自粛要請効果なし!パチンコ依存症という病気

2020年04月24日 06:00

今やパチンコの営業自粛がニュースやワイドショー、新聞などでも取り上げられていますが、一般の方々からみれば、「このご時世にパチンコ行く方もどうかしている!」と思われることでしょう。
このご時世にそれでもパチンコに行く人たちは、もうパチンコ依存症者かその予備軍と考えて良いでしょう。

完全に、意志の力や自制、理性が効かなくなっています。
コロナ禍で、「パチンコ依存症とはこういうことか!」と、むしろ一般の方々にご理解頂けたかと思います。

写真AC:編集部

しかし、県をまたいでも空いているパチンコ屋を探して押し寄せる・・・驚きの光景ですよね。
日本のギャンブル依存症者の8割はパチンコ依存症者と言われていますがまさに実感しますね。
やはりまだまだ沢山の人が依存症問題で苦しんでいると思われます。

今やもう気をつけてたって感染する。だから人との接触を8割減らそう!と、感染症の専門家が必死になって訴え、これだけアナウンスしてもどこ吹く風・・・
これが現在パチンコに行っている人たちですよね。
まさに命知らず!

そう、依存症者はそもそも命を粗末にしたい人たちなのです。
その心のメカニズムと、依存症の人がいたらどう接したら良いか?経験者の私が解説します。

1)セルフスティグマと緩慢な自殺

現在、抜け駆けしているパチンコ店は超満員です。
まさに三密。隣の人との距離はわずか数十センチしかありません。
特に4月1日からホール内禁煙となり、狭い喫煙室に押し込められそこではもちろんマスクなどしていません。

今どきそんなところわざわざ行きたいでしょうか?
しかも高齢者、喫煙者はコロナのハイリスク層です。
「罹ったら死ぬかも」と思ったら一般の人は近づかないですよね。

でも依存症者は違います。そんな時でも行ってしまう・・・
そしてパチンコへの強迫観念にあらがえない自分のことを、自分が一番責めています。
自分を見限り、バカにし、ダメ出しをして、自分で自分を見捨てています。
つまりセルフスティグマで自尊心がぺっちゃんこになっているのです。

だから人生に希望とか、生きる意味なんて見いだせないし、むしろ「死ねるならそれもいい」と思っています。
ですから依存症は別名「緩慢な自殺」と呼ばれています。

2)止め方がわからない

ところが周囲の人、特に家族は心配のあまり「そんなことをしたら死んじゃうわよ。」などとことさら大げさに脅しをかけます。

「死んでもいい」「死にたい、」と思っている人に「死んじゃうわよ!」と必死に脅しをかけてもそれは逆効果にしかなりません。
むしろ自分でもわかっていることを言われるので「誰も自分の気持ちはわかってくれない」と、孤独感を強めますます自暴自棄になっていきます。

家族に迷惑をかけたくない、周囲の人を悲しませたくないそう思っていても、「どうやってパチンコに行こうか」ということが、頭の中を駆け巡り、その強迫観念が止まりません。どうやったらこのうるさい頭の中を止めることができるのか?

子供のことを考えたり、仕事のことを考えたり、社会への影響を考えたりしますけど、それも一瞬でかき消され、長続きしません。
どうしたら止められるのか?
止め方がわからず、パチンコすら止められない自分を益々恥じていき悪循環に陥ります。

3)もっともらしい言い訳が本当の気持ちを覆い隠す

このような頭の中の闘い、葛藤を続けていると疲れ果てて行きます。
すると不思議なもので人間は自分を守ろうとして、この痛みを和らげる作用が働き、「もっともらしい言い訳」が次から次へと出てきます。

依存症者はこの「もっともらしい言い訳」づくりの天才と言われています。
自分を守ろうとして、逆に自分を痛めつける・・・この脳の誤作動が依存症という病気です。

パチンコに行列している人たちの取材記事がいくつか出ていましたが、例えばこの記事のコメントを見て見ると

リスク承知でパチンコ店に通い続ける理由とは 「生活の支えになる」「時間潰す場所がない」…客の「主張」を聞いてみた(AERA.dot))

「コロナ以外の病気だっていつ罹るかわからない。俺は気にしない。」
「短い時間だから大丈夫。」
「みんな仕事に出ている。満員電車の方が危ない。」

といったもっともらしい言い訳がでています。一般の人から見たら

「いや、あんたが気にしなくても、こっちは気にする!」
「どういう根拠???短い時間でも感染するよ。」
「だから満員電車も対策が叫ばれてるじゃん!」

と、依存症者の言い分は訳が分かりません。
話しが全く通じないのが依存症者の特徴なのです。
そして周囲の人は関わることに疲れ果て、依存症者は打ち捨てられ孤立化していきます。
そして自暴自棄から事件を起こしたり、自殺に至ったりするのです。

4)どうすればいいのか?

このようにコロナ禍にあろうがなかろうが、パチンコ依存症者がパチンコを自分の意志で止めることは不可能です。
脳の誤作動は簡単には治りません。
ですから依存症を生み出す産業の責任として、パチンコはきっちりと自粛すべきです。

では、家族はどうしたらよいのでしょうか?
家族は、いつまでも依存症者の世話を焼き尻拭いをしていてはいけません。
くどくどと説教したり、懇願したり、脅かしたりなどは何の意味もありません。
毅然とした態度を貫きましょう。

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ご家族の安全を守るためにも、ここはいっそ別居をするという選択肢もあるかもしれません。
ただ今はホテルやアパートを借りるということも難しいかもしれないので、「パチンコというハイリスクな場所に行くあなたとは一緒にいられない。」と、毅然とした態度を貫き、言葉は悪いですが家庭内別居をするのも一つの手だと思います。

そしてご家族は、精神保健福祉センターや家族会などの支援先に繋がって下さい。

NPO 全国ギャンブル依存症家族の会

家族にできることは「まず自分の安全と健康を守る!」
これに尽きます。
パチンコ依存症者をなんとかしようとしても無駄です。
自分とお子さんの安全を確保して下さい。

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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