永住外国人地方参政権付与に強く反対する ―中川信博

2010年01月17日 08:00

小沢氏は「君、憲法読んでるのかね」と記者に毒づいたが、麻生政権時に議会承認議決を経て施行された予算を勝手に執行停止にした議会運営は、国民の代表たる議会を無視した憲法違反ではないのか。

その議会軽視、党重視の民主党が憲法15条に抵触する可能性が高い永住外国人地方参政法案を18日からの通常国会に提出するとの報道がなされた。一度ならず二度までも憲法違反濃厚な政権運営をする民主党に対し、再度この法案の危険性を指摘したい。


―超限戦
中国人民解放軍空軍大佐二名が書いた論文「超限戦 21世紀の「新しい戦争」」は、911を予言したような内容であったために、米国の安全保障関係者が研究した論文である。それは当時(1999年)米軍が進めていたRMAを意識した軍事思想への言及だが、米軍のそれは陸、海、空、宇宙、電子(サイバー)の5区域空間の支配とそこからの攻撃を志向しているのに対し、「超限戦」はそれに加え社会における政治、経済、金融、流通、文化、メディア、法律などあらゆる面を作戦対象とした、無限ではないが、通常の軍事常識を超越した「超限」な軍事非軍事のあらゆる次元における戦争思想を論じた衝撃の内容だ。

特に彼らが重要視してるのが「金融戦」と「メディア戦」そして「法規戦」だ。論文でもアジアの通貨危機を演出したジョージ・ソロスとクリントンを高く評価している。この通貨危機の演出により、アメリカは韓国をIMFを通じて金融占領して市場開放させたと評価している。クラウゼヴィッツは「戦争は政治の延長である」と言ったが、なにもこちらの意向を相手に押し付けるのに、今では戦闘行為以外の戦争の方が慈悲的で経済的であるとの論評も加えている。ハイテク戦闘で後塵を拝している人民解放軍がMOOTW(Military Operations Other Than War)を重要視していることがよくわかる。

―平時と戦時
工業化時代ではナポレオンが軍人と民衆の垣根を取り払い(国民皆兵)、ヒトラーが国土すべてを戦場にしたが(総力戦)、情報化時代の今日は、ネットワークに接続しているあらゆる物や事や空間が軍事利用されていること(超限戦)を意識しなければならない。情報化社会は平時と戦時の垣根を取り払ってしまったのだ。

TWITTERはユニークなメディアかもしれないが、テロリストが利用していないという保証はない。GOOGLE EARTHを使った要人暗殺計画は実際に起きた。つまり我々の生活を便利や快適にする技術そのものが一瞬にして、我々の安全と安心を脅かす脅威に変貌するということだ。敵国はネットワークを通じて我々を監視し、あるいは我々の社会の変化を記録していると考えなければならない。戦闘行為におよばなくとも自国の利益の伸長を図るためIT技術を駆使し、我々を知らず知らずのうちに協力者として利用しているのが情報化社会の戦争なのだ。

―選挙権というファイヤーウォール
永住外国人地方参政権法案を考えた人は善意からかもしれない。しかしその善意がセキュリティーを内側から破るトロイの木馬にならないという保障はない。ウイルスが浸入しないということが担保できないのであれば、国民の安全のためにこのような法をつくるべきではないということに国民の多くは同意するであろう。しかしその議論を世論を通じ情治に訴えて、まじめな納税者だからせめて地方参政権だけはというように誘導することは情報化社会では簡単なことなのである。

先の人民解放軍将校の論文でメディア戦と法規戦といっているのはこのようなことをさしていっているのである。私は以前韓流ブームがこれらの工作(メディア戦)だと指摘したが、彼らが法規戦と言及しているのが永住外国人地方参政権のような法律を対象国作らせることなのだ。

