財務省は佐川元局長をもう一度調査するべきである

2020年03月24日 06:01

ども宇佐美です。

ながらくアゴラの投稿をご無沙汰してましたが、赤木俊夫氏(財務省文書改竄問題にかかり自殺した近畿財務局職員)の遺書を読み、またそれに関係した首相の会見およびその後の答弁を見て、強い違和感を覚えたので、この際思うところを書き連ねておきます。

佐川宣寿氏(理財局長時代:衆議院インターネット中継より)

まず結論から言えば、私は

「佐川宣寿元理財局長は再度決裁文書改竄の動機について調査されるべき」

だと考えています。

理由については以下の通りです。
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  • いわゆる財務省の文書改竄問題については財務省自身によって調査報告書が既に作成されており、赤木俊夫氏の遺書によって新たな事実は見つかったわけではない。したがって現時点で「事実関係」について再調査をする意味はない
  • また文書改竄をした理由については「国会審議が相当程度紛糾することを懸念して、(国会議員に対しては現実の資料の有無にかかわらず)保存期間終了後の応接録は廃棄している旨を説明」して、事後的につじつま合わせをしたという旨の説明をなされており、これ自体は因果関係として成立している。
  • 他方残された疑問としては、これは当初からのものだが、「なぜ佐川理財局長(当時)が国会議員に対して『保存期間終了後の応接録は廃棄している』という説明方針を取ろうとしたか」という動機に関する部分である
  • この点について佐川元局長は国会の証人喚問時は刑事訴追を理由に答弁を拒否している。例えば丸川珠代議員からの質問には以下のように答えている

「そこの点、書き換えがなぜ行われたかというのは、実は本当に先ほどから繰り返しで恐縮でございますが、そこの書き換えが行われた経緯、理由そのものでございますので、そこの点につきましては、私が先ほど答弁した、私自身の答弁のお答えはできるんでございますけども、 そこの書き換えが行われた決裁文書に関わる事柄につきましては、私自身、刑事訴追の可能性があるということでございます ので、その点についてはご理解賜りたいというふうに思います。」

  • つまり現状決裁文書の書き換えの本当の動機については、佐川元局長しかわからない事項であり、当時の国会質疑でも財務省の調査でも依然として明らかになっていない謎のままと言える。
  • 財務省の調査は、責任者である佐川元局長の積極的協力という最大のピースが欠けており、首相の言うような「徹底した調査」ではない。
  • これは文書改竄の再発を防止する上では大きな問題だが、幸か不幸か、佐川元局長は本件に関しては不起訴がほぼ確定しており特捜の捜査も終結することになった。
  • 本当に財務省が文書改竄の再発を防止をするためには、再調査を通して最大の責任者である佐川元局長の文書改竄の本当の動機を知ることは必要不可欠である。逆に言えば、仮に安倍政権が文書改竄の再発を本当に防止したいならば、このタイミングで佐川元局長を再調査することは、目的に照らせばほぼメリットしかないと言える。
  • したがって仮に安倍政権なり財務省なりがこの期に及んで佐川元局長に対する再調査を拒否するならば、それは「文書改竄問題の再発防止」という観点以外の思惑が絡んでいるということなのだろう。個人的にはそれは死者に対する冒涜以外のなにものでもないと思うところである。

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ではでは今回はこの辺で。

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宇佐美 典也
作家、エネルギーコンサルタント、アゴラ研究所フェロー

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