大阪都構想:毎日新聞はフェイクニュースの類ではない

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住民投票や国民投票が、如何にマスコミの報道に左右されやすいか、ということの典型的事例になりそうだが、負けは負けである。

大阪市の財政局の職員や毎日新聞をいくら攻撃しても、住民投票の結果が引っ繰り返ることはないのだから、維新の関係者の方々は、過ぎたことにあまり拘泥しない方がいいのではないかしら。

維新は、如何にも力尽くで、上からの改革を進めようとしていた嫌いがある。

住民の声に、十分耳を傾けていなかったのではないか。

大阪市の発展に何が何でも必要だと大阪市の住民の方々が心の底から思っていたのなら、おそらく大差で可決されたはずである。

毎日新聞の報道も、決してフェイクニュースの類ではない。

大阪市を廃止して、4つの特別区を新たに設置するという住民投票のテーマ設定が大阪市の住民の皆さんの心を十分には捉えられなかった、というだけの話である。

今、改めて考えると、住民投票のタイミングも、住民投票運動のやり方も良くなかったのだろう。

せめて山本太郎氏を説得できる程度の分かりやすさと、山本太郎氏以上にアッピール力のある街頭演説者を用意しておくべきだった。

かつては、橋下徹という最高のアジテーターがいたが、今回は橋下徹氏は一度も街頭演説の場には出なかったそうだ。

理屈だけでは、なかなか人は動かないものである。
情に訴える力がある人が渾身の力でアピールしてこそ、ようやく人は動き出す。

毎日新聞や市の財政局の職員、さらには共産党の動きなどをことさらに問題視する人がいるが、こういうことは出来るだけサラッと流してしまうことだ。

維新にとって、あちらこちらに敵を増やすようなことは、決してプラスにはならない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。