―問題は最大受益者は誰かということ
私はここ10年の外国人登録者の動向を調査したが、この10年で外国人登録をした中国人は222%増で19年度で約60万人―10年前の9年度は約27万人―、一方朝鮮・韓国人は0.7%減っている―ちなみに全体は19年度で213万人だ―。特に戦争中日本にきてそのまま残っているいわゆる特別永住権をもつ韓国、朝鮮人は約43万人に減っている。小沢氏は韓国での演説で韓国国民に外国人地方参政権の法制化を約束したが、最大の受益者は韓国・朝鮮人ではなく中国人なのである。

超限戦理論で人民解放軍の高官は戦闘以外の非軍事的手段で自国の要求を他国に押し付ける方法を、戦闘行為のようなハイリスクの手段より上位においている。たとえわが国における外国人地方参政権法案が善意の発意であったとしても、それを非軍事の戦争として利用してないということを誰が担保できるのか。

―結論
このような法案を成立させるべきではない。まず憲法との問題を明確にすべきである。専門家の意見を聞き、各国の事例を検証し―多くの失敗例がある。オランダなどはその失敗の典型だ―、国民に周知し再度選挙を経てからでも決して遅くはない。

特にINDEX2009で永住外国人地方参政権法案の推進をうたいながら、わざわざマニフェストからはずし―そのことを指摘した土屋議員は除名処分になった―、選挙戦を勝ったのであるから、マニフェストに載せたことはなにも実行していないにもかかわらず、はずした法案を先行させることは、先の選挙でたとえばガソリン税の廃止を期待して民主党に投票した個人タクシーの運転手さんにたいして不誠実ではないか。まずマニフェストを実行できるよう努力をしてから、これら案件にかかるのがあるべき姿ではないか。

―補足
我々はハワイの事例を想起しなければならない。カラカウア王は、ドールらハワイ連盟として合衆国への併合を主張する白人へのけん制として、明治天皇へカイウラニ王女と山階宮定麿王との縁談を申し込んだが、当時の日本にはこれを受ける国力はなく、のちハワイは合法的にアメリカの属州となる。このときの手法が移民をさせ、議会をつくり、憲法を制定し、併合を承認するというものだ。北朝鮮当局や人民解放軍がこれを学んでいないという保証はない。

この10年で登録者を222%と激増させている中国人の中に不穏分子が含まれていないということを担保できるものはどこにもない。ましてやわが国にはそれらを取り締まる法律もないしエージェントもいない―ウイルス対策がないにもかかわらず、アクセスを許可するサーバーのごとき―。

このような法案を推進する民主党および公明党、社民党、共産党の議員はいったいどこの国の議員なのか(自民党の一部も)。いみじくも民主党の小沢氏は中国訪問で胡錦濤主席に「私は人民解放軍の野戦指令官だ」とリップサービスしたが、それはどうやらリップサービスではなかったようだ。

―追記
永住外国人地方参政権は、法律用語上の「特別永住外国人」で、永住を特別に無期限に許可されている戦前日本であった現在の、北朝鮮人、韓国人、台湾人に―19年度現在約43万人いる方たち―、国籍をそのままで地方議会選挙と首長選挙への参政権を認めようという運動から始まった。
それが現在では約213万人いる外国人すべてに地方参政権を付与しようという議論に変節したばかりか、国政ばかりか、「外国人基本法」などという無制限に義務を伴わない権利の付与までもが議論されている現状だ。これが思想工作でないという言質に裏書をする人はいないであろう。

このエントリーを読んだ民主党議員諸氏は自身の議員としての所信を表明すべきだ。小沢氏の政治献金問題にしろ、これらの法案にしろ民主党内部からまったく意見が聞かれないというのは、故ソ連共産党か現在の中国共産党以上の言論統制政党なのか、それとも私の如き薄学の徒にも理解できるような危機を感じない不感症症候群なのか。

リスクマネジメントの大前提はリスクを100%除去することは不可能だということだ。リスクをどこまで軽減していくことができるかが「リスクマネジメント」なのだ。そういう議論もなく情治主義的に「税金を払っているのに選挙権がないのはかわいそうだから」などと、もろ手をあげて賛成する議員はぜひリスクマネジメントの講習を受けてもらいたい。

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