望月衣塑子vs毎日新聞:一番悪いのは東京新聞(中日新聞)

2020年02月09日 06:01

FCCJ動画より

菅官房長官の定例記者会見で質問打ち切りが増えていることを巡り、東京新聞社会部の望月衣塑子記者がツイッターで、自分を指させないように官邸記者クラブが謀議していたかのように非難し、毎日新聞政治部官邸番の秋山信一記者がそれに猛反論する記事を書いたことが論争を呼んでいる。

「望月記者は指させない」…事実に反するツイート拡散 菅長官会見巡る異常事態(毎日新聞)

日本新聞協会加盟の記者クラブメディアが同じクラブ加盟社の記者の言動に関して、犯罪でもないのに実名で報じること自体が異例だが、秋山記者の記事では望月記者のことを「会見に頻繁に参加する東京新聞の望月衣塑子氏」と書くなど、記者の呼称も使わず、ものすごい怨念を感じさせる。望月氏が官邸会見に参加しはじめて3年近くが経つが、その言動を巡っては、自社内を含めた政治部記者たちが眉をひそめ続けてきたのは確かで、とうとう事態がここまでに至ったと思わざるを得ない。

朝日記者の“参戦”で複雑化するが本質はシンプル

ところが、昨晩アゴラでも紹介したように、朝日新聞サンフランシスコ支局長の尾形聡彦記者が「番記者の特権意識が感じられる」などと望月氏を事実上擁護するツイートを連投し、さらに毎日新聞の統合デジタル取材センターの中川聡子記者も、尾形記者に同調するような見解を示した。

毎日社内では、和田浩明記者のように秋山記者と同じく望月記者に批判的な向きもある一方で、中川記者のような「造反分子」も少なからずいることをうかがわせた。意見の相違が表面化することも異例だが、望月氏の一連の異常な振る舞いが、他社の記者たちをも巻き込む異常事態を招いている。

海の向こうの朝日の記者がわざわざ「乱入」してきたことで話がややこしくなりそうだが、元時事通信の政治評論家、加藤清隆さんのツイッターでの指摘がコトの本質を突いている。これを拝借して補足すると、

  1. 望月氏は内閣記者会の正式メンバーではなく、オブザーバー参加
  2. 会見時間が短ければ質問するチャンスはないのに、望月氏は「番記者が内々に望月の質問を制限した」などとツイート
  3. 毎日の秋山記者が「事実無根」と抗議、削除を要求

ということに過ぎない。つまり記者クラブの問題以前に望月氏が「新聞記者」として事実に基づいた発信をしているかどうかなのだ。

朝日の尾形記者は、ホワイトハウス記者協会の事例を引き合いに、官邸クラブの「閉鎖性」を非難しているが、自らも記者クラブメディアの一員でありながら、他人事のように論評し、記者クラブをやめるか、ホワイトハウス型への改革移行を朝日新聞社が主導した実績があるわけでもないのだから、まさに「おまゆう」だ。

以前から危うかった望月氏の独善的な言動

もちろん、官邸クラブの既存の取材のあり方がいいとは私にも思えない。尾形記者が指摘するような硬直的な体質があることに加え、取材対象者の顔も見ずに若い記者たちがタイピングマシーンと化し、平時はろくな質問もしない。これでは望月氏に荒らされ、付け込まれる余地があったのも事実だ。

しかし、今回の元凶は記者クラブのあり方以前の部分、すなわち望月氏が裏も取らずに思い込みでクラブ記者たちを非難する独善的な言動にこそある。

望月氏のあやうい言動は今に始まったことではない。それは官房長官に対する場違いな詰め方もさることながら、記者として根拠不明瞭な発信もあった。私が最初に「あぶない」と感じたのは2017年5月の事案だ。当時、NHKが眞子様のご婚約スクープをした背景に、官邸が朝日新聞の加計学園報道つぶしを画策してのリークだったのではと根拠不明の断言をしたのだった。

しかしその後、この主張が異なることがあきらかになる。ご婚約スクープをしたのはNHK社会部の皇室担当の橋口和人記者で、官邸が御せる政治部記者ではない。橋口記者はその前の年にも上皇陛下(当時は天皇陛下)の生前退位もスクープしており、秋篠宮家をはじめ皇室にも食い込んでいる辣腕として知られる。結局、「官邸が云々」とする望月氏のツイートはお粗末な“陰謀論”でしかなく、彼女はその後、自分の主張が覆ってもツイートを削除するなどの責任をとっていない。

また、昨年末には沖縄タイムスの事実上の追いかけ記事であったにもかかわらず、「特ダネ」と称する報道をしたこともあった。

望月衣塑子記者、沖縄タイムスからパクった“偽装スクープ”で波紋(アゴラ)

東京新聞のガバナンスやいかに?

毎日・秋山記者の続報記事によれば、東京新聞は今回の問題のツイート内容について見解をあきらかにせず、「個人の発信」だとして取材から事実上逃げ、さらには望月氏が事後に「訂正ツイート」をしたとして不問にする構えをみせたようだ。

すべての混乱を招いているのは、東京新聞にある。著書の映画化など左派メディアのアイドルと化すまで、望月氏にやりたい放題をさせてきたツケが回っているのだ。

いま周囲から批判されている中身は政治的思想の右とか左とかは関係ない。東京新聞と同じ左派的、反安倍政権の論調のはずの毎日新聞にすら公然と指摘される基本的な問題であり、記者管理、ガバナンスの問題なのだ。フェイクニュースを批判しているはずの東京新聞、あるいは経営母体としての中日新聞の見識がいままさに問われている。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長

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