先の豪雨被害の後、英字新聞で頻繁に報じられたことがある。
日本に滞在している外国人の多くが、援助の手続等がわからず、途方に暮れて困窮しているというニュースだ。
残念ながら、日本の新聞やネット情報では、日本語の読み書き等ができない外国人のことを報じた記事等を(少なくとも私は)見つけることができなかった。
今般の台風に続く北海道の大地震。
自然災害に苦しむ人たちの姿を見ていると、本当に心が痛む。
そして、多くの日本のメディアが取り上げない外国人被災者のことに思いを馳せると、ますます心が痛む。
日本で働く外国人労働者の数は急増している。
日本を訪れる外国人旅行者も増加の一途だ。
災害に遭遇した外国人の人数は、一昔前と比べれば桁違いに多いはずだ。
にもかかわらず、私たちには、彼ら、彼女らの苦境を報じるニュースが届いてこない。救護措置を受けるための役所の窓口対応も、大幅に遅れているのではなかろうか?
英語が話せる窓口担当者がいない役所も多いのではないだろうか?
東京五輪を控えて、建物設備や案内板などは着実に整備されつつある。
しかし、ソフト面での対応を推進すべきだという掛け声はあまり聞かない。
日本にいる外国人の手助けをするのは、五輪のボランティアだけの問題では決してない。
災害時に迅速に対応できる体制の方がはるかに重要だ。
生命身体の危機が迫っているのだから。
被災地にいる人々は本当に大変な思いをしているだろうけど、すぐ近くに途方に暮れている外国人がいないかどうか、ほんの少しでいいので目配りして欲しい。
スマホの「NHK WORLD RADIO JAPAN」などでは、英語等に対応した電話番号も告知している。
「国際化」だとか「おもてなし」とかいう理屈の問題じゃない。
人道的見地から、ほんの少しでもいいので、途方に暮れている人たちに対して手を差し伸べていただきたいと切に願っている。
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年9月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。