投資家に聞く!電車の移動はSuicaより回数券にすべき

尾藤 克之

「給料が厳しい」「毎月赤字続きでやり繰りが大変」「子供の塾代が足りない」「家族旅行に行きたい」「家族のために貯蓄をしなければいけないのに」など、と考えている人はいないだろうか。そのような人には、今日から節約をはじめることをおすすめしたい。あくまでも、無理のない範囲で行うことが大切である。

写真は自衛官時代の生方さん

今回は、『高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法』(あさ出版)を紹介したい。著者は生方正(うぶかた・ただし)さん。高校卒業後、海上自衛隊入隊。写真員となる。撮影した数々の写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受けている。

交通費でポイントを貯めよう

生方さんによれば、自衛隊の移動といえば艦艇、航空機。近距離であれば車両もしくは徒歩と、ほとんど部内の装備を利用することになるようである。

「民間企業への出張、入校中の研修だと新幹線に乗る機会がありますが、移動の際に渡される切符は『後払い切符』といわれる、切符右下に『後衛』と表記された特別な物を使います。この切符は、旧陸軍が馬を鉄道会社に運んでもらったとき、生き残った頭数の料金だけ後払いしたものが起源だと聞いたことがあります。」(生方さん)

「自衛隊の場合は、移動の際には『後払い切符』を利用しますが、民間企業に勤める人であれば、出張などの際の交通費は現金またはカードで払うのではないでしょうか。その場合、支払いは現金よりもカードを利用したほうがお得です。」(同)

これは交通費をクレジットカードで支払うことによるポイント加算である。利用金額に応じてポイントやマイルを貯めることができる。

「ポイントが貯まるといっても『たいした額じゃない』と思うかもしれませんが、出張時の交通費は意外とかかるもの。片道1万円払ったら往復で2万円。ポイント還元率が1%だとすると、200円貯まります。銀行金利が0.02%ということを考えると、金利1%に相当するポイントは、貯めておいたほうがお得です。」(生方さん)

「定期券区間以外の移動は回数券を使ったほうがお得になります。回数券は10枚分の値段で、11枚の切符が入っているからです。つより10 %料金が安くなる仕組みです。さらに、この回数券をSuicaで購入することでポイントを貯めることができます。いいことずくめの回数券ですが、気をつけなければならないこともあります。」(同)

定期券区間以外の移動は回数券で

回数券を購入したことのある人はおわかりだろう。回数券には期限がある。通常、回数券の有効期限は発売日より3か月になる。先の予定を検討しなければいけない。

「通常、Suicaを利用している人は、改札口を通過するときSuicaで支払う癖がついています。せっかく節約のために回数券を購入しても、通過するときに使いそびれてしよったら、節約にならないばかりか、有効期限を過ぎてしまったら損失になります。常に往復分の2枚を財布やスマホカバーなど、場所を決めて持ち歩き、たとえ酔っぱらった状態であったとしても使えるようになるくらい習慣化することが大切です。」(生方さん)

「年間20~30往復に対して10%程度の節約になります。一見大した額ではないと感じるかもしれませんが、やるのとやらないのとでは1年後、5年後、10年後では大きく違ってきます。こういった節約方法を一つひとつ実践することで、ほかの節約方法に気づくこともできます。そんな糸口としてピッタリな節約技です。」(同)

生方さんは、早い段階から資産形成をおこなっていた。勤務中以外のプライベートな時間を効率的につかい資産を形成したが、それが功を奏することとなる。ユニークな節約論、マニアックすぎるポイント活用術、あらゆる面から資産を、蓄え、増やし、守るための方法が詰まった一冊。この機会にいかがだろうか。

筆者は「文章術の本」を上梓した。文章が苦手な人にもわかりやすくまとめている。こちらもご覧いただきたい。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)

尾藤克之
コラムニスト