罰則付き特措法改正で夜の街の強制的な休業要請を! 政治家は覚悟が問われている

2020年07月24日 06:00

連日200人以上の新規感染者数を出し続けている東京都、23日にはついに300人を超えた。

写真AC:編集部

一定数の無症状者を宿泊療養ホテルに搬送できるとはいえ、夜の街から、一般の街へと感染が拡大し、若者から高齢者に感染が始まっていることを考えれば、重症者が増えて、一気に医療体制が逼迫する可能性が生まれている。

定期的に私にメッセージをくれる、都立病院に勤める医師からは、昨日、「来週から医療体制が逼迫する可能性が高い」と危険信号が送られてきた。

危機が迫っている。

そこで、今、都が取り組まなければならないことを整理しておきたい。

まず、第二波はどこで起こり、なぜ食い止められなかったのか、だ。

私は、緊急事態宣言下で、全ての飲食店などが休業を余儀なくされている時から、闇営業を続けるキャバクラについて、都庁幹部にも問題提起してきた。

「ほかの店がやっていない分、今、やれば儲かる」という話も聞いて、愕然としたが、一部にこうした店舗があったのは事実だ。

私の選挙区の目黒区内でも営業を続ける店舗が事実あり、関係機関とも協議した経緯がある。しかし、どうにも休業を強制する法令がなかった。

風営法や消防法を活用し、店内の立ち入り調査を行うことは可能だったが、営業時間を守り、避難経路を確保していれば、それ以上の指導は法的に難しかった。

次に考えられるのは、特措法45条を適用して、休業に従わない店舗名の公表である。一部のパチコン店などは、実際に店名が公表され、休業に追い込まれた例もあるが、店名公表ができるのは、あくまで緊急事態宣言下に限られるのだ。

特措法45条というのは、事実上、緊急事態宣言下において、用いることができる条文で、今のように、緊急事態宣言が解除されている状況では、都道府県知事は特措法24条の適用しか許されない。24条は、事業者に協力は求められるが、従わない時に店名公表する権限を知事に与えていない。

写真AC:編集部

そこで、東京都は、強制力での対応よりも、事業者に「協力」を求める対応をとった。それが、ホストクラブなどへの積極的PCR検査の協力依頼である。いうまでもないが、検査を強制する法令はないので、ホストクラブ側の協力なしには進まない。歌舞伎町には200を超えるホストクラブがあると言われているが、業界団体といっても、全ての店舗を網羅しているわけではないため、店舗ひとつひとつに、行政はお願いして回る以外にない。

多くのホストクラブが、積極的にPCR検査に協力し、ガイドラインの遵守に努めていると都から報告を受けている。多くのホストクラブやキャバクラが誠実に協力してくれていることは申し上げておく。

一方で、団体に加盟していない店舗もあり、都が接触できない店舗も数多ある。そこで、歌舞伎町を抱える新宿区や池袋を抱える豊島区の協力が欠かせない。

都よりも、日常的に繁華街を抱える区の方が、経営者との交流、街の実態を把握しているので、区の協力なしには、街の名士や顔役との協議が進みようもない。

こうした背景から、都が後方に回って、区の取り組みを支援する仕組みを作ったのが、いわゆる「豊島モデル」だ。

都が、決めるのではなく、区の判断で、メッシュを細かくして「夜の街」の店舗に休業要請を行う。休業に応じてくれた店舗に50万円を支払うとした。財源は東京都が負担する。

しかし、区に判断させるのは、都として無責任だ、都が全て決めろ、との批判を私も受けた。あえて言えば、豊島モデルは、区の協力なしには進まない夜の街対策のなかで取れる、苦肉の策と言わざるを得ない。

都として、ホストクラブなど、感染しやすい店舗を区の頭越しに指定して、特措法24条で休業要請をかけることは不可能ではないが、対象店舗のメッシュを細かくする分、都が虫の目を持っていなければ、対象店舗の合理的な判断ができないだろう。

区の協力が、これまでは欠かせなかったと私は思っている。

しかし、第二波が起きつつあるなかで、やはり、今の状況がどこから生まれたのか、同じ繰り返しを許すのか、という反省を、私たちは持たなければいけない。

感染した店舗への休業要請や、「休業してもいいよ」という店舗への協力金の支払いは、部分的な対処療法でしかなく、完治にならない。

だから、私は、兼ねてから、特措法の改正が必要だと言ってきた。

緊急事態宣言下でなくても、都道府県知事が、合理的な理由を明らかにした上で、地域や業態を絞って、強制的な休業要請をかけられるようにするべきである。それも、罰則付きとし、段階的に強制力を引き上げる権限が知事には必要だ。

もちろん、こんな私的な財産権を侵害するような法律がなくても済むに越したことはない。しかし、緊急事態宣言中でも、堂々と営業を続けていたキャバクラがあった事実に照らしても、善意に頼った「協力」だけでは、感染防止ができず、不届き者のために、巻き込まれる都民が多すぎるという結論に達した。

強制力を伴う法律改正を行う場合には、対象店舗に対する「補償」の問題が必ずついて回るだろう。一定の「補償」は法に定めるべきだ。しかし、全額の「補償」は現実的ではないし、廃業した場合の逸失利益の算定も困難を極める。

私は、一定の「補償」を明記した上で、さらに重要なことは、従業員の生活支援と転職支援だと考える。有事であろうとも、行政の最大の責務は、セーフティーネット機能だから、強制力を持った法による措置で、職を失った方への転職支援は責任を持って行う。当面の間の生活支援も行うべきだ。これは事業への「補償」とは別の問題。

また、法に基づく休業措置を受けて、廃業した経営者の債務についても、私は、検討すべきではないかと思う。

つまり、得られたはずの利益全てを補償することは難しくても、措置によって生じた「債務」は国が引き受ける仕組みにするべきではないか。借金は、経営者の再起を絶望的に失わせる。

こうした、手当を十分に検討した上で、私は改めて、特措法24条と45条の改正を国に求めたい。むしろ、そうした法律がなければ、反省を生かせずに第3波、第4波を、都民の心が折れる中で、ますます大きな被害として受けざるをえなくなる。

上記、批判を覚悟の上で、提言し、小池知事与党として、言うだけではなく行動していく。行政の取るべき道も、政治家の覚悟ある判断を伴うセカンドステージに入ってきている。

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伊藤 悠
東京都議会議員(目黒区選出)都民ファーストの会 政調会長代理

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