総選挙も終わり、政権交代もあり、国会もスタート。新政権に対する漠然とした不安、そしてリアルな幻滅を感じる今日この頃です。予期していたことではありますし、これは多分、日本の政治の過渡期において通らねばならない道なのだろうとは思いますが、ニュースに目を通してはため息をつき、それをまたのみ込むような今日この頃です。
もっとも今回の政権交代と、その後のサイドショーとしての自民党総裁選挙を通じて、自分が「小さな政府」の信奉者であり、基本的にその言葉の世界的な意味において「保守」であることを自覚できたことは、個人的収穫でした。
残念ながら現時点において、敗残自民党は私のようなものの見方をする有権者を代弁する立場にたどり着いていません。しかしそのうち民主党政権が、「バラマキ」と「経済成長政策の不在」の狭間で行き詰まる頃には、政策的にその対局に位置する政党が出現していることでしょう。それが自民党であるとはかぎりませんが。
とにもかくにも、こうしたときはあまり目前のことに拘泥せず、目線を水平線上にもどして、見えない未来をみようとすることで、頭のリフレッシュを図るが正解でしょう。日々のニュースを追うだけでは、いたずらに毎日が暮れてしまいます。
民主党の総選挙圧勝を受けて、方針として「規制緩和」と「小さな政府」を目指した小泉/竹中路線は間違いであった、政策論争は決着した、と声高に勝ち誇る論客、ブロガー、その他大勢の方々をあちらこちらでお見受けしますが、オツムが単純にできていらっしゃるようです。前回のエントリーでお話しした「経典主義」が日本にもたらした弊害の一つは、なぜか日本人の多くの人々がこの混沌とした世の中に「正解」というものが存在していると思い込んでおられることです。こうした思い込みの「正解」という価値観をふりかざし、これをもって国の政策を評するのみならず、国民と国民生活の全般をも俎上にのせて、やれ勝ち組だ、負け組だ、負け犬だ、ハゲタカだ、「官僚はみんな馬鹿だ」、「キミには○○力が欠けている」、「これからの時代は○○力が人生の勝敗を分ける」などなど...青息吐息の(はずの)ニッポン・メディアはレッテル貼りに大忙し。いささか短絡的に過ぎないかと思うのは、海外から斜に眺めている私だけでしょうか。
前世紀、「満州は日本の生命線」などという、軍事費削減反対スローガンを「正解」と思い込み、「バスに乗り遅れるな」と戦争への道をつきすすんでしまった過去をもうお忘れなのでしょうか。戦前から台湾/満州/朝鮮の植民地放棄と加工貿易立国を唱えていた石橋湛山の存在を、もう一度思い返してほしいところです。「隷属への道」はなにも経済だけの話ではなく、個人の脳細胞にも続いているのです。
経典主義者たち(「受験エリート」といいかえてもいいかもしれません)による、不毛な「模範解答探し」を聞き及ぶにつけて、私は量子物理学者、リチャード・ファインマン博士の次の言葉を思い起こし、時には安易な道に進みかねない自分を戒めています。
「私は迷うこと、不確かなこと、そして無知を恐れない。知らないことに囲まれて人生をおくる方が、間違っているかもしれないことを信じて生きるよりも、よっぽど楽しい。」
今、日本史上空前の繁栄をもたらした一時代の終焉と低迷の端境において、多くの日本人、特に若い世代の人たちは、いままで信じてきたものや、当たり前と思っていたことがらを考え直さなければならない時代にさしかかっています。しかし、別に恐れることはありません。これはなにも日本だけの話ではないのです。大なり小なり、いやしくも先進国と呼ばれる国々が目下共通に抱える「今」という歴史の転換期における命題なのです。こうした時代に必要なのは、明日をも知れない斜陽産業、既存メディアの手による、日本という枠組みに限定された安易な価値観に右往左往することではなく、一人一人の日本人が自分の頭で、自分なりに考え、自分だけの答えを見つけようとする努力でしょう。
私はこの困難な時代を乗り越えた、5年後、10年後の日本と日本人がより優秀で、たくましく、マチュアな国民になっているであろうことを信じています。(「マチュア」なんてバタ臭い言葉がお嫌いな向きは、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉をご利用ください。)
もっとも今に比べて少し(かなり?)貧乏になっているかもしれませんが、なんのことはない、お金はまた稼げばいいのです。
追記
