総理はオープンに選ばれるか

安倍総理が辞任を表明しました。

退任を表明した安倍首相(官邸サイトより)

昨日の記者会見で政権のレガシーについて聞かれた時、東北復興を真っ先にあげていたことが印象的でした。震災に苦しんだ東北と日本が立ち直ることを、ただ願って再登板されたのでしょう、この8年間に敬意を表すとともに、病気からの快復を心からお祈りします。

総理の選ばれ方

次の総理の選出が始まっています。与党である自民党の次期総裁が、国会で指名されて首相となります。自民党の総裁選には2つの方法があります。

①通常の総裁選
一般には、国会議員による投票(394票)と、全国の党員による投票(394票)の合計で決定されます。告示から投票まで12日以上の選挙期間が設けられることになります。

②緊急の総裁選
今回の任期途中の辞任のような緊急の場合には、両院議員総会で選出できることになっています。この場合、国会議員394票と、各都道府県の割当票(141票(47都道府県☓3票))の合計で決定されることになります。

現在の自民党執行部は今回は緊急ということで、党員投票を行わない形をとると報じられています。週明けの9月1日の総務会で決定されるとのことです。

編集部撮影

両院総会による選挙で選出へ 安倍首相後継の自民党総裁:朝日新聞デジタル

小泉大臣ら自民党若手議員の反発

他方、自民党の若手・中堅議員が続々とこれに反して、党員も含めた形で総裁選を行うことを主張しています。

総理総裁の重責 小林 史明衆議院議員(広島7区、自民党)

https://www.facebook.com/ak2555/posts/10164145410540258
新型コロナ、災害、そして経済危機と、日本社会は難しい局面を乗り越える必要がありますが、残念ながら近年政治をめぐる国民の断裂が深まる一方です。また安倍政権をめぐる隠蔽イメージは、最後まで払拭されることはありませんでした

その意味で、次のリーダーは、開かれた政策議論の上で、透明な形で決まることが重要と心から願います。自民党の若手議員の皆さんはそうした社会の雰囲気を敏感に察知しているのではないでしょうか。皆さんの動きを、心から応援しています。

与野党ともに、政党がオープンになることを、民間からも要請し続けることが重要だと感じています。


編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2020年8月29日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。