社外取締役は本当に役に立つのか?

2020年02月19日 14:00

社外取締役、つまり、会社と全く関係のない人が上席に座り、経営についてあれこれ意見を述べ、ほとんど責任もなく、年間600万円ぐらいの報酬をもらう人が上場会社では二人以上配することをほぼ義務付けられています。

(写真AC:編集部)

(写真AC:編集部)

なぜ、こんな役員が生まれたのか、一つには銀行の株の持ち合いが減り、企業のガバナンスのうち、監視、監督という意味で経営陣の暴走を許さないようにすること、ということであります。確かに聞こえはよいのですが、極論すれば、第三者であれば誰でもよいわけですから経営陣にとって都合の良い人を招聘するのです。まさか、嫌で嫌でしょうがない人にモノを頼むことはないでしょう。

ソフトバンクの社外取締役を長年務めたファーストリテイリングの柳井正氏が少し前に社外取締役を降りました。長年意見が合わなかった話は時折、メディアを通じて聞こえていました。いよいよ退任すると決めたのは柳井さんが忙しいからというよりやってられないと思ったのではないでしょうか?

そもそも投資会社のソフトバンクに製造販売会社の柳井さんという組み合わせがさっぱりわからないのです。いつも孫さんと激論になったというのは宇宙人同士の会話で根本的土壌が違うのですから無意味であり、説得できるものでもないし、報酬を払うのは泥棒に追い銭ぐらいの感じではなかったかと思います。

会社というのは銀河系の中の太陽系のようなものと想像してよいと思います。大きな枠組みの中にありながらも一つの巨大な組織をそこで廻しているわけで太陽が本体、そしてその周りに子会社である惑星、更にその子会社である衛星が廻り、外部業者である小惑星や彗星が飛び回ると想像したらよいかと思います。

そこには重力と引力があるのですから外部の人が来てその体系が変わるか、といえば悪事は働きにくくなりますが、よほどの影響力がない限り経営そのものは変わらないものです。そもそも今は企業のディスクロージャーが進んでいるので企業の問題はその組織の奥深くで発生するもので社外取締役がいても見えず、謝罪企業は減らないのであります。ただ、日本も欧米の習慣に倣ってそのような仕組みを取り入れたわけです。

社外取締役になる人の比率は上場会社役員経験者が約35%、金融機関約18%、弁護士約12%程度であとは大学教授、政府関係者、会計士などとなっています。

上場会社役員経験者とはバランス感覚が優れている人だと考えています。金融機関や弁護士はリスクを取らないし、大学教授や政府関係者は経営との相性は最悪なのになぜかそういう方々が社外役員をやっている(あるいは上場会社の要求でやらされている)ことになります。

これで果たして機能するのでしょうか?基本的に社外取締役はブレーキは掛けられてもアクセルは踏めない役割だと思っています。なぜなら社業についての専門家ではないのに「何を言っている」ということになるからです。与党と野党の関係を想像してもらえればよいと思いますが、今の国会における社外取締役が野党で必死にブレーキをかけているわけです。

とすれば一種の経営の監査役のようなもの以上の何物でもないのですが、社外取締役という立場そのものが独り歩きしてきているように感じます。そもそも人の会社に入り込んで実務も知らないのにあれやこれや言えるものなのか、私は思っています。

実は私もごく最近、企業ではないのですが、日本のある大きな組織の幹部に選任されてしまい、さてどうしたものか、と思案しているのです。その組織には5-6年前から関与しているのですが、私には見えないことばかりなのです。あまりにも知識が足りない中、たまたま運でそんな役割を頂戴することになってしまいました。社外取締役の選任なんてそんなものなのです。

私には社外取締役への社会的要請と責務がどうしてもバランスしないのであります。誰かに解説して頂きたいものであります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年2月19日の記事より転載させていただきました。

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