政界の「炎上発信源装置」としてお騒がせ続きの鳩山由紀夫元首相のツイッターだが、今度は環境相として初入閣した小泉進次郎氏のアノ問題に言及した。
鳩山氏は21日、ツイッターを更新し、「小泉進次郎さんが環境大臣に就任して人気がとてもあると伺った。人気があることは良いことだ」と切り出し、「小泉大臣、前大臣は汚染水を海に流すしかないと述べたが、海に流さないで処理する方法はあるということを肝に銘じて、人気に相応しい仕事をやっていただけるように期待します」などとエール(?)を送った。
小泉進次郎さんが環境大臣に就任して人気がとてもあると伺った。人気があることは良いことだ。小泉大臣、前大臣は汚染水を海に流すしかないと述べたが、海に流さないで処理する方法はあるということを肝に銘じて、人気に相応しい仕事をやっていただけるように期待します。
— 鳩山由紀夫 (@hatoyamayukio) 2019年9月21日
しかし、アゴラの読者には改めて言うまでもないが、「汚染水」と、汚染水を浄化し、海洋放出する段階の「処理水」は異なる。言葉遣いが不用意なこともさることながら、浄化処理した水の海洋放出は世界中で行われている。トリチウムだけは除去できないため、薄めて流すしかないが、むしろ、2016年に原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)も述べたように、他国の方が福島よりも桁違いに多いトリチウムを海洋放出しているくらいだ。
鳩山氏は専門こそ原子力ではないが、東大工学部で学んだはずなのに、その言動があまりに非科学的なのは理解しがたいが、「海に流さないで処理する方法」なるイノベーションが本当にあるのであればその知見をつまびらかにしていただきたいものだ。
なお、トリチウム除去技術をめぐってはロシアの国営原子力会社ロスアトムが2016年に、日本の近畿大学工学部などの産学研究チームが2018年にそれぞれ新たな提案を発表しているが、実装のめどは立っていない。鳩山氏の発言はこうした技術動向を視野にしたものかもしれないが、いずれにしても根拠を示さないのでは、無責任の誹りを免れまい。
鳩山氏の不可解なツイートには案の定、ツッコミが続出。
他の方法って具体的になんですか? また良く知りもせずに、出まかせを仰っておられませんか?
当てもないのに「最低でも県外」とか言って、沖縄県民に寄り添ったかに見せて、最終的に裏切って事態を滅茶苦茶にしたことも忘却の彼方ですか?
なるほど、海に流さず鳩山先生がお飲みになられるんですね、流石です。
また、アゴラ執筆陣では、政治学者の岩田温氏は「さっさと隠居して頂くことを期待します」と退場勧告していた。
解決案を示すことなく、常に楽観論。「最低でも県外」を思い出す。トラスト ミーと言われても、もう誰も信じない。さっさと隠居して頂くことを期待します。 https://t.co/VoSeyQjZBQ
— 岩田温@『偽善者の見破り方』発売中! (@iwata910) 2019年9月21日