11月6日(金)夜7時15分〜8時45分、六本木ヒルズ内、アカデミーヒルズにて講演します。残念ながら六本木ライブラリー会員様のみご招待のイベントですが、会員でご都合のつく方、ご来場をお待ちしております。詳細はアカデミーヒルズ/六本木ライブラリーのサイト(コチラ)をご参照ください。
残念ながら現時点において、敗残自民党は私のようなものの見方をする有権者を代弁する立場にたどり着いていません。しかしそのうち民主党政権が、「バラマキ」と「経済成長政策の不在」の狭間で行き詰まる頃には、政策的にその対局に位置する政党が出現していることでしょう。それが自民党であるとはかぎりませんが。
とにもかくにも、こうしたときはあまり目前のことに拘泥せず、目線を水平線上にもどして、見えない未来をみようとすることで、頭のリフレッシュを図るが正解でしょう。日々のニュースを追うだけでは、いたずらに毎日が暮れてしまいます。
民主党の総選挙圧勝を受けて、方針として「規制緩和」と「小さな政府」を目指した小泉/竹中路線は間違いであった、政策論争は決着した、と声高に勝ち誇る論客、ブロガー、その他大勢の方々をあちらこちらでお見受けしますが、オツムが単純にできていらっしゃるようです。前回のエントリーでお話しした「経典主義」が日本にもたらした弊害の一つは、なぜか日本人の多くの人々がこの混沌とした世の中に「正解」というものが存在していると思い込んでおられることです。こうした思い込みの「正解」という価値観をふりかざし、これをもって国の政策を評するのみならず、国民と国民生活の全般をも俎上にのせて、やれ勝ち組だ、負け組だ、負け犬だ、ハゲタカだ、「官僚はみんな馬鹿だ」、「キミには○○力が欠けている」、「これからの時代は○○力が人生の勝敗を分ける」などなど...青息吐息の(はずの)ニッポン・メディアはレッテル貼りに大忙し。いささか短絡的に過ぎないかと思うのは、海外から斜に眺めている私だけでしょうか。
前世紀、「満州は日本の生命線」などという、軍事費削減反対スローガンを「正解」と思い込み、「バスに乗り遅れるな」と戦争への道をつきすすんでしまった過去をもうお忘れなのでしょうか。戦前から台湾/満州/朝鮮の植民地放棄と加工貿易立国を唱えていた石橋湛山の存在を、もう一度思い返してほしいところです。「隷属への道」はなにも経済だけの話ではなく、個人の脳細胞にも続いているのです。
経典主義者たち(「受験エリート」といいかえてもいいかもしれません)による、不毛な「模範解答探し」を聞き及ぶにつけて、私は量子物理学者、リチャード・ファインマン博士の次の言葉を思い起こし、時には安易な道に進みかねない自分を戒めています。
「私は迷うこと、不確かなこと、そして無知を恐れない。知らないことに囲まれて人生をおくる方が、間違っているかもしれないことを信じて生きるよりも、よっぽど楽しい。」
今、日本史上空前の繁栄をもたらした一時代の終焉と低迷の端境において、多くの日本人、特に若い世代の人たちは、いままで信じてきたものや、当たり前と思っていたことがらを考え直さなければならない時代にさしかかっています。しかし、別に恐れることはありません。これはなにも日本だけの話ではないのです。大なり小なり、いやしくも先進国と呼ばれる国々が目下共通に抱える「今」という歴史の転換期における命題なのです。こうした時代に必要なのは、明日をも知れない斜陽産業、既存メディアの手による、日本という枠組みに限定された安易な価値観に右往左往することではなく、一人一人の日本人が自分の頭で、自分なりに考え、自分だけの答えを見つけようとする努力でしょう。
私はこの困難な時代を乗り越えた、5年後、10年後の日本と日本人がより優秀で、たくましく、マチュアな国民になっているであろうことを信じています。(「マチュア」なんてバタ臭い言葉がお嫌いな向きは、福沢諭吉の「独立自尊」という言葉をご利用ください。)
もっとも今に比べて少し(かなり?)貧乏になっているかもしれませんが、なんのことはない、お金はまた稼げばいいのです。
追記
11月6日(金)夜7時15分〜8時45分、六本木ヒルズ内、アカデミーヒルズにて講演します。残念ながら六本木ライブラリー会員様のみご招待のイベントですが、会員でご都合のつく方、ご来場をお待ちしております。詳細はアカデミーヒルズ/六本木ライブラリーのサイト(コチラ)をご参照ください。


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