リピートしたいと思わない飲食店

外食好きで、ミシュラン三つ星から、新橋の雑然としたホルモンのお店まで幅広く行く機会があります。そんな中、グルメサイトで絶賛されていても、どうしてもリピートしたいと思わないお店があります。

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例えば、意味のない食材の使い方をするお店です。

最近は、インスタグラムに高級食材の写真を投稿することで集客を狙うことが増えています。

その結果、バランスを考えずに豪華食材をただふんだんに使い、見栄えをよくすることにばかり熱心という残念なお料理に遭遇することも珍しくありません。

例えば、赤身肉の上にキャビアやウニを乗せたりするお店がありました。確かに見栄えは良いかもしれませんが、私だったらお肉は肉だけで食べて、キャビアやウニは別のお皿で、それぞれ美味しく食べたいと思ってしまいます。

いくら、ウニ、キャビア、トリュフ、カニ、フカヒレ、、、。素材としての魅力がある食材を料理人が調理することで、むしろ価値を落としてしまう。これでは料理の意味が感じられないし、素材に対しても失礼です。

また、ドリンクの値付けが法外に高いお店も、信頼関係を損ねてしまうようで、足が遠のきます。

お料理はコース料金として明確に書いてあるのに、ドリンクの単価が高く、会計額が想定外で驚くようなお店です。

グラスシャンパンやグラスワインに単価の高いものを入れて売り上げを伸ばしたい気持ちはわかります。しかし、見えにくいところから課金するというやり方は、お店への不信感を高め、リピート率を下げ、お店にとっても長期的なメリットは無いと思います。

そして、何より行きたくないと思うお店の筆頭は、店主が威張っているお店です。

お客を怒鳴り付けるような高圧的な対応は論外ですが、それだけではありません。

カウンターの客前でスタッフに説教したり、ピリピリした接客で周りの雰囲気を台無しにする対応は、特に高級店ではあってはならないことです。

私は、食事の最大の目的は、気分を良くすることだと思っています。

自分が怒鳴られたり、店内がピリピリした感じの中でおいしいものを食べても、決して気分良くはありません。

ミシュランや食べログに掲載されている有名なお店であっても、上記の3つに該当するお店は、自然と行かなくなります。

世の中には、豪華食材が乗っているだけで満足する人もいれば、ドリンクの値段や会計金額など全く気にしない人もいます。さらには、威張っている店主の自慢話を聞きながら食事をするのが好きなマゾヒステリックな人もいるようです。

このような好みは個人の嗜好ですから、人それぞれ。ただ、私はそんな好みの人たちとはご一緒しないだけです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。