3月9日の議会で質問を、中日新聞に取り上げていただきました。
豊橋市議会のことが、中日新聞で取り上げられることはあまりないので、うれしい限りです。 しかも見出しになるなんて、この1年ではじめての経験です。
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さて、この件は、ブログが役に立った、そして、棚ボタな案件でした。
– 豊橋が誇るビンカンボックスと、行政と住民の見て見ぬ振りについて– 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/140608.html
この記事は、2014年6月、まだ僕が議員になる前に、備忘的に書いた記事です。
冒頭の記事中にある、
『生活困窮者の違反を見つけた際には、生活保護の受給を促すなど、福祉部門との連携を進める』としながら
の『』箇所は、元々この2014年記事から引用したものでした。
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とはいえ、ぼくはこの刑事告発という対応を、今後改めてほしい、というそういう気持ちで、担当課と話をしていました、最初は。
しかし、話を聞いてみると、どうもちがう。
- 刑事告発を受けた人は、少なくとも、生き死にに関わるような困窮者ではなかった
- 担当は環境部なのだが、福祉部じゃないかというくらい、誠実な対応をされている。 むしろ、担当じゃないからこそ、柔軟な対応をしている
新聞報道で受ける印象と、実態には大きな差がありました。
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これはきちんと伝えないといけない。 そう思って、質問の構成を考えました。 以下、少し長くなりますが、その抜粋・要旨です。
>長坂質問(1回め)
今年平成28年1月の中日新聞にこんな記事が載りました。「ビンカン回収中身持ち去り略式命令 豊橋の男性2人空き缶や空き瓶を回収する『ビンカンボックス』から中身を持ち去ったとして、豊橋市廃棄物処理・再利用条例違反の疑いで昨年4月に書類送検された市内の男性2人について、市は18日、豊橋簡裁でそれぞれ罰金10万円の略式命令が確定したと発表した。」ちょうどこの週末の中日新聞にも、詳報が大きく掲載されていました。一方、平成26年5月24日の中日新聞の『資源持ち去り禁止でホームレス困窮 豊橋』という記事では、当時の環境業務課の主幹の発言がこのように載っています。「生活困窮者の違反を見つけた際には、生活保護の受給を促すなど、福祉部門との連携を進める」最初の記事によると、豊橋市は、平成27年2月に刑事告発されたということですので、実質的にはこの記事・コメントから1年も経たず、刑事告発に至った、ということになります。このこと、私はとても悲しいことだと思います。そこで、「福祉部門との連携を進める」としながら、このようなことになってしまった。そして、今後このようなことが起きないよう、「環境部門と福祉部門と、その連携について」お聞かせください。
>市役所・環境部答弁(1回め・要旨)
持ち去り行為者にはパトロールを通して行為を止めるよう、指導をしております。それと同時に、持去り行為者の生活実態などの把握に努めており、生活支援の必要がある場合には、福祉部門と連携した対応をとるよう努めているところでございます。
持ち去り行為者に対して、必ずしも指導する一方でなく、「生活実態などの把握」や「福祉部門と連携した対応」に努めていること、お聞きしました。では、2回めとしてお聞きします。パトロールなどを通して、「持ち去り行為者の生活実態などを把握」し、「福祉部門と連携」された、具体的な成果や実績について、教えてください。
>市役所・環境部答弁(2回め・要旨)
条例施行の平成25年10月から、本年2月末までの2年5カ月の間で、パトロール現場における、聞き取りからのものでありますが、生活保護の受給に至った者、就業など社会復帰した者、福祉施設等へ入所した者など、合わせて、約30人ありました。
さらに、約90人を越える者について、福祉事務所等が行う生活相談等に誘導しており、現在の所、合計で、約110人に対し、福祉部門と連携した対応をとっております。
ここで余談。
当初、市役所からの情報には、合計の約110人という数字はなく、約30名と約90名だけでした。 しかし、ぼくから合算した数字も出すように提案。(120人でないのは、重複があるから)
