今年の2月7日前後に、オーストラリアのヴィクトリア州で大規模な山火事(ブッシュファイア)が同時発生し、200人近くが死亡、約500人が重軽傷を負い、約2,000世帯が住まいを失うという大惨事がありました。
私が当地香港で所属するラグビー・クラブには多くのオーストラリア人がいるので、あの時期は、「(家族や友人は)大丈夫だったか?」というのが挨拶代わりになっていました 。
幸い私の周りには、身内や知り合いに直接被害を受けた人はいませんでしたが、知り合いのオーストラリア人弁護士が吐きすてるように言った次の言葉が印象に残りました。
「バカなグリーニーたち(Greenies=環境保護主義者)の責任だよ。」
どういうことか聞いてみると、つまり次のようなことだったのです。
私が当地香港で所属するラグビー・クラブには多くのオーストラリア人がいるので、あの時期は、「(家族や友人は)大丈夫だったか?」というのが挨拶代わりになっていました 。
幸い私の周りには、身内や知り合いに直接被害を受けた人はいませんでしたが、知り合いのオーストラリア人弁護士が吐きすてるように言った次の言葉が印象に残りました。
「バカなグリーニーたち(Greenies=環境保護主義者)の責任だよ。」
どういうことか聞いてみると、つまり次のようなことだったのです。
主に中国経済に牽引され好景気が続いたオーストラリアでは、ちょっとした不動産ブームがすすみ、ここ数年間に郊外エリアの外環部での宅地造成がすすんだ。以前からオーストラリアの内陸部に住む人たちは山火事対策として家屋周辺の森林を伐採することで延焼予防を施し、雨季には森林管理の目的で人工的に山火事を発生させ、枯れ草/枯れ木など燃えやすい燃焼材を人為的に処分するのが通常だった。しかし都市計画を牛耳る地方政府が、森林愛護や、山火事による二酸化炭素排気への反対を主張する環境保護団体の圧力により、このような計画的伐採や人工的山火事による予防策を禁止したという。それでもあえて住居周囲の木々を伐採した人は、刑事犯として罰金刑を科せられていた。それが今回の大惨事をきっかけに、 住民が蓄積してきた知恵と経験を無視し、感情論的なエコ政策を無理強いすることにより、災害被害の悪化を招いたとして、環境保護団体に非難が集中している。
詳細は以下のビデオでどうぞ。
(なおビデオで「Fuel Reduction」といっている際の「Fuel」とは、薪などの燃焼材のことを指しています。決して燃費のいいエコ・カーの話をしているわけではありませんので、誤解なきよう。)
私にとって、環境問題に関して大きな啓示を与えてくれたのは、以下のインタビュー・ビデオです。映画「ジュラシック・パーク」やTVシリーズの「ER」の原作者として著名なマイケル・クライトンさん(去年11月に亡くなりました)が、アル・ゴア氏に代表される最近の「エコ」を批判しています。(このインタビューは基本的にはクライトンさんの新作小説「Next」のパブリシティーですので、最初はそちらの話が中心です。環境問題はビデオの22:05からです。)
ここでカンチガイして欲しくないのは、クライトンさんは「人為的要因により地球の温暖化が進んでいる」という仮説そのもの否定しているわけではなく、また環境問題が人類が直面している大きな問題の一つであるということに賛同していることです。クライトンさんが指摘しているのは、アル・ゴア氏などの活動により、環境保護運動が「倫理的」な問題として捉えられるようになり、あたかも宗教的/原理主義的論調がまかりとおり、そこから科学的な思考、合理的疑義や議論が排除されつつあるということに対する批判なのです。
特に「圧倒的多数の科学者が同意している」という論法で、その主張を正当化することがいかに科学者として受け入れがたいか、というクライトンさんの見解は重要です。インタビューでは、アインシュタインの相対性理論を「ユダヤ人の科学」として中傷するためにナチスが御用学者200人あまりを動員して、アインシュタイン批判をさせた史実を引いています(ビデオの47:38から)。「圧倒的多数の科学者のコンセンサス」が科学的実証となるのであれば、ガリレオさんがなにを言おうと、「それでも地球は動いていない」はずだったわけです。科学は民主主義ではありませんからね。
確かに、従来はビジネス陣営が不当に有利であった環境保護問題において、より公正な議論を展開するためには、個人の「倫理的」価値観と感情にアピールすることにより大衆を動員することが、政治的に必要だったのかもしれません。しかしそれにより「科学」が犠牲になっている現状は非常に危ういのです 。
我々日本人も、こうした「倫理的エコ」の教条主義的ゴリ押しと、それによる冷静な科学的問題分析の放棄が、今回のオーストラリアの大惨事の背景となったことを、他山の石として記憶しておくべきでしょう。アル・ゴア氏ブランドの宗教/原理主義的エコが、日本では付和雷同的「気分エコ」としてまかり通っているようですので。
最後に、去年6月に亡くなられたアメリカのコメディアン、ジョージ・カーリンさんの「Save the Planet」というネタをどうぞ。たかがコメディアンというなかれ。安易に口に「エコ」を唱える人たちは、自分たちの主張がカーリンさん言うところの「狭量で一方的、かつ利己的な」言い草(ビデオの2:20から)ではないか、一度胸に手を当てて考えてみるべきではないでしょうか。オーストラリアのように200人が灼熱地獄の中で焼け死んだ後では手遅れなのですから。
オマケ。
詳細は以下のビデオでどうぞ。
(なおビデオで「Fuel Reduction」といっている際の「Fuel」とは、薪などの燃焼材のことを指しています。決して燃費のいいエコ・カーの話をしているわけではありませんので、誤解なきよう。)
私にとって、環境問題に関して大きな啓示を与えてくれたのは、以下のインタビュー・ビデオです。映画「ジュラシック・パーク」やTVシリーズの「ER」の原作者として著名なマイケル・クライトンさん(去年11月に亡くなりました)が、アル・ゴア氏に代表される最近の「エコ」を批判しています。(このインタビューは基本的にはクライトンさんの新作小説「Next」のパブリシティーですので、最初はそちらの話が中心です。環境問題はビデオの22:05からです。)
ここでカンチガイして欲しくないのは、クライトンさんは「人為的要因により地球の温暖化が進んでいる」という仮説そのもの否定しているわけではなく、また環境問題が人類が直面している大きな問題の一つであるということに賛同していることです。クライトンさんが指摘しているのは、アル・ゴア氏などの活動により、環境保護運動が「倫理的」な問題として捉えられるようになり、あたかも宗教的/原理主義的論調がまかりとおり、そこから科学的な思考、合理的疑義や議論が排除されつつあるということに対する批判なのです。
特に「圧倒的多数の科学者が同意している」という論法で、その主張を正当化することがいかに科学者として受け入れがたいか、というクライトンさんの見解は重要です。インタビューでは、アインシュタインの相対性理論を「ユダヤ人の科学」として中傷するためにナチスが御用学者200人あまりを動員して、アインシュタイン批判をさせた史実を引いています(ビデオの47:38から)。「圧倒的多数の科学者のコンセンサス」が科学的実証となるのであれば、ガリレオさんがなにを言おうと、「それでも地球は動いていない」はずだったわけです。科学は民主主義ではありませんからね。
確かに、従来はビジネス陣営が不当に有利であった環境保護問題において、より公正な議論を展開するためには、個人の「倫理的」価値観と感情にアピールすることにより大衆を動員することが、政治的に必要だったのかもしれません。しかしそれにより「科学」が犠牲になっている現状は非常に危ういのです 。
我々日本人も、こうした「倫理的エコ」の教条主義的ゴリ押しと、それによる冷静な科学的問題分析の放棄が、今回のオーストラリアの大惨事の背景となったことを、他山の石として記憶しておくべきでしょう。アル・ゴア氏ブランドの宗教/原理主義的エコが、日本では付和雷同的「気分エコ」としてまかり通っているようですので。
最後に、去年6月に亡くなられたアメリカのコメディアン、ジョージ・カーリンさんの「Save the Planet」というネタをどうぞ。たかがコメディアンというなかれ。安易に口に「エコ」を唱える人たちは、自分たちの主張がカーリンさん言うところの「狭量で一方的、かつ利己的な」言い草(ビデオの2:20から)ではないか、一度胸に手を当てて考えてみるべきではないでしょうか。オーストラリアのように200人が灼熱地獄の中で焼け死んだ後では手遅れなのですから。
オマケ。





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