わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では、6 月からの塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。ひとりずつ丁寧にやってますよ。なお、今週末の日曜にはマインドマップの特別講座をやります。
さて、上場企業もIT系の大手はリモート(テレワークじゃなくてリモートで統一するね)やってみたら意外とできるので、だったらこのままリモートに移行してしまえっていうところが爆増しています。
オプトG(7/1〜新生デジタルHD)は緊急事態宣言解除後も原則テレワーク継続し、以下の働き方が役員会決議。
・出社は週2日以下
・削減される通勤交通費を「ワークデザイン手当」として月4000円支給
・本社ビルは1/3を解約(約2億円削減)
ワークスタイル→ライフスタイル→価値観が今後大きく変わる!— 鉢嶺 登 (デジタルホールディングス 創業者 兼 代表) (@hachio88) May 25, 2020
どこの会社とは口止めされていえないが、オフィス解約で丁々発止と大家とやりあってる大企業もあります。
六本木や渋谷あたりのオフィスのオーナーは戦々恐々としているだろうが、それにも増してこの周辺のIT企業で働く人たちをターゲットにしていた
- 歯医者
- 病院
- 美容院
- パーソナルトレーナー
みたいな小規模なサービス業のお仕事のみなさんは本当にヤバいらしいです。だってIT系のオフィス街、スカスカだもの・・・・。飲食店ももちろん打撃だろうが、首都圏のオフィス街のサービス業は今後、リモートワークの普及で手痛い打撃から立ち直れない可能性がある。
UberEATSなどで宅配をする飲食店も同様で、オフィス街は注文する人が激減してレッドオーシャン。住宅街の近くはブルーオーシャン。東京郊外の自宅の近所は土日となるとのきなみ「配達エリア外」になってしまう。ちょっと離れると効率悪くて配達しないっぽい。
同様に住宅街近くの駅の仕事ができそうなカフェとかはかなり混んでいる(自宅では仕事できない難民)が、渋谷あたりは聞くところによるとガラガラという話です。貸し会議室もZOOMでのリモート会議が一般化し、わたしのサロンでももっばらZOOMになってしまっていまさら会議室で定例会しないもん。何回か利用した時間貸しの会議室見たらガラガラであった。
サービス業はオフィス街から住宅街へのシフトが、首都圏において行われていくだろうと思う。逆に有名どころの美容室などはベッドタウンにはほとんどなくて大半が原宿や表参道、麻布、銀座、青山あたりに集中していたが、今後、リモートワークが進むにつれて郊外、それも西東京の比較的お金がある地域や湾岸に移転していくのではないかと思われる。でないと客が来ません。この傾向はずっと続くはず。
リモートワークで効率が上がる人、だめな人
これ、よくメディアの記事になっているのだが。ほとんど例に挙がってくるのが中高年だ。職種にもよるだろうが、リテラシーは低いし、会議も大好きだから理解できるが、それ以上に問題なのが新入社員ではないかと思う。
なにを隠そう、自分も新入社員の時は大変なヤツだった。たぶんリクルートの同期で一番社内の評価が低かったと思う。協調性はないし、そもそもサラリーマンに向いてなかった。それをひとつひとついろんな代の上司が鍛えてくれました。そのおかげで多少はマシになった。その1人がトランスコスモスの会長の船津さんである。
そうした諸先輩のおかげで多少は真人間になったと思うのだが、この2ヶ月、「新入社員教育ができない」という話を再三聞いた。
- リモートで社会人常識を教えられる?
- リモートで叱れる?
- リモートで信頼関係が築ける?
- リモートでOJTができる?
という、根本的なことでリモートでは非常に難しい。はっきりいうとリモートで働けるのは中堅以上!!といっても過言ではない。
日本の大卒の新卒は大学で習うことはほとんど専門性がないので、まったく関係ないジャンルに素人の一兵卒として入社し、一から鍛えて貰って数年後に一人前になるケースが多い。つまり新入社員は素材であって即戦力ではないからこれでよかった。
で、アメリカは即戦力しかいれない。新卒の場合は大学でなにを学んできたかで採用される。大学で専門的なことをしっかり学び、インターンを経て採用されるわけで、素材採用とはいえない。そして完全なる学歴重視である。これなら新入社員研修などほとんどなくてもいいし、働けなかったら即刻解雇だ。日本はこうはいかない。
つまり、リモートワークが一般的になると中途がメインで新卒はサブになるはずだ。新卒で企業に入りたければリモートではなく、出社が基本の企業ばかりになると予言できる。金融とか、現業とか。
ここで大きく変わらないといけないのが日本の大学の教育の本質ということになります。いままでは素材でよかったから「文学部」や何をやるのかわからない「国際学部」、経営する気も無いのに「経営学部」とか、意味が分からない学部に偏差値だけではいる。こんな時代はもう終わり。即戦力となる教育ができない大学からは採用されない。とはいっても日本の大学は教員自体が即戦力を育てる人たちではないから、すぐには無理。そして即戦力を育てられる人が大学の教員になるとも思われない・・・・・。
となると、ここでひとつのビジネスモデルが誕生すると思われるのです。
大学生が3年〜4年に通う即戦力を育てる専門学校
これ、どうでしょうか。
大学時代、勉強しないで遊んでいて即戦力にならないヤツは、せいぜい現業職か飛び込み営業でしか採用されなくなる。金融はリモートとは遠いから平気かも。ww
大学1年〜2年で卒業の単位を取りきって、3年と4年は専門性の高いことを学ぶ。これを教えられて即戦力を育てられる人は現実の世界でも高いギャラを取れるから、月謝は必然的に高くなります。座学ではなくて会議での発言やディベート、プレゼンの仕方まで教えないといけない。そうなると学費もとんでもなく高くなるわけ。本来はロースクールみたいに大学がこういう講座を持たないといけないわけだが、逆に言えば偏差値がイマイチでもこうした即戦力育成に徹した大学なら就職率は非常に良くなる。
コロナで日本の教育まで大変化していくという予想ですが、かなり当たる自信あります!!!
とりあえず来年はリモートワーク導入した企業では新卒採用はかなり絞ってくると思います。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年6月16日の記事より転載させていただきました。