ALS講演者のプロとしてのプライドの根拠とは?

私は自分の講演に絶対的な自信を持っています。

①相手の属性や人数に合わせる

私はこれまでに100近い講演をして来ましたが、必ずお受けするときに聞き手がどんな方達で何名くらいかを確認します。理由は「私が話したいことではなく、お客様が聞きたいこと」をお話するためです。また、人数によってお客様との距離感が変わるので、同じことを言っても伝わり方は変わります。だから私の講演は常にオーダーメイドです(^ ^)

②ブログを書き続けることで話すネタをストック

私はALSになる前から、仕事の立場上人前で話す機会はしばしばありました。その場合、話す骨子を箇条書きしておけば、細かい話は頭の中で作って話していました。それはALSになった今も変わりません。このブログの内容も頭の中では出来上がっています。ただアウトプットに膨大な時間がかかるだけなのです。よって私は、週一回ブログを書いて、頭の中にあるものを文章化しています。

③どんなテーマにも柔軟に対応

私は過去にALS、FC岐阜、仕事、教育、子育て、医療福祉、企業研修、障害者と健常者、人権、地域活性、バリアフリー……などなど様々なテーマについて講演して来ました。これだけ多岐の分野について語れるのは、世界広しと言えどそうそうはいないと自負しています(^ ^)

④音声合成ソフト『ボイスター』

私はALSに声を奪われたので喋ることが出来ません。なので一般的なALS患者の講演は、介助者の代読で行われます。しかし、私の講演はあくまで私の声でお話します。それを可能にしているのがボイスターです。まだ声が出る頃に約1000個の短文を読む声を録音して私の声の特徴を捉えました。その結果、パソコンにどんな文章を打ち込んでも、私の声にそっくりな合成音声が発声されます。自分の声で語るからこそ伝わるものがあると思います。

⑤ALSだから

動けない、喋れない、原因不明、治療法なし、進行性の病気、そんなALS患者である私が、単に人前で話すだけでもすごいことだとお客様は思ってくれます。つまり、私の話の内容に対して無意識にハードルを下げて下さっているのです。そこに涙と笑いの感動巨編(笑)が語られるので、お客様は拍手喝采となるのです(^ ^)ALSが仕事上のメリットとなっています。

一方で課題もあります。

課題
①アドリブが効かない

上記のように、私は話す内容を全て合成音声で準備していくので、当日の私の役割はスライドを進める指示と質疑応答だけです。その場の雰囲気に合わせて一言でもツッコミを入れられれば、私の講演は更に良くなると思います。そんなアドリブを、司会補佐役と日夜研究しています。

②抑揚とイントネーション

例えば、子供が音読で花を鼻のイントネーションで読んだとしても、ALS患者はその間違いを指摘する術を持ちません。それは合成音声も同じです。たまにミスります(笑)イントネーションや感情を込めた音声には、まだまだテクノロジーが追いついていないのが現状です。しかし、チームボイスターはこの課題に取り組んでおり、必ず成果を出してくれると思います。

長々と書いてしまいましたが、一言で言うと
講演のオファーください‼️』です。

私自身も色々な方の講演を聞いて来ました。中には有名人と呼ばれる方もいらっしゃいました。その講演と自身の講演を比べて、負けたと思ったのは一度だけです。もちろん講演は勝ち負けではありませんが、コストパフォーマンスにも絶対の自信を持っています。是非お試しください。

ちなみに今年既に11件講演を受注してます。行政や企業や学校や福祉団体何でもござれです(^ ^)まだまだお待ちしております‼️

恩田 聖敬


この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ元社長)のブログ「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」2020年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。