行政をアップデートせよ:政界デジタル化計画について

2020年04月26日 06:00

国民の生命・財産を扱う事業の継続性確保

慶応大学病院が新型コロナウイルス以外の患者に対して、感染しているかどうか調べる検査を行ったところ、およそ6%の人が陽性だったことに激震が走っています。

慶應大学病院(Wikipedia)

新型コロナウイルスに感染した際に見られる症状がない人が、約6%感染しているという現状は、地域での感染の状況を反映している可能性があるとされています。新型コロナウイルスの流行が深刻化しているアメリカのニューヨーク州においても3000人を無作為で抽出し、検査をしたところ、約14%感染していることがわかりました。

これは感染者の数が公式発表のよりも実態は何倍もの規模で拡大している可能性を示唆しており、予断を許さない状況が続いています。

こうした状況を踏まえ、一日でも早くこの新型コロナウイルス感染症の拡大を終息させるために検査を拡充するとともに、感染症対策を抜本的に見直し、国民の生命及び健康を守ることは日本において最優先の課題です。

そうした中、国民の生命・財産を扱う立法や行政の業務を止めることはできませんので、デジタル変革による業務の継続性を担保することが必要不可欠です。

世界的に官民問わず、デジタル化、オンライン化が進んでいる現状を踏まえ、本稿では行政のデジタル変革と、中長期的な視点から、国家のグランドデザインをデジタル変革の視点から再構築する必要性について記載致します。

官僚・行政職員のデジタル働き方改革

まず官僚、行政職員のテレワークを進めることが重要です。

現在は、都市部への通勤など人口密集地帯に身を置くこと自体がリスクとなります。

したがって、現在行われている官僚、行政職員のテレワークについても、更に進めるよう環境整備を行う必要があります。

また、官僚の過重労働が問題視されて久しい現状があります。

その原因の一つがリアルな対面での業務が中心となる国会対応にあると言われています。

官僚の労働環境の悪化は、優秀な人材の省庁離れを誘発し、我が国の政策立案機能の著しい低下を招きます。

したがって、国会対応業務による事務負担を軽減することを目的に官僚の国会対応におけるオンライン化を推進することが重要です。

更に、多くの行政事業において紙での業務管理がまだまだ主流であり、これでは記録が消失したり、改竄されることはあたりまえです。行政事業のデジタル化を推進することは、大幅な管理コストの削減、行政文書の確実な保存に加えて、関係者との接触機会を減らすことができると考えますので、前に進めたいと考えております。

特にプログラムに基いて自動的に契約を実行できる技術であるスマートコントラクトを活用した行政事業改革は既存システムでは実現できなかった処理の自動化、業務プロセスの改善、多様なステークホルダーと連携する業務への適用などに対して大きな改善効果が得られ、対面での接触機会を大幅に減らすことができる可能性があると考えるので、政府並びに行政機関における情報システムへの導入を検討することが重要です。

※世界ブロックチェーン政策会議でデジタル通貨やスマートコントラクトなどについて議論

行政手続きにおけるオンライン化の促進

また、新型コロナウイルスの大流行に伴い、個人・企業問わず様々な支援策が検討されていますが、自治体における膨大な事務作業やそれに伴う支援の遅れ、国民にとっての申請手続きの煩わしさが顕在化しています。こうした観点から利用者目線に立った行政手続きのオンライン化を促進することが必要です。

具体的には、行政手続きにおける対面面前原則、原本確認、書面での作成・備置・提出・交付・通知の原則、押印原則、印紙支払原則など紙ベースかつリアルでの接触機会が要求されるアナログ原則並びに法律・運用・規則・事業などを徹底的に見直すことが必要です。

それに加え、マイナンバーカードに固執しないオンライン申請の促進が行政手続きのオンライン化を加速させると確信を持っています。

‪国民に一律10万円を給付する緊急経済対策では、マイナンバーカードを活用したネット申請を想定されているようですが、そもそも日本では1億人以上の方がマイナンバーカードを持っておらず、80%程度の方がネット申請を活用できない状態です。

また、手続きをするためには、ICカードリーダライタを使用する方法では新たにハードウェアを購入する必要がありますし、スマートフォンでも対応している端末を持っている必要がありますので、ハードルが高い状態です。

そうした中、⺠間では、スマートフォンの指紋認証や Face IDとインターネットバンキングなどに利用されているワンタイムパスワードなどを掛け合わせた本人確認が行われ、お金を扱うような業態であったとしてもユーザーの利便性とセキリュティの担保の両立を追求しております。

行政手続においてもマイナンバーカードのみに限らず、例えば、「個人が所持するもの」と「個人が知りうる情報 又は 持ちうる情報」の掛け合わせによる本人認証でもセキリュティレベルを高い水準に保ったまま、利便性も考慮した操作をすることが可能になると私は考えております。

行政機関における事務作業の軽減と国民にとっての利便性向上を図る観点からもUX(User Experience)を考慮したデジタルファーストな行政手続きへの改善を行うことが必要不可欠です。

ポストコロナ時代のニューノーマル視点

科学技術の発展は理想を突き詰めれば、あらゆる物の生産、サービスの提供が効率的、自動的になされる社会の実現に繋がり、人々の物心両面における豊かさを得るための一助を担うと考えます。

少子高齢化が進む日本においては、経済、教育、医療、福祉、介護、防災、農林、水産、ものづくり、行政事業など生活に関わる様々な分野においてその発展が期待されます。

ポストコロナ時代を見据え、ニューノーマルに備えた時代のニーズに対応する変化が否が応でも求められる中、テクノロジー健全に発展させて、その恩恵を公平公正に社会へ分配していくことが必要です。

世界的にも官民問わず、デジタル化、オンライン化が進んでいる現状を踏まえ、喫緊の行政改革における記事を書きました。今後は、オンライン診療やオンライン教育など国民生活に直結したデジタル改革の重点事業をブラッシュアップする必要性について付言して参ります。

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中谷 一馬
衆議院議員(比例関東、立憲民主党)

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