これは明らかに、見え方(メディアを含めて)を意識してのことです。 2桁か3桁か、100を越えるか越えないか、その印象が全然違います。
そして、結果オーライで運がよかっただけとはいえ、翌日の見出しには、110人の文字(再掲)
市役所は、こういう見え方・見せ方の配慮がまだまだ足らないとところがあると思います。 せっかくいいことをしていたとしても。
それを踏まえて、
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>長坂(3回め)
略式命令が決まった2名の背景には、環境部門によるパトロールと福祉部門との連携によって、状況の好転が見込まれる方たちが約110名いらっしゃること、お聞きしました。ところでみなさん、一般的に、市役所にいらっしゃる方々が、どういうお気持ちであるか、考えたことありますか?おそらく、幸せな気持ちでいらっしゃっているのは、婚姻届か出生届を出しに来られた方くらいでしょう。それ以外の多くの方々は、困っているから来るか、「指導」されに来るか、よくわからないけど呼びだされて不安な気持ちで来るか、お金を払いに来るか、めんどくさいけど来なきゃ行けないから来るか、どちらかと言えば、ネガティブな気持ちではないでしょうか。友人と話していて、その友人が自慢気に「おれ、市役所に一度も行ったことがない」と言ったとき、複雑な気持ちになりました。みなさんは、私もそうですが、毎日のように市役所に来ているから、市役所は「敷居の高い」ところであるという感覚を忘れているかもしれません。しかし残念ながら、「こわい」「つめたい」「行きたくない」これが多く人が、一般的な市役所に持っているイメージでしょう。「やさしい」「あったかい」「頼りになる」こう思われたくはありませんか、みなさん。僕はこう思われたいです。そして、こう思われる市役所にしたいです。刑事告発、略式命令の記事を見て、「豊橋市役所はなんて無慈悲なんだ」僕はそう思いました。そして、記事を見た多くの方がそう思ったでしょう。ところが、詳しく聞いてみるとそうじゃない。それどころかその背景に、ケタ違いの多くの方々の役に立っていて、その姿勢も「わるいことしてるやつをみつけてやろう」ではなく、「困っている人を助けたい」という気持ちでいることがよくわかりました。じゃあ、このイメージと、実際の気持ち・姿勢・取り組みとの乖離は、どこから生まれてくるのか。「メディアがわるい」そうかもしれません。しかし、外部のせいにするのは簡単で、かつ、何の解決にもなりません。私は、圧倒的なコミュニケーション不足、見え方・見せ方に対する配慮が足りないと考えます。例えば「パトロール」や「指導」という言葉。こわいですね、身構えます。パトロールの服装やその色だって、もっと優しい印象のものにするとかできると思います。もっともっと簡単にできることとして、「パトロール中は、常に笑顔で」これを徹底するだけでも、全然違うでしょう。この週末に出た詳細な記事で僕がもっとも身構えたのは次の部分です。「市職員や警察OBらによるパトロール」。こちら、福祉施設OBとかじゃできないんでしょうか。細かいことをひとつひとつ上げていけば切りがないですが、こういう細かい配慮の積み重ね、ひとりひとりの意識がもたらす行動が、市役所のイメージをつくっていくのです。もう一度言います。みなさん、「やさしい」「あったかい」「頼りになる」こう思われたくありませんか。僕は、豊橋市役所を、こう思われる市役所にしたいです。以上で、私の質問を全て終わります。
補足ですが、議会というのは、議員と行政(市役所)の対話の場であるため、文中の「みなさん」は、職員の方々を指しています。
ちょうど先日、職員の採用試験を今年から東京でも開催するという記事が出ました。
– 東京でも採用試験 | 東日新聞人材確保の機会を増やそうと、同市はこれまで市内だけで行ってきた採用ガイダンスを今年4月上旬に、初めて東京でも開催する。採用試験も東京で5月以降に実施予定。地元に戻るUターン、故郷の近くに就職するJターン、地方に移り住むIターンを推し進める経費を新年度予算案に計上した。
「やさしい」「あったかい」「頼りになる」豊橋市役所で、ぼくといっしょに働きたい才能溢れるみなさん、是非、ご応募ください!
では!
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