SIMロック論争への素朴な疑問 - 真野 浩

2010年04月19日 13:12

先週のSIMロックジャパンやアゴラでのSIMロック論争だけど、結局は利害関係者の我田引水的な議論の仕方が気になってしまう。

 アゴラにも登壇されてる松本さん、夏野さんの言われるように、総務省がSIMロック解除を全ての端末やキャリアに強制するというのは、まったく馬鹿げているし、私も反対だ。
 しかし、だからといって、今の端末でSIMロック解除しても、意味が無いとか、端末の価格が上がるとか、言われているようなSIMフリーの恩恵を受けられるのは、10年後だというのは、ちょっと言い過ぎじゃないだろうか?


例えば、「SIMロック解除したiモード端末では、他者のSIMカードをいれてもiモードが使えないのでデメリットだ。」 というのは、強引すぎる。

 最近のPCなどでもそうだけど、上位層のサービスが、ハードウェアに依存している部分はかなり低い。 Macだって、IntelCPUにしたら、Windowsも使えるし、BSDも使える。 つまり、Virtuanl Machine技術は、充分に成熟している。
 もちろん、今日現在市場にでている端末で、SIMだけ変えても意味が無いというのは、理解できるが、SIMロック解除になれば、挿入されたSIMの中身を判断して、iモードになったり、ソフトバンクモードになったりするデュアルブート的な端末を実現する事には、技術的なハードルはほとんどない。

 電波の周波数にしても、「SFDRにすればどんな周波数でも大丈夫」なんていう妄想にかられなくても、いまの携帯の周波数帯域をデュアルで切り替えるくらいのことは、既に実現されている。
 だから、iPhoneにドコモのSIMを入れたら、ドコモと周波数が違うからエリアが狭くなるなんていうのは、言い過ぎだろう。 無線部分のフロントエンドは、いまやダイレクトコンバージョンでブロードなのだ。

 つぎに、「SIMロック解除したら価格が四万円は値上がりする」というのも、なんだかしっくり来ない。 それは、高級機は確かに販売奨励金が大きな意味をもつだろう。 また、海外ではプリペイドの低価格機がSIMロックフリーで、高級機はSIMロックが多いというのも、事実だろう。
 でも、それは、日本でもSIMフリーの低機能機器があっても良いことを否定するものではないはずだ。
 携帯は、二台目、三台目を持つ時代だし、高齢者などで音声主流なユーザーもいるし、企業だってポリシーで音声だけ使わせるところだってある。

これは、推測の域でしかないが、SIMフリーな低価格端末が出て来たら、各キャリアはまちがいなく参入するだろうし、メーカーオリジナル製品がいろいろと出てくる楽しみがある。

 SIMフリー強制に反対するのは判るけど、SIMフリーのデメリットを必要以上に誇張するのはいただけない。

 すくなくとも、市場競争がイノベーションを生むとか、健全な競争環境をつくるべきだというのならは、SIMフリーもSIMロックも両方あるべきと思う。

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