真摯な議会答弁こそ、都政をよくする核心

2020年06月20日 06:00

おはようございます。東京都知事候補者の小野たいすけです。

昨日、一部で報道されましたように、東京都庁前に演説で立ち寄った際に、都議会自民党の控室へご挨拶にうかがいました。

柳ヶ瀬参議院議員(左)と都議会自民党控室へご挨拶

挨拶後、記者の皆さまの囲み取材

急な訪問だったため、自民党議員の皆さまがご不在だったのは残念でしたが、これは決してパフォーマンスで動いたものではありません。都知事選では、自民党の皆さまが「自主投票」ということですから、私にもチャンスがあると思いました。

熊本から出てきたばかりの私のことはご存知ではないでしょうし、まずは都政にかける私の思いをお伝えしたかったところです。今後の選挙戦日程にもよりますが、機会があればあらためてうかがいたいと思います。

重要な議会運営。小池都知事の答弁ぶりは?

もし私がこの選挙戦で勝利し、都知事になった場合、当然のことながら議会運営が極めて重要です。これは熊本で副知事、政策参与として蒲島知事を12年支えてきた経験からも身に染みていることです。自民党の皆様は、小池さんの都政に特に批判的だと思いますが、その理由の一つが都議会の皆様への向き合い方にあると推察しています。

議会答弁する小池知事(都知事公式FBより:編集部)

そこで私は、都知事選に出馬表明する前に、東京都議会と執行部の間でそのような論戦が行われているのか、都議会の議事録をチェックしました。

こちらは令和2年2月27日、共産党の和泉なおみ氏の質問と小池知事のやりとりです(主要部分を抜粋)。和泉氏は新型コロナへの対応について尋ねたくだりです。

和泉氏: 知事は施政方針表明で、事態は新たな局面を迎えていると述べました。感染経路のわからない人から人への感染が都内、国内で広がり始めている今、感染拡大の防止と都民の命を守る上で、まさに重大な局面であることについて、知事の認識を伺います。

…(略)…

さらに、都内の学校の生徒、教職員から感染者が出た場合、どう対応するのですか。また学校における感染予防対策にはどう取り組んでいますか。

新型コロナ肺炎について、都は昨日、国に要望を行いましたが、政府の対応が極めて不十分な中、最前線で対応している都として、局面に応じて国に働きかけ、国を動かすことが必要です。知事、いかがですか。

これに対する、小池知事の答弁です。

小池氏: 中国武漢市での感染拡大に端を発しました新型コロナウイルス感染症は、全国的に感染経路が明らかでない患者が多く発生している状況にありまして、この一、二週間が感染拡大か収束かの瀬戸際であり、重要な局面であると認識をいたしております。

都といたしましては、こうした状況に鑑み、医療体制の充実、感染拡大の防止、広報の強化・徹底の三つの視点を踏まえ、さらなる感染の広がりを防ぐために、短期間に集中的な取り組みを進めてまいります。

…(略)…

次に、国への働きかけについてでございます。

都はこれまで、二度にわたりまして、国に対して緊急要望を行うとともに、国もこれに応えて検査対象を拡大するなど、現状に即した体制を整えてまいりました。

現在、国内の感染拡大を防ぐための重要な局面となっておりますことから、きのうも緊急要望を行ったところでありまして、今後も、国に対しましては、必要なときに必要な事項を働きかけてまいります。

今後とも、変化する状況を的確に把握いたしまして、国や区市町村、近隣自治体、関係機関とも連携をいたしながら、機動的かつ迅速かつ広範な取り組みを進めてまいります。

いかがでしょうか?私が抱いた感想は、答弁が薄っぺらい、ということです。表しかなぞっていない。質問する側も項目が多すぎるのもありますが、こんな都議会ではものごとの本質に迫った議論をしているとは到底いえず、政策形成に資する論戦とはいえないのではないでしょうか。

熊本県の蒲島知事はどんな答弁をしているか

熊本県庁と蒲島知事(熊本県公式HPより)

比較のために、熊本県議会の議論を掲載します(令和2年4月21日)。同じ共産党の議員(山本伸裕氏)と蒲島知事のやりとり。なお、山本氏は、コロナの感染拡大防止に向けて、

  1. 感染爆発と医療崩壊を食い止めるための方策
  2. 事業者と県民の生活を支える対策の強化
  3. 女性や子供、学生への支援強化

の取り組みについて尋ねました。これに対する知事の答弁です。(少し長いので詳細まで読まれなくても結構です)

