殆どの映画館はコロナ後にはなくなることを覚悟しているのかもしれない

永江 一石

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先日の朝のテレビでコレ見て思わずツイート。

加藤浩次も番組内で突っ込んでいたが、「カップルや家族連れの感染防止のために間を空ける」ってどう考えてもおかしいだろう。家族連れやカップルがコロナに感染したからといって映画館が感染場所に特定される訳がない。

コロナ脳は前の席に人がいたら感染リスクが上がると言うかもしれないが、同じ方向見て前向いてマスクして黙っているのである。感染するわけがない。だいいち、前には座席の背もたれがある。映画館で前の席の人の顔は見えないが、斜め前の人の横顔は見えるではないか。後ろの人がマスクしないで咳したらむしろ防御壁がない斜め前に飛ぶだろう。w

ほれ、斜め前の方がツバが飛ぶぞ。w

だいたい8/20の感染症学会だって交互には座ってない

このバカ規制はどうも「全国興行生活衛生同業組合連合会」(全興連)が作成した感染拡大予防ガイドラインに沿っているらしいが、ここは映画館だけではなく、演舞場がメインのよう。つまり観客が声をかける歌舞伎や大声で笑うお笑い演舞場などを統括している。互い違いの座席指定をする映画館はこの規定に盲目的に考えずに従っている。ガイドラインは演舞場と映画館の二通りあるが中身はほとんど変わらない。

で、大事なのはこれに従うのかどうかは映画館や演舞場の勝手ということです。

映画館が演舞場と異なるのは、「カップル」「家族連れ」の比率が非常に高いことです。映画館は誰と行くのnifty調査

複数回答だが、一緒に行くのは1位は「1人で」で42%、2位は「配偶者と」で34%、3位は「子どもと」で12%、4位は「友人・知人と2人で」で11%、5位は「恋人と」で5%。つまり配偶者と子供と恋人を合わせると半数程度は身内といくことになる。

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これが普通の反応でしょ。冷めた夫婦や恋人なら離れて座ってもいいかもしれないが、デートにならない。映画だけ好きなカップルならそれでいいかもしれないが、デートにはならない。ましてや映画館のいまの稼ぎ頭は洋画なら「アナ雪」「アラジン」、邦画なら「天気の子」に「コナン」と、子供連れ対象のものばかり。

この馬鹿規制に盲目的に従えば、メインの顧客層は離れていき、どんどん衰退するのは自明の理ではないか。生き残る気は無いのか!従業員の生活はどうするんだ。と思って↑のツイートをしたわけです。

しかし考えて見るに、もとも映画館のマーケットはこちらからお借りしました

少子高齢化も影響しているはずで、2016年から減少に転じている。映画館産業の衰退は大型テレビやオンデマンドの普及でこれからも減少していくのは明らか。つまり映画館経営者は

どうせ儲からないから止めてもいいかな〜

と、考えているのではないか。だからマスクして同じ方向向いて黙っているわけでほとんどクラスターの発生しようにない映画館で、この馬鹿ルールを延々と守っている。

同じ方向向いてマスクしてクラスター発生する確率と
家族連れとカップル締め出して倒産する確率

どっちが確率高いか計算もしていないか、考えもしないで思考停止している。日本クラシック音楽事業協会飛沫感染リスクの検証実験をやっていて、席を空けようが空けまいが変わらないという報告をしています。

報告書公表のお知らせ 「#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト」

もうね。クラシックの人たちは文化と仕事を残すのに必死。自分たちがいままでやってきたことを無駄にしないために頑張ってる。科学的な検証もする。これをしてない映画館の関係者は本当は生き残りたいとは思っておらず、思考停止して閉館するタイミングを狙っているのではないか。

「映画館は全興連のガイドラインに従っているだけ」という援護にはなんの説得力もない。一般社団法人 日本フードサービス協会 一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会という外食産業の団体のガイドラインは

となっているが、いまや上場しているファミレスやファストフードだってこれを守っていない。こんなのに従っていたら潰れてしまって従業員の生活さえ守れないからだ。飛行機も緊急事態宣言の時は交互に席を空けていたがいまは関係ない。そんなことをしていたら倒産してしまうから。

向き合って話ながら食事をする外食産業が腹を決めて遵守義務のないガイドラインを無視しているのに、いまだ映画産業が言われるままにやっているのはどう考えても非科学的で経営者は閉館してもいいんだと考えているとしか思えない。

でも映画館がすべてそうかというと、そうではない。
北九州の老舗映画館

コロナ禍でもペアシートで映画を

写真をFacebookページからお借りしてきました。

もうね。絶対に映画文化を絶やさない。死んでも生き残る(謎)気合いが伝わる。近所にあったら絶対に行ってみたい。

おまけ。コロナ脳はそもそも日本語能力が酷い

↑のツイートにはなぜか罵声を浴びることになった。こういうヤツがドカドカ。ほぼコロナ脳。

x.com

この人らの多くは、

映画館って馬鹿なん?
デートの客を無理やり席を開けさせたら自滅するだろう
カップルの感染防ぐとか余計なお世話!

の「自滅」が、カップルが自滅と思い込むらしい。そもそも最初に「映画館って馬鹿なん?」と言っているし、日本語で「カップルが自滅する」なんて意味不明なのにどうしてそう思い込むのか謎すぎる。日本語教育の敗北ですよ。

なかには
自分勝手だ!!お前は馬鹿だ

※私だってルールを守れないならそんなカップルは退場してもらってもいいと思うし、だれがカップル凄いとかといってんの。馬鹿なんか

みたいなのから

感染を広げないために当たり前だ
だからそれは非科学的だし、感染症学会だってならんで座ってるし、そもそもお前はファミレス行かないのか

までもう何百人もちぎっては投げ、最初から罵声なのはブロックし、で、面白がりながらもこういうリテラシーと日本語能力がない人たちがコロナ脳になるんだなと感じた次第です。上のツイートにぶら下がってるコメント見ると腹を抱えて笑えると思います。

コロナ脳のみなさん、安心してください「新型コロナの実態は、この半年でかなり分かってきた。クラスターが見つかることは不安ではなく、制御できる機会の発見で安心につながると考えてほしい」と提言されました。

最悪シナリオ「可能性低まった」 新型コロナのシンポで専門家

もう100万回くらいいった気がするが、コロナで分かったのは統計つ確率がとれほど大事かということ。仕事にもとても大事。このチャンスにいま


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年8月21日の記事より転載させていただきました。