今井雅人・柚木道義議員の「サンフランシスコ質問」は議事録から削除せよ

池田 信夫

アゴラの記事で指摘した国会質問の事実誤認(あるいは偽造)は今井雅人議員(立憲民主党会派)だけではなく、柚木道義議員(同)も10月23日の衆議院内閣委員会で「内閣府が図を漏洩したのではないか」と質問した。これを自分でツイートしている。

北村大臣が答弁できなかったのは当然である。質問が意味をなさないからだ。柚木氏は「時系列の流れだと、この図は内閣府が渡さないと高橋さんが入手しえない」というが、時系列がおかしいのは柚木氏である。

高橋洋一氏のツイートは日本時間の15日11:57で、終わったばかりの国会中継で見た図の感想をつぶやいたものだ。この図は森ゆうこ議員が内閣府にも渡していないのだから、内閣府が高橋氏に渡すことはできない。

このトンチンカンな質問の原因は、野党の資料のスクリーンショットで、このツイートの日付が「14日19:57」というサンフランシスコ時間(太平洋標準時)で表示されていたためだ。

野党の資料

私を含む多くの人の指摘に野党議員は答えないので、間違いを認めたものと考えていいだろう。これは誤認なのか偽造なのか。

元のツイートが残っているので偽造するとは考えにくいが、誤認だとすれば誰が誤認したのか。ツイートに「森議員の質問の最後に」と書いてあるのを読めば15日の質問の前とは思えないが、なぜ野党では誰も気づかなかったのか。

野党は原口一博氏などが「情報漏洩調査チーム」を立ち上げたらしいので、森ゆうこ議員の「エスパー」発言も含めて、誰が間違えたのかを徹底的に調査すべきだ。

また今井氏の「なぜ高橋さんは質疑が始まる前に、この図のことを知っていらっしゃったんでしょうか? 」という質問や、柚木氏の「高橋さんが入手しえない」という質問は、サンフランシスコ時間による事実誤認である。日本の国会の議事録からは削除すべきだ。

なお柚木氏への答弁で私の名前が出てくるが、原英史氏が「質問通告と出席要請があった」と明らかにしたのは14日のアゴラの記事であり、質問の前に彼が(私を含む)みんなに知らせたことは明らかだ。これを「情報漏洩」などと騒ぐのは問題のすり替えである。