蒲島知事:現在、我が国では、新型コロナウイルス感染症が拡大し、国は、今月7日に7都府県を、また、16日に全都道府県を対象区域として、緊急事態宣言を発出しました。収束が見通せない厳しい状況が続いており、本県においても、県民生活や県経済に甚大な影響を与えています。

蒲島県政4期目のスタートに当たって、県では、新型コロナウイルス対策を最重要課題と位置づけ、これまで、感染拡大防止に向けた取組をはじめ、県民生活や県経済への影響を最小化するための対策に迅速かつ全力で取り組んでいます。

まず、検査・医療提供体制についてです。

PCR検査については、感染者の早期発見のため、国の基準よりも幅広く実施するとともに、検査機器の整備や検査人員の増強を行い、感染拡大防止に向けた体制を強化しました。

また、県内の医療提供体制についても、県、熊本市合同で設置した専門家会議の見解を踏まえ、患者の受入れ調整を行う県調整本部を設置し、県内4か所に重症患者の受入れを行う重点医療機関を設定しました。

本県の新型コロナウイルス感染者用の病床としては、4月20日現在で、入院患者32人に対し、312床を確保しています。さらに、感染者の増加に備え、軽症者等を受け入れる旅館、ホテル等の宿泊施設確保のための公募を行い、現段階で15施設、約1,500室の応募があっております。今後、転院者等を中心として、早期の宿泊療養の実施に向けて、施設側と協議を進めてまいります。

次に、県経済や県民生活への対応についてです。

これまで、県では、県経済への影響を最小化するため、4弾にわたる緊急対策を迅速に打ち出してきました。売上げが減少した中小企業に対する資金繰り支援として、保証料の全額補助や熊本地震の際の融資の借換えをいち早く可能としたこと、県と連携して市町村が利子補給を行ったこと、加えて、アドバイザー派遣など経営相談体制を強化したことなどから、3月末までに289億円の融資につながりました。今議会では、さらに融資枠を1,500億円に拡大することを御提案しています。

また、先ほど就任挨拶で申し上げたとおり、緊急事態宣言を受けた今回を、感染拡大を阻止し、経済への影響を最小化する重要なタイミングであると捉え、県内の遊興施設や遊技施設などに対し、休業要請を行うことを決断しました。これに伴い、収入が減少する多くの事業者に対して、県独自の支援策として、最大30万円の支援に取り組みたいと考えております。

さらに、働く人々の雇用を守るとともに、県民生活への影響を緩和するため、国と連携し、雇用調整助成金や個人向け緊急小口資金の制度拡充、県税や県営住宅使用料の申告、納付期限の延長、県有施設のキャンセル料の免除など、多岐にわたる対策を行っています。

加えて、休校により不安を抱えた保護者や児童生徒の相談に応じる教育総合相談窓口の設置や特別支援学校等の休校に伴う放課後デイサービスの保護者負担等への助成、生活に困窮した高校生への育英資金の緊急貸与や返還猶予も行ったところです。

いまだ収束が見通せない新型コロナ禍の中、今後も県庁一丸となって感染症対策に最優先で当たる必要があります。このため、次期4カ年戦略や肉づけ予算の編成については、9月議会以降とし、感染症対策を最優先とした予算案の6月議会提案に向け、編成作業を急ピッチで進めているところであります。

いかがでしょうか? 小池知事と蒲島知事、どちらが真摯に、丁寧に答えているか、一目瞭然ではないでしょうか。

わが国の地方自治は、二元代表制です。首長と議会は、双方とも住民から選ばれた代表ですが、前者は執行機関、後者はそのチェック機関です。両者の活発な論戦こそが、政策を磨き、間違いが起こりにくいようにしています。現在の都議会の議論では、なかなかそれは望めないのではないかと思います。

私は、知事として真摯に議会の答弁に取り組むことを、最も大切な仕事として取り組みたいと思います。それはどの会派からの質問に対しても同じです。そのプロセスがあってこそ、都民のためになる、まともな都政が可能になると考えています。

私の政策については、小野たいすけ公式ホームページをご覧ください。


【編集部より】本稿は東京都知事選(7月5日投開票)候補者からの寄稿です。アゴラとしては特定の候補者を推奨するものではありません。また、主要候補本人、および陣営関係者の応援記事についてご投稿は歓迎しております(万一の公序良俗違反、あきらかな事実誤認等がある場合、ご相談させていただく場合もありますが、基本的には掲載する方針です)。

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小野 泰輔
前熊本県副知事、東京都知事選候補

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