新型肺炎:日本は次の段階へ ―世界が注目している―

中国でもう7万人を超えた新型コロナウイルス感染者数、世界各地の感染者数は現在こうなっています。

世界各地での感染者数 ※2020/2/18 6:00現在

中国 74135 ベトナム 16 ロシア 2
シンガポール 81 オーストラリア 15 スペイン 2
日本 74 フランス 12 ネパール 1
香港 61 マカオ 10 カンボジア 1
タイ 35 アラブ首長国連 9 ベルギー 1
韓国 31 イギリス 9 フランス 1
アメリカ 29 カナダ 8 スェーデン 1
マレーシア 22 イタリア 3 エジプト 1
台湾 22 フィリピン 3 スリランカ 1
ドイツ 16 インド 3

参考:(Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

一昨日、武漢から第5便のチャーター機が羽田空港に戻ってきました。今回は日本人36人とその中国籍の配偶者ら29人、合計65人の輸送でした。これまで全5便のチャーター機で帰国希望者828人が帰国し、政府は第5便をもってチャーター機派遣をひと区切りに考えています。

先ほどご紹介した、世界の感染者数を改めてみてみると、中国は中国は7万人を超える圧倒的な感染者数となっています。

日本では連日、横浜港に停泊しているダイヤモンドプリンセス号が報じられていますが、ダイヤモンドプリンセス号はイギリス船籍であり、国際法上の旗国主義などもあるため、日本国内の感染者数とは厳密にカウントされていません。ですから、WHOの発表でも日本のカウントに入っていませんが、一方で日本の感染者数を「400人を超える人数」などと報道している外国メディアも日本メディアもあります。この数字は厳密には違うんですけれども、ダイヤモンドプリンセス内の船内感染者542人※を足し合わせた人数を出しているからです。※2020/2/18 6:00現在

これまでのチャーター機というのは、中国武漢から日本に戻ってくるチャーター機でしたが、一昨日は日本から出て行くチャーター機もありました。そのチャーター機第1号は、ダイヤモンドプリンセス号の中にいるアメリカ国民を自国に戻すためのチャーター機でした。朝6時台にダイヤモンドプリンセス号に乗っていた帰国を希望するアメリカ人、合計380人が2機の飛行機で羽田空港を飛び立ちました。アメリカに続きカナダや香港、イタリアも日本へのチャーター機派遣を決め、台湾も日本との交渉を開始、オーストラリアも派遣を希望し調整中とのことです。これらの国々のチャーター機に対して安倍総理は「長期化する中で日本の負担軽減なども勘案しながら総合的な判断をされた」と発言していますし、各国政府も「日本の負担軽減だと」主張しています。

しかし、ダイヤモンドプリンセス号の外国人乗客からは、フランスのテレビで報じられた「豪華なクルーズじゃない。まるで『浮かぶ監獄』だ」というイギリス人の言葉であったり、「トランプ大統領、助けて」と発信したアメリカ人もいました。

「いま世界中が心配しているのが日本」

この発言WHOのシニアアドバイザーという進藤奈邦子さんという方が発言しているんですけれども、さらにこうも言っています。

「クルーズ船の集団感染が世界の重大事項になっていて注目度が高い。ぜひここで踏ん張って食い止め、世界の根絶のチャンスを逃さないでほしい」

クルーズ船の対応を含め世界中が今後の日本を注視しているということなんですね。進藤奈邦子さんがWHOの本体とどれだけ一体なのかは、私にはわかりません。ただこの発言は、「日本が感染中心国」というふうに私には聞こえました。

ここから先、日本は正念場ですね。もうこれまでのような水際対策ではありません。これからは国内感染をいかに増やさず、そして感染した人をいかに重症化させないかという段階に移りました。

厚生労働省は新型コロナウイルスの受診や相談の目安をこのように発表しました。

厚労省が相談や受診の前に心がけてほしいことして

○発熱などのかぜ症状が見られるときは学校や会社を休み外出を控える
○毎日、体温を測定して記録する

厚労省が相談や受診の目安

相談する目安としては、
○かぜの症状や37度5分以上の発熱が4日以上続いている人や、解熱剤を飲み続けなければならない人、
○強いだるさや息苦しさがある人としています。

さらに、
○高齢者や、糖尿病・心不全・呼吸器疾患の持病がある人や透析を受けている人、
○免疫抑制剤や抗がん剤などの投与を受けている人は、

感染すると重症化しやすいため、こうした状態が2日程度続く場合

こうした症状が出たら相談する流れですが、政府の対応だけでなく我々もしっかりしなければなりません。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。