PCR検査、都の予算でボトルネックをなくせ!

2020年04月17日 06:00

この新型コロナの厄介なところは、無自覚、無症状でも、他者にウイルスを感染させてしまうところです。だからこそ、感染源になりうるところを潰していくために、クラスター班が編成され、当初、厚生省も、このチームに戦力を投入し続けました。

一方で、韓国は、当初から徹底的にPCR検査を行い、感染経路を追うというよりは陽性患者を発見し、隔離し、感染の傾向を掴む戦略に出ました。

※画像はイメージです(Dang Tran Hoang/flickr:編集部)

およそ1ヶ月前の3月15日時点の日本と韓国のPCR検査数の比較です。韓国が29万件実施している一方で、日本は1万3千件に留まっていました。

これだけの検査数を実施できたのは、ドライブスルーやウォークスルーを駆使し、病院から検査施設を切り離したことも理由の一つでしょう。

院内でこれだけの検査を行うと、要請患者が知らず知らずに、疾患のある患者さんに感染させてしまうので、二次被害を誘発します。

韓国以外でも、感染症対策で成果を上げているのがドイツですが、両国ともに、対応が迅速であった理由は、感染症対策に投じられていた予算や国家的な備えではなかったでしょうか。詳しくは、今後、検証しますが。

もちろん、都も、私たちもPCR検査の必要性について、指を加えて見てきたわけではありません。私たち都民ファーストの会は、相当早い段階で、小池知事に要望をしてきました。

東京都議会の最大会派、都民ファーストの会は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ウイルス検査の体制強化を小池百合子知事に要望した。体内にウイルスの遺伝子があるかどうかを確認するPCR検査を多くの都民が受けられるよう、都の補正予算で経費を措置するよう求めた。小池氏は「先回りする対応を考えながらやっていきたい」と応じた。

(2月17日 日経新聞記事抜粋)

この要望を受けて、小池知事は、早速、都内のPCR検査を一手に担っていた東京都健康安全研究センターのPCR検査機器の追加購入予算を計上し、議会に提出。速やかに可決成立しました。これにより、一日120検体が限界であった同センターの検査数が約300検体に増えるなど効果はありました。しかし、もちろん、まだ足りません。

そこで、民間検査機関との連携を、都には強く求めて来ました。

国や都よりも遥かに多くのPCR検査器機を稼働させているのが、民間の検査機関などであったことから、小池知事は、民間検査機関との連携強化を、庁内に指示するとともに、4月6日には民間検査機関に対して、PCR検査機器導入支援8億円を計上し、専決処分しました。

これほどに感染が拡大した今、重要なのは、感染経路の確認よりも、陽性患者の隔離です。私の友人も、せき、発熱が続き、PCR検査を希望しましたが、重症者が優先であるとの理由からPCRを断られるといったことがありました。彼は、自分の判断で2週間、自宅療養していましたが、検査できなかったことから、陽性と断定できずに、出社してしまう人がいてもおかしくありません。

4月15日、小池知事は、総額3574億円の補正予算案を公表しました。

都政史上初となる超大型補正予算ですが、このなかで、PCR検査を増やしていくために必要な措置を講じています。それは、宿泊施設活用事業です。

上記から、ご確認いただけるように、宿泊施設活用事業108億円が計上されています。すでに、3月時点で、都は、新型コロナ患者を受け入れてくれるホテルの1000床の確保を表明し、予算化していましたが、さらに2000床を確保するため、108億円を計上しています。

実は、PCR検査を増やしていくために、ホテル確保は欠かせません。ご存知の通り、PCR検査で陽性が判明すると、症状や家族構成、病院の受け入れ状況などにもよりますが、原則、入院いただくことになっています。しかし、病床に限りがあるため、都は、軽症者についてホテルなどに搬送できないか検討を始めました。

しかし、そこは、東京都だけで決められることではありません。厚生省と協議を繰り返す中で、4月2日に、厚生省から以下の通達が下されます。

新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」(4月2日)

厚生省との協議を経て、受け取った上記の通達から、都はホテルへの患者搬送が可能となりました。もちろん、各ホテルには、最低でも1名以上の医師のほかに看護師も必要となります。患者がホテルを出るときには、シーツなどを交換する感染防護のスタッフも必要となります。必要なのは、請負いホテルだけではなく、人的な確保が伴うため、今後は、特に医療従事者の確保が急務になります。医師会との連携はもちろん、普段、都にとって関わりが薄い大学病院などにも直接、医師などの派遣を要請する以外ないと思います。

それでも賄えない場合は、都が、公募して有志の医師を募るべきだと考えています。

さらに、PCR検査を増やすために不可欠な要素が、要請患者のホテルへの直送です。先ほど、指摘したように、陽性患者で軽症者については、入院(自宅療養の場合もある)してからホテルへ搬送です。この方法だと、一時的だとしても、病床が足りなくなりますので、軽症者はホテルへ搬送がベストです。そのことは都に対し、要望していますが、こちらも、厚生省のルール変更を待たざるを得ません。

早急に、厚生省が通達を出してくれることを願い、旧知の国会議員にも働きかけを続けている状況です。

併せて、今、一番、懸念されているのは、クリニックなどの発熱外来での感染拡大です。

新宿区は15日、区の医師会と連携して、検査所を新設し、発熱外来を担う、同区の国立国際医療研究センター病院の負担軽減になるとしました。こうした措置によって、救われるのは、大病院だけではありません。

専門家によれば、コロナ疑いでクリニックなどへ行く患者さんのうち、実際にコロナ陽性患者は20人に一人はいるといいますから、クリニックで働く医療従事者の感染リスクは高く、医療従事者から、疾患のある通院患者に感染してしまう可能性もあります。

だからこそ、発熱外来を専門で受け付ける病棟を分けるとか、新宿区のように、専門の施設を新設する必要に迫られています。

都として、今後一層、こうした取り組みを後押ししていく必要があります。

また、こうしたコロナ陽性患者と接する施設で従事する医療関係者、スタッフを感染から守るためには、万全の体制を構築し、マスク、ガウンはもちろん、施設内で、検査希望者にできるだけ接触しない導線づくりや構造物の工夫が必要になります。ドライブスルーはいい例ですが、電話ボックス型のウォークスルーも現実的かつ、検査の迅速化に貢献しそうです。

今は、まさに有事です。

政治が前面に出て、即応、即決、即効を第一に動かなければなりません。

私たち都民ファーストの会では、都に対し、徹底した感染予防のされたPCR検査体制の強化を、予算からも、仕組みからも提案し、海外の事例、専門家からの助言をもとに、合理的な手法によって、新型コロナ対策を行うように提言していきます。

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伊藤 悠
東京都議会議員(目黒区選出)都民ファーストの会 政調会長代理

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