学校教育法が改正され、2019年4月、55年ぶりに新しいタイプの大学である「専門職大学・専門職短期大学」が誕生しました。
ぼくが学長として開学したiU(情報経営イノベーション専門職大学)もその一つです。専任教員の8割が実務家で、学生に半年のインターンを必修として課すという仕組みは専門職大学=Professional Universityという新スキームだから可能となるものです。
このように「専門職大学・専門職短期大学」は、産業界や地域社会との連携を強め、社会情勢の変化に即応した質の高い実践的な職業教育を行い、我が国の発展に寄与する人材を育成します。
そこで各専門職大学・専門職短期大学の教育や取り組み、成果を共有しさらなる教育の質向上を目指し、また世の中に広く発信していくために「専門職大学コンソーシアム」を設立し、その発展・向上を促進していくことにいたしました。
まずは全国11の専門職大学・専門職短期大学による連合体となります。
年に1~2回の会合および必要に応じてオンラインのミーティングを通じ、各大学の取組・成果の共有を行い、各大学における経営・教育の質向上に反映させていきます。さらに、専門職大学・専門職短期大学の意義、求められている役割なども議論・検討し、専門職大学・専門職短期大学の発展に寄与していくことを目指します。
この事務局を、東京保健医療専門職大学と、iUが担います。
発足に当たり、シンポジウムを墨田区のiUキャンパスをベースにオンライン開催しました。
10学長が勢揃いです。
東京国際工科 吉川弘之学長(元東大総長)、国際ファッション 近藤誠一学長(元文化庁長官)、開志 北畑隆生学長(元経産事務次官)など、ブルっとする先輩方とご一緒。
ぼくは若造なのです。
抱負を述べよとのことなので、コメントしました。
─────────
世界のどこにもない大学を作ります。
情報+経営+イノベーション、という時点で世界にモデルはない。外資含め200数十社が連携企業に名乗りをあげてくれており、そのニーズはあると感じます。
この分野はアカデミズムよりも実社会の力を引き寄せることが重要なので、実務家教員は8割としています。さらに客員教員が250名を超えていて、学生より教員のほうが多い。
「企業と」つくり「企業で」学ぶ、を徹底します。
その延長として、全員起業を掲げています。学生全員が起業に挑戦します。
世界に例はないと思います。4年生のときに起業に挑戦させる目論見でしたが、1期生は既に起業に動いていて、学生のほうが前のめりです。
全員が起業に成功したら就職率はゼロなので、まずは目指せ就職率ゼロ!
ただ実際には9割失敗するでしょう。3年後には失敗していますよ。
そのころ、失敗から学ぶ「失敗大学」の看板を掲げます。
われわれの挑戦は小さな挑戦。これをいかに世界の他の学校とも連携して波を広げていくか、が課題です。
起業に熱心に取り組む大学や高校、あるいはeスポーツに関心のある大学や高校などのコミュニティを作る活動を既に始めました。
専門職大学のみなさまとも強く連携して、専門職教育としてできる挑戦を続けたい。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2021年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。