あおり運転の心理は、お説教好きな人と似ている

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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先日より、宮崎容疑者のあおり運転が問題になっています。大事故を招きかねない、あおり運転そのものも問題ですが、今回のケースでは暴力をふるい、はじめから因縁をつける目的を持っていて、さらには逮捕歴もあったようで大きな話題を呼んでいます。

いらすとや:編集部

あおり運転について個人的考えを述べさせてもらうならば、「合理的思考と想像力の欠如から来る」と考えます。

Twitterでも一言いいます。

あおり運転をする心理

精神科医の片田珠美さんがプレジデントオンラインの記事で、

『あおり運転』をする人には、衝動制御障害、思考停止の状態、想像力の欠如が認められ、自己顕示欲と承認欲求が強い。また、危険な運転で味わった快感を忘れられず、依存症に陥っている可能性もある。

 

と主張されています(引用元:プレジデントオンライン「「あおり運転」する人の脳回路と復讐願望」)。記事を読むと、なるほど、「やられたからやり返す!」という復讐願望があおり運転という行動に現れているといいます。

速く目的地につきたい、快適に運転をしたい、と思っている自分の前をノロノロと運転することは、すなわち自分に対しての攻撃であり、その復讐としてあおり運転で相手にやり返すという心理から来るといいます。

あおり運転と説教好きの思考は似ている?

科学的根拠に基づく話ではなく、個人的な感覚論で恐縮ですが、私は個人的にあおり運転をする人と、説教好きな思考は似ていると感じます。

前者は犯罪、後者はそうではないのでそこは大きく異なりますが、動機は似ていると感じます。つまりは行き過ぎた正義感によるものと考えるのです。

相手にあれこれとうるさく説教をして、電車の中で優先席の近くでスマホをいじる人にわざわざ叱りつける人がいますが、彼らは「自分は正しい。ルールに則って行動しているのに、それを破る目の前の人間が許せない!」という思考です。

あおり運転も、ノロノロ運転や追い抜きといった相手の行動が彼らの中での正義のルールを破る行為に映った結果、あおり運転という行動に繋がります。そして「相手に間違っていることを分からせてやりたい!」と思うのではないでしょうか。

あおり運転に経済的メリットはない

そしてハッキリ言えることとしては、あおり運転にまったく経済的メリットはないということです。

車を運転するほとんどの理由は、合理的速度で目的地に到着したいということによります。想定する到着予定時刻通りに到着できればストレスはありません。しかし、ノロノロ運転に出くわして、想定より到着が遅れてしまうと確かにイライラしてしまうものです。私も熊本県に住んで自動車を運転していて、目の前に走るより遅い速度でトラクターがのんびり動いていると、刹那的に(早くいきたいのに)と思ってしまう事はゼロではありません。

しかし、多少ノロノロ運転をされても、ましては自分の車を追い抜かされても経済的デメリットは極めて小さいのです。F1のタイムアタックレースなら話は別ですが、公道を走って目的地を目指すなら5分、10分の遅れは誤差のようなもので、到着してお茶を飲んでトイレに経てば過ぎてしまうような小さな時間です。

あおり運転をして犯罪として摘発されてしまえば、実名報道、罰金刑、減点、そして下手をすると禁固刑に処されます。それで得られるメリットが目的地にわずかに早く到着する、あおってストレスを解消する、というものではまったく割に合いません。

合理的に考えれば、あおり運転で得られるメリットとデメリットがまったく釣り合いません。そしてこれだけ昨今あおり運転が問題視されているのに、「自分はまさか捕まらないだろう」と考えるのは論理的思考、合理的思考、そして想像力が欠如していなければ起こり得ないのです。

あおり運転を防止するには?

自分はあおり運転をしなくても、もしかしたらあおり運転の被害に遭うかもしれない…誰しもそのようなリスクをはらんで生活をしています。あおり運転を受けないための方法が1つあります。

あおり運転が収まるには、時間の経過が必要です。2017年6月に東名高速道路で発生したあおり運転による死亡事故をきっかけに、厳罰化の動きが2018年にありました。しかし、その事実を知らないドライバーはまだまだ多数派です。「あおり運転をすると、自分に大きなデメリットとなる」ということが広く認知されるにはどうしても時間がかかりますから、時の経過を待つ必要があります。

あおり運転の被害を受けないための方法とは、自動車の後ろに後部カメラをつけて、それをステッカーで知らせておくというものです。「後方録画中」とあれば、あおり運転をする側には大きな抑止力となるでしょう。

残念ながら、あおり運転をするドライバーを、完全にゼロにする事は現実的ではありません。他人と世の中は変えられない「固定値」ですから、後部カメラの取り付けなど自衛をする「変動値」に手を入れることで自己防衛に励むのが良いのではないでしょうか。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。