音楽アーティストから先行してすでに付番を開始していますが、今後はタレント、俳優、スポーツ選手、文化人などに対象を広げていきます。

アーティスト名から音楽や映像に飛ぶ。
ライブやチケット、SNSやグッズへも容易にアクセス。
事業者にとっては動画配信での出演者、楽曲の利用状況の把握が簡単に。
ライブ、サブスク、チケット、ニュース、チャート、SNS、放送・動画配信などさまざまなサービスが容易に連携する基盤を提供します。

これまでもradiko、チケットぴあ、イープラス、ローチケなどと、オンエア楽曲から直接プレイガイド各社へのサイトへリンク、チケット購入も可能とするよう試験を行ってきました。

いよいよ実装・サービス化するため、法人化することになりました。

正社員は音事協・音制連・ACPCの3団体。
準社員に
日本レコード協会(RIAJ)
日本音楽出版社協会(MPA)
日本芸能家実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)
著作権情報集中処理機構(CDC)
日本音楽著作権協会(JASRAC)
レコチョク
NexTone。
音楽・実演系のかつてない勢揃い。

会長はスペースシャワー中井猛さん、理事長に関大・三浦文夫教授。
ぼくは顧問を務めます。
総会には音楽・コンテンツ業界を代表するみなさんにお集まりいただきました。
総務省・経産省の幹部にも。
CiPはこうしたプロジェクトを起こし、育て、社会実装する。
これからも続けます!


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2019年9月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。