過疎地のライドシェア導入論:離島からのスーパーシティ構築

2020年01月02日 06:00

苦しい地方交通におけるライドシェア

ライドシェアによる地域の交通問題解決が提案されて久しいが、白タクへの全国一律の包括的許可は難しい。これはタクシー業との調整もあるが、第二種普通自動車運転免許の発行をされていない方々がどこでも自由に旅客輸送を行うことが極めて危険だということもある。

写真AC:編集部

しかし、過疎地域、特に離島など地続きのないエリア限定であれば考え方は変わる。観光シーズンで観光者が航空機や船舶で来島するタイミングに交通需要が局所的に高まる離島の性質上、常時運営するタクシーでは配車数が足りなくなる問題は悪化している。観光客増とは裏腹に、二種免許保持者が高齢で引退する流れが止まらず、そもそも配車数が足りない地域や配車していない時間が往々にしてある。

旅客輸送ができなければ経済は負の循環

夜遅い時間帯などに旅客輸送営業がなければ、ナイトタイムエコノミーは縮小し、地域衰退は加速してしまう。一種免許があれば旅客輸送が形式上成り立つライドシェアが求められている要因である。

旅館や空港で送迎サービスを行っているようなことを想像していただければわかると思うが、ライドシェアも旅客輸送による対価を得ずに観光客や地域住民の移動を助けるのであれば、道路運送法にも抵触せず問題ないのである。チップイン方式などでも良いかもしれない。とにもかくにも、地域経済のためには移動手段を確保していく必要がある。居住者にとっては言わずもがなである。

過疎地域の課題解決にスーパーシティ導入

今の時代には、地域自治体が柔軟な発想で新しいサービスを取り入れていかなくてはならないのである。過疎地域であればあるほど、必死でなくてはならない。そして、国においても変化に対応する迅速な法改正を行わねばならないはずだ。

近い将来、旅客輸送に、自動運転技術が普及していくことは皆が想像し得ることだろうが、現行法では処理しきれない。例えば、現行法だと自動運転車に二種免許保持者に運転させずとも、運転席に座っていていただくことになる。日本では、法を整備する難しさがあるために、社会の課題解決に向けた革新的な新技術導入が進まないことも考えられる。柔軟さと慎重さがともに求められるために常に悩ましい問題になるだろう。

こうした問題を乗り越える一助となるのが、来年審議予定のスーパーシティ法案になるばすだ。スーパーシティ構想とは、AI・ドローン・自動運転・遠隔医療などを可能にし、生活全般にわたり最先端技術を導入するエリアをつくることである。スーパーシティでは法的問題を地域住民の合意形成により乗り越え、未来都市を実現加速させていく。新規都市のグリーンフィールド型や既存都市のブラウンフィールド型などが検討されており、別途ブログを作成したいと思っている。

スーパーシティ内のみによらず、未来の転換に向けて、各地域で何をどう変化させなくてはならないのか必死に考えていかなくてはならない。DX(デジタルビジネストランスフォーメーション)時代における破壊的イノベーションの波にのまれて、地域が壊れていく様に気づいてから行動するのでは遅い。

隔離性をポジティブに受け取り、離島からスーパーシティを構築するということも本気で考えていきたい。


編集部より:この記事は、衆議院議員の鷲尾英一郎氏(新潟2区、自由民主党)の公式ブログ 2019年12月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鷲尾英一郎の日記をご覧ください。

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鷲尾 英一郎
衆議院議員(自由民主党、新潟2区)

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