米9月住宅着工件数は101.7万件となり、市場予想の100.8万件より強い結果となった。2007年11月以来の高水準だった7月の111.7万件には届かなかったものの、8月の95.7万件(95.6万件から上方修正)を6.3%上回り過去5ヵ月間で前月比ベースで2回目の増加となる。
内訳をみると、一戸建てが1.1%増の64.6万件と前月の12.8%減から増加に反転。複合住宅にいたっては16.8%増の37.1万件と、前月の28.7%減から反転した。そろって過去5ヵ月間で2回目の増加を迎えている。前年比での住宅着工件数は2.5%減と、前月の8.0%増(速報値ベース)から6ヵ月ぶりにマイナスに反転した。一戸建てが5.7%減と7ヵ月ぶりに減少に転じており、複合住宅は4.9%増と前月の16.8%増(速報値ベース)に続き6ヵ月連続で増加していた。
4大地域別では、すべての地域で増加。8月の1地域を上回った。今回は、中西部が23.2%増の17.6万件と2ヵ月連続で増加。また西部も13.9%増(前月から反発)の23.0万件、南部も4.2%増(前月から反発)の49.1万件となる。北東部も5.3%(前月から反発)の12.0万件だった。
米9月建設許可件数は101.8万件となり、市場予想の103.0万件より弱い結果となった。前月の100.3万件(99.8万件から上方修正)を1.5%増上回ったものの、2008年6月以来の高水準を達成した4月に次ぐ高水準だった7月の105.7万件でいったん頭打ちを示す。過去5ヵ月間では、住宅着工件数に合わせ、2回目の増加となった。
内訳をみると、一戸建てが0.5%減の62.4万件と3ヵ月連続で減少。複合住宅も4.8%増の39.4万件となり、前月の11.7%減からプラスに転じた。建設許可件数の前年比は2.5%増と、8月の5.3%増(速報値ベース)から伸びを鈍化。一戸建ては1.1%増と3ヵ月ぶりに減少した前月の0.8%減(速報値ベース)から反発しつつ、複合住宅は4.8%増と前月の17.4%増(速報値ベ—ス)から4ヵ月ぶりに1桁の伸びに減速した。
米9月建設中件数は前月比0.4%増の79.0万件となった。件数ベースでは少なくとも、2009年1月以来の高水準を達成。一戸建てが0.9%増の34.9万件と過去6ヵ月間で5回目の増加を示した一方、複合住宅は±0%の44.1万件と増加トレンドに終止符を打ったままとなる。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、今回の結果を受け「住宅着工件数のヒストリカルでは未だ低水準を維持し、さらに建設許可軒数では一戸建てが減少を確認していた」と指摘。米10月NAHB住宅市場指数が腰折れした事情もあり、「住宅市場の回復は限定的にとどまるだろう」と予想している。
モラン氏の指摘通り、一戸建て住宅着工件数は2006年の水準からはほ程遠い状況。
──以上、米住宅着工件数も増加も前月に減少した反動といえるほか建設許可件数も力不足。住宅市場も回復熱が冷めてきたように映ります。
(カバー写真:World Property Journal)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。