「高速道路の“ごく一部の”無料化」は良いとしても・・・  ‐前田拓生

2010年02月06日 10:11

今週は“政策的な問題以外”にいろいろと話題が多かったので、ニュース性としては乏しく、あまり議論もされていませんが、国土交通省から「高速道路の無料化」の区間についての方針が明らかにされました。この「高速道路の無料化」はマニフェストにも書かれ、選挙ではかなり大々的に取り上げていましたから、期待した国民も多かったのではないでしょうか。

しかし、開けてみると・・・

“かなりショボイ”という感じがします。これが「高速道路の無料化?」と首を傾げてしまうくらいの規模であり、しかも、土日祝日の1000円は廃止するとのことです(平日も含めて上限2000円という話もあるようですが・・・)。

とはいえ、これが「最終形」というのはなく、国交省の方針としては今回の「無料化区間」についてデータを集め、今後、無料区間を拡大するか否かも含め検討するということのようです。ということは、状況によっては「無料区間の拡大」もあり得るということであり、「ETCがなくても、すべて無料」という含みを残した格好にはなっています。

そういう意味ではかなり慎重であり、「正しい判断である」と思います。そもそも、消費者側にメリットがある政策というのは、一度行ってしまうと、それをやめた時に「選挙で勝てない可能性が高まる」こともあり、やる前に、かなり慎重に考える必要があります。

といっても・・・

現状の財源を考えれば、これでも十分に「頑張った」ということなのでしょう。もしマニフェスト通りに「全線無料化」を実施しても、そのために係る費用は「国民負担で」ということになるのであれば「ありがた迷惑」ですから、これはこれで「良かった」といえます。

そもそも今回発表された区間は“無料”でこそ車が通るものの、そうでなければ「・・・」という感じの区間が多いだけに、高価なインフラを無駄に放置しておくのなら「無料にして活用する」というのは合理的だと思います。このような「宝の持ち腐れ」の状態にある有料道路を無料化し、ある程度収益性が見込まれる高速道路については現状維持という選択肢もあっていいのでしょう。

しかし・・・

選挙前に言っていた「財源はあるのです」という話はどうなってしまったのでしょうかね。やはり「なかった」ということなら、その旨、しっかりと話してほしいものです。そして、「ない」ことを前提にして、選挙前のマニフェストを見直し、「できること」と「できないこと」の“マニフェスト仕分け”をしていただきたいと思っています。

民主党の掲げる「理想」は良いのですが、政治は「実行」ですから、資金付けができないものは「できない」のであり、できないものはあきらめるという姿勢も大切です(その意味で今回の「高速道路の“ごく一部の”無料化」は正しいと思います)。無理やりに国債を増発して実行すれば、将来世代に借金を押し付けているだけであり、(将来の)国民を苦しめることになります。

そういう意味で言えば、「子育て支援」ついても、今国会の予算審議の中で再考していただきたいと思います。財務副大臣も「継続は難しいかも」という旨の発言をしています(後に取り消していますが・・・)し、財源の問題で「本当に難しい」のであれば、単に「頑張る」というのではなく、実施前に「考え直す」ということが大切です。

一旦実行すれば、(たとえ政権が変わっても)政治的にやめることが困難になるのは目に見えていますから、実施に至る過程で慎重になる必要があると思います。

マニフェスト通りではない「政策」も、財源が「本当にない」ということを宣言するのであれば国民の理解が得られるはずです。そうでなくても、すでに「増税」が視野に入ってきているわけですから、高速道路についての政策同様に「子育て支援」についても、将来を見据えた政策に書き換えてほしいと願っています。

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