新型コロナ:厚労省の特設サイト情報発信に困った問題あり

2020年04月06日 06:00

新型コロナウイルスの猛威は収まる兆しがない。年齢や性別などの別なく多くの人が感染する状況になっている。今こそ正確な情報を人々に伝える必要があるが、厚生労働省の特設サイトには問題が多い。

厚労省特設サイトより(4/5夜時点)

まずはバナーの問題。「大臣記者会見概要」「国内の発生状況」などのバナーにはAlt(バナーの内容を示す簡単な説明)がついていない。バナーの内容が把握できない視覚に障害がある人などには情報が伝わらない。ブラウザで拡大表示すると、バナーの文字がにじむ。

次にテキストサイズの問題。上部にリストされている「お知らせ」はh4(四番目に大きな見出し)として設定され大きく表示される。一方、その下の「国内の発生状況」ではフォントが急に小さくなる。これは、「国内の発生状況」のCSS(表示のスタイル設定)が小さいサイズでデザインされているからだ。

ブラウザ設定で、「お知らせ」が自分にとって適切なサイズになるようにした人にとって、「国内の発生状況」は小さすぎる。テキストサイズが小さいという問題は、「高齢者の皆さまに知っていただきたい情報をまとめました」というリンク先でも同様である。

画像や動画の多用も問題。「高齢者の皆さまに…」には「正しい手の洗い方」という画像があるが、iPhoneのVoiceOverでは「イメージ」としか読み上げない。「3つの密を避けましょう」という画像も同様に「イメージ」と読み上げるだけだ。

東京ガールズコレクションの出演モデルが登場する啓発動画」も掲載されているが、中身はモデルとメッセージの画像が数秒おきに順番に表示されるだけで、とても「動画」とは呼べない代物だ。顔写真と共にメッセージをテキストで表示したほうが、多くの人にリーチできる。

海外では高齢者や障害者向けのページを作るのが当たり前になっている。たとえば、ニューヨーク市には「COVID-19 Resources for People with Disabilities(障害者のための新型肺炎情報)」というページがある。その下には、当然のことながら、障害者のアクセスに対応した形式で情報が掲載されている。

白内障の人に見やすく調整できるNYCサイト

利用者への対応が徹底されていないのが、厚生労働省の「高齢者」向けページである。この緊急時に情報発信は優先事項であり、厚生労働省は指摘した問題点は早く改修して欲しい。

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山田 肇
ICPF理事長、東洋大学名誉教授

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