「第2波」どころか、封じ込め成功? --- 早坂 義弘

2020年07月20日 06:00

東京都内の新型コロナウイルスの日別新規感染者数は19日に188人にのぼり、4日ぶりに200人を切ったが、その2日前には過去最多の293人を記録するなど、不安が広がっている。

「新型コロナウイルスの第2波に備えて」という言葉を、大変しばしば耳にする。今がその状況にあると言えるのか、私の考えをわが早坂事務所でまとめたグラフを見ながら申し述べたい。

第2波を、日別の新規感染者数で捉えるのが、恐らく一般的であろう(グラフの縦棒)。その考え方からいえば、過去最多の感染者数を記録した今は、間違いなくその真っ最中である。日別の新規感染者数が増えているので、その感染ルートを追う保健所の仕事量も比例して増え、現在、保健所はとても大変な状況に陥っていることが想像される。

しかし日別の重症者数で捉えたら、どう見えるだろうか(黄色の横線)。
緊急事態宣言下の4月28日・29日の105人が最多で、以降、確実に減少傾向にあり、本日は10人であった。そして日別の新規死者数は、同じく緊急事態宣言下5月2日の15人が最多で、7月に入ってからは今日までに1人である(緑色の横線)。

緊急事態宣言を行った安倍総理は、宣言の目的は「感染爆発と医療崩壊の防止」だと述べた。その観点からすると、感染者数は増加傾向にはあるものの、感染爆発には至っておらず、そして現在の医療態勢は、極めて安定的な状態にあると評価出来る。

従って第2波どころか、感染の封じ込めに成功しているように、私には見えるのだ。世間では、日別の新規感染者数ばかりが注目されるが、私は重症者数と死者数の状況もしっかりと捉え、都内の感染状況全体を俯瞰すべきだと考える。

このことは、日別新規感染者数が過去最多を記録した現在が、2度目の緊急事態宣言を発出する状況とは程遠いことを意味する。つまり、経済を優先させるために、都民の安全を差し出すのでは決してなく、感染爆発と医療崩壊の防止が達成されている範囲での新規患者発生は、社会が許容すべきものなのだ。

無論、3密(密閉・密集・密接)を避け、マスク着装や手洗い励行などに、引き続き努力すべきことに異論はない。日別新規感染者数が過去最多を記録した日に、私のような見方をする人は稀だろう。しかしこのグラフをご覧になった皆さんは、果たしてどうお考えになるだろうか。

早坂 義弘(はやさか・よしひろ)東京都議会議員(杉並区、自民党)
1968年東京都杉並区生まれ。立教大学法学部卒業、明治大学公共政策大学院修了。2005年都議選に出馬し、初当選(現在4期目)。令和防災研究所理事、日本AED財団常務理事、防災士研修センター(初代)代表取締役。ニックネームは「ミスター防災」。公式サイト

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