有難うございます!初鹿明博先生 薬物事犯へのダブルヘッダーでの質問

2019年10月31日 14:00

現在、薬物事犯に関する問題が世間を騒がせ、その動向に注目が集まっていますが、昨日は、これらの問題に対して、初鹿明博先生が早速取り上げて下さり、衆議院の委員会でご質問くださったんです。
しかも、午前中は厚生労働委員会、午後は文部科学委員会とダブルヘッダーで駆け回って下さり、本当に有難いことで、初鹿先生にはいつも依存症問題にお力添え頂いており感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、では昨日ご質問下さった内容とはどんなものだったのか?
概要を書きますので、皆さま是非衆議院インターネット審議中継でご覧下さいね。
衆議院インターネット審議中継

初鹿明博議員(衆議院インターネット中継より:編集部)

1)厚生労働委員会:麻取の守秘義務違反について

初鹿先生はまず、もうすでに新聞等で報道されている、田口淳之介さんらが逮捕された時の動画を、テレビの制作会社に渡していた件を、加藤厚生労働大臣にご質問くださったんですね。
で、加藤大臣もこの件を事実と認め、大変遺憾であるとお答えになられました。

しかもですよ、この動画をテレビ制作会社にタダで渡したんだか?謝金でも貰っていたのか?接待を受けたりしていたのか?
この辺もまだ明らかになっていませんけど、この動画を渡した関東信越厚生局 麻薬取締部の言い分は、
「薬物乱用防止の広報啓発のために渡した」って言ってるらしいんですよ!

これには驚きと言うか、怒りというか、絶望というか、悲しみというか、私なんかは「やっぱりマトリは、薬物事犯者を人間と思っていないから、人権について考えないんだな。」と、これまでもうすうす感じていたことが確信に代わりましたね。

広報啓発のために家宅捜査から逮捕までの映像をTVで流させる・・・こんなこと普通考えます?
もしこれが本当だったら、マジで人格を疑うし、そもそも麻取って何にも勉強しないでなれるの?と、任用制度自体に疑問がわきますね。
単なる「自分たちのアピールの度が過ぎてしまいました。」と答えてくれた方がよほどマシだったと思います。

これに対して、もちろん初鹿先生が「広報啓発のためにこんなことやっていいんですか?」
と、突っ込んでくれたんですが、さらにまた驚くことに、加藤大臣が「過去にも広報啓発のためにやったことがありますが、今回はまだ係争中だったので問題です」と答えたんですよ。

えぇ~~~~~~~!!!!!!遺憾ってそういう意味だったの!?
大臣自らが、この慣習を問題がないと思ってるんですか???真面目に???

TV局は、こんな動画はスクープ合戦にしか使わないし、だったら何故ある特定の制作会社に渡すんですか?
だとしたら、自分たちで記者会見などで動画を流したら良いんじゃないですか?おかしいですよね。

そこ初鹿先生も突っ込んで下さっています。
「広報啓発ではなく、ワイドショーなどで使われる、TV局の思惑、お金儲けのためになっているんですよね?」
と突っ込んでくださいました。その通り!

だって芸能人の薬物報道なんて、面白おかしく使われているだけだって、日本国民全員が知っていることですよ。
そして特定の制作会社に渡していることが何よりもおかしいです。

で、結局、加藤厚生労働大臣は、現在調査中とおっしゃっていますけど、ここでも初鹿先生が、「いやいやそんなものは内部調査ではなく第三者委員会が必要だ!」と、突っ込んで下さいました。
まぁ、それに対して「地方で起こったことなので、本省職員が行うので、第三者みたいなもの」と厚労省の保険局樽見局長が答えるわけですけど、官僚の内部調査なんてのは甘々なのが常ですからね。

ここは、田口さんらの弁護士さんである、望月先生が刑事告発されていますから、是非地検に動いて欲しい所です。
もう国会の発言で「あった」と認めたんですから、証拠は充分じゃないですか。
東京地検の皆さん、どうか是非麻取のこの長年の守秘義務違反についてしっかり取り調べてください。
我々、依存症の当事者家族は、どれだけ麻取に人権侵害されてきたかわかりません。
是非、宜しくお願い致します。

2)文部科学委員会:「宮本から君へ」文化庁助成金交付取り消しについて

次に、初鹿先生が「宮本から君へ」の助成金の内定が「ピエール瀧さんが出演しているから」と言う理由で、取り消された件について「取り消し理由にある、公益性に反するとはどのような意味か?」とご質問くださいました。

で、文化庁の今里譲次長が「国の助成金で作った映画に、薬物事犯が出てくると、国が薬物乱用を容認することになるから」ってな、もうこんなことは詭弁中の詭弁ですよね!これが繰り返されたわけですよ。

だから~、そんなこと言ったらですよ、教科書に出てくる薬物依存の偉人はどうなるんですか?矛盾してるでしょ!
偉人として取り上げられるエジソンはコカイン大好きでしたし、作家のディッケンズは自らアヘン窟に通っちゃうくらいのアヘン好きだったし、坂口安吾はヒロポン中毒、折口信夫はコカイン中毒、芥川龍之介、川端康成、太宰治といった日本文学の金字塔は睡眠薬依存で有名じゃないですか!
学校って税金使っていますよね?そこで教えてるものは薬物啓発にならないんですか?

何故、現代のしかも芸能界だけ、映画だけがこんな理由をつけて助成金取り消しとなるんですか?
文化庁の上部組織は文科省じゃないですか。同じところが管轄していますよね?
薬物問題とその作品や偉業は全く別ですよね。
そこを排除すべきではないし、排除できるものでもないし、排除したら文化なんか成り立たないですよ。
文化と道徳は違います。

念のためと応援したい気持ちもあったので、私、昨日夫とこの「宮本から君へ」をレイトショーで観てきたんですね。
薬物なんか1ミリも出てない、めっちゃ熱い青春ラブストーリーでしたよ。
ピエール瀧さんも、すごく素敵なお父さん役で、薬物を彷彿とさせるシーンなんかどっこにもありませんでした。
皆さん、まだ上映中なのでどんどん観に行ってください!

さらに公益性について、何を持って公益性というのか?
薬物事犯の方が、社会復帰することも公益性じゃないんですか?
先進国はどこだって治療と社会復帰に力を注いでいますよ。
初鹿先生は「こういう判断は、薬物事犯の更生の妨げになる」「今後、文化に対して恣意的判断がないように!」とおっしゃって下さいました。

この国の薬物政策は本当に時代遅れです。
自己使用した人、乱用者や依存症者は適切な治療や支援を受ければ、
いくらだって社会復帰できるし、実際社会復帰しています。
必要以上にスティグマを強化しているのは、最も楽な方法で、役所の担当部署の存在意義アピールじゃないの?と勘ぐっちゃいますね。

アピールをするなら、「ダメ、絶対」なんて手抜きをしてないで、先進国の名に恥じぬよう、科学的根拠と実績を鑑み、何より薬物で苦しんでいる当事者・家族救う政策を行って欲しいと思います。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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