人気俳優の浅野忠信さんのお父様が覚せい剤で逮捕という衝撃事件がありました。
昨日、一報を聞いた時は「なんかまた騒ぎになったら嫌だなぁ・・・」
という懸念がありましたが、今日の浅野忠信さんの対応と世間の反応には、全く別の嬉しい衝撃が走りました。
まず間髪いれずに事務所の公式サイトに発表されたコメントがこちら。
お父様は、浅野さんが所属する事務所の社長さんでもいらっしゃるので、
関係各位に対する謝罪がありました。
ご心配してくださっている皆さまの優しさに深く感謝します。
この度は、父(佐藤幸久)のことで多くの関係者にご迷惑をおかけしたこと、お詫び申し上げます。
僕も身内の一人として驚き、また心配もしております。
父は大きな過ちを犯しましたが、僕にとってはたった一人の父ですので、
今は父のことがとても気がかりです。
家族として何か寂しい思いをさせてしまっていたのかな、
と思うと今後はより支え合って多くの時間を父とともに過ごしたいと考えています。今回の報道を受け、友人・知人の皆さまからは多くの心配の声を頂きました。
おそらく家族だけでは乗り越えられないことも多々あるだろうと思います。
今後も皆様のお力添えを頂けたらと切に思います。
何卒よろしくお願い致します。浅野忠信
というものです。
どうですか!?いいですよね!
全然、浪花節でなく率直な感じ。
そしてマスコミは「謝罪した」というところと、「家族として何か寂しい思いをさせてしまっていたのかな、と思うと今後はより支え合って多くの時間を父とともに過ごしたいと考えています」というところを頻繁に取り上げていますが、このコメントの秀逸なところはなんといっても、
「おそらく家族だけでは乗り越えられないことも多々あるだろうと思います。
今後も皆様のお力添えを頂けたらと切に思います。」
の部分です。
これは実に新しいし、薬物事件の回復の本質をついています。
そうです、浅野さん。その通りです!
いまだに裁判所などでも
「家族がしっかり監督し再犯させません」などと浪花節に家族愛を誓わされたりましますが、
そうではなく私たち一般人も、
「このような事態を家族だけでは到底乗り越えられません。力を貸して下さい。」
と支援者や専門機関の支援を仰ぐことが、薬物事件解決への第一歩となっています。
是非、浅野さんご一家も沢山の方々の力を借りて下さい。
さらに浅野さん、Twitterでユーモアたっぷりにこんなコメントも出しています。
息子が刑事役やってる時にお父さんは何考えてんでしょうか?!
と言うわけで落ち込んでる暇はありません!(^o^)!
刑事ゆがみは今日も頑張ります‼️ pic.twitter.com/G0xhOnJT0K— 浅野忠信 ASANO TADANOBU (@asano_tadanobu) 2017年12月6日
人間こんな時にユーモアを発揮するのは、実に勇気がいることだと思うのです。
批判をおそれ、神妙なふりをし、涙の一つでも流した方がよほど楽なはずです。
けれども浅野さんは見事に難しいことをやってのけられた。
本当に素晴らしいと思います。
そして何よりも驚いたのは、このツイートに対する世間の反応です。
すでに5万6千ものいいねと、2万5千ものリツイートがされていますが、
そのほとんどが好意的であり、
「浅野さんには何の落ち度もありません。頑張って!」
「変わらず応援します!」
「ポジティブさ、見習います!」
というものなのです。
もちろん今回は2世タレントと違い、浅野さんがご自身の力でここまで来られた方というのも大きいでしょうが、家族と一蓮托生にされず、親子であっても個人の問題として切り離して考えられていること、「家族の薬物使用」という試練に出会った浅野さんに対して、多くの方々が「頑張れ!」とメッセージを送って下さっていること、依存症の当事者・家族として、実に嬉しく思いました。
この事件をきっかけに、世間が薬物問題に対し罰を与えるのではなく、回復を応援してくださる風潮となってくれることを願ってやみません。嬉しい事例となったことは間違いありません。
浅野忠信さんは、自分への自信と芯がある方とお見受けしました。
フジテレビも現在放映中の浅野さん主演のドラマ
「刑事 ゆがみ」
絶対に放送し続けて下さい。
万が一圧力があっても負けないで欲しいです。
そしてスポンサーさんも変わらず応援してあげて下さいね!
浅野忠信さん、私たちも全力で応援しています。
あなたのその不屈の精神と優しさと、そしてユーモアのセンスに救われました。
ありがとうございます。
悲しみはおありでしょうけど、痛みのトンネルを通った後に見えるもの、
それは「希望」です。
どうか信じて前へ進んでください!
編集部より:この記事は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2017年12月6日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。