大のスター・ウォーズファンである私が、初日の初回を観に行った話をアゴラさんに掲載して頂きましたが、
ここにも書いてあるように、この上映開始時間が夜中の12時半だったんですね。
ですから、これを観に行くには、車か徒歩か自転車かタクシーかバイクで行くしかない訳です。
で、我が家も当然車で六本木ヒルズまで出かけたわけですよ。そして大感動して映画が終わり、お土産グッズを買ってさて帰ろうということになったんですね。
そして事件は起こった…!のです。
なんと我が家の車が、ガス欠で駐車場出口の坂道の途中で止まってしまったのです。
ひぇ~!やっちゃったよ!人生2度目のガス欠。
これはもう完全に私のミスで、若い頃のガス欠はお金がなかったために起こしたアクシデントでしたが、今回はあまりの時間のなさから、起きてしまったことだったんです。
前日に車で出張していて、ガスが少ないなと思っていたのですが、時間がなかったので、帰りに入れよう!と思っていたんですね。ところが時間が思っていたよりずっと遅くなってしまい、ガソリンスタンドが閉まっちゃっていたんです。
都心というのはガソリンスタンドが少ない上に、24時間やっているところなんて殆どないんです。
でも、まぁ翌日すぐに入れれば大丈夫だろうと思っていたのですが、結局翌日もバタバタと、映画直前にダッシュすることになり、ガソリンを入れそびれてしまったんです。
で、起きてしまったまさかのガス欠アクシデント。
みなさん、想像して頂けます。駐車場の坂道って相当傾斜がきついじゃないですか。
絶対に、押してあがっていくなんてことは無理なんですよね。
そして、1台が止まっちゃうと、その下にずら~っと車が並んじゃう訳ですよ。
焦ったのなんのって!
で慌てて、私が六本木ヒルズの警備員さんに連絡し来て貰うと同時に、後ろの車に事情説明。
さらに車内からメーカーにSOSを出し、ガソリンを手配したわけですが、夜中の3時に六本木ヒルズ駐車場は、局所的大渋滞に見舞われたんですよ。私のせいで。
しかし、その方々は全員、スター・ウォーズの初日、初回に駆けつけるような大ファンたちなわけですよ。
しかもたった今、勇者ジェダイが仲間の絆を信じ、共に闘い、そして…という感動巨編を観て来たばかりな訳で、さらに言えば、この時間まで残っていたということは、私と同じようにお土産品を買うために長蛇の列に並んだくらいの大大大ファンの方々だと推察できるわけですよ。
すると何が起きたと思いますか?
色んな方々がわらわらと車から降りてきてくれて、知恵を絞ってくれたんですね。
そして夫に、このまま全員が後ろに下がるから、ニュートラルに入れてゆっくりと下がってきて、他の車が通れるくらいまで端に寄ったらどうだろうか?と提案してくれたんですね。
そして、後ろの車にどんどん伝達をまわしてくれて、車が一台一台と坂道を降りてくれたんです。
そして、夫がニュートラルに入れながら、ハンドルを切って端に寄せていくんですけど、この時も後ろから「ハンドル右に切って~」とか「左に少し切って~」とか皆さんで指示してくれたり、角度によって時々壁に激突しそうになると、皆さんでちょこっとだけ押して体制を整えてくれたりと、もう本当にこれはまさにさっき見てきたスター・ウォーズの世界観ではないか!と、感動するようなチームワークぶりだったんです。
まさにジェダイの騎士かと思っちゃいました。
そしてなんとからせん坂道の端ぎりっぎりまで寄せることができると、じゃあ、横を通り抜けようってことになって、みなさん慎重にすり抜けて下さったんですね。
さすが六本木ヒルズだけあって、ポルシェのカイエンとか、ベンツのゲレンデ、アウディーのスパイダー、圧巻はマットブラックに塗装された、ランボルギーニ カウンタックまであって、それら高級車がギリギリ慎重にすり抜けて下さったんですよ。
私なんか、超ドキドキ「無事通り抜けられますように!」と祈りながらも、すげ~!東京ってすげ~!、六本木ってすげ~!高級車かっけ~!…なんて車好きの私はちょっと興奮しながら見てたんですね。
20台位の方にご迷惑かけたと思うんですけど、もちろん1台1台謝って通過して頂きましたが、皆さん笑顔を返してくださって、怒鳴られたり、怒られたりなんてこと全くなかったんですね。
これはまさにスター・ウォーズ効果?
いやぁ本当に有難かったです。
つくづく観に行った映画がやくざ映画じゃなくてよかったです。
スター・ウォーズは観る者をも騎士に変えると思いましたね。
あの時、ご親切にして下さった皆様、本当に有難うございました。
ご迷惑をおかけして、誠にすみませんでした。
田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト