新型コロナ給付金制度で、性風俗業が対象外とされた性風俗事業者が「職業差別」であり憲法の「法の下の平等」反すると国などを訴えていた裁判で、東京地方裁判所は「合理的な区別であり、違憲とは言えない」として、請求を退けました。
一方で、「性風俗事業者や従業員が尊重され、平等な取り扱いを受けるべきで、職業差別が許容されるわけではない」とも述べていますが、判決では正面から区別というか差別を認める形となりました。
行政が職業差別をしても構わないという判決に見えます。
「性風俗業の特徴は、大多数の国民の道徳意識に反する」
道徳意識に反するなら、違法ではなく、必要とされ、真面目に取り組んでいる事業者であっても、行政が職業差別しても構わないという判断。司法によるスティグマ。立法・行政で救われない人々を救済する最後の砦が裁判所だと思うのですが。 https://t.co/jHeVrV3FCy
— 松本ときひろ 弁護士 品川区議 (@matsumoto_toki) June 30, 2022
「大多数の国民が共有する性的道義観念」ってなんなのだ、という疑問も。
国ですら言っていない「大多数の国民が共有する性的道義観念」って何ですかね。証拠も何もないのに大多数の観念なるものを持ち出して不給付の理由付けにするというのは、本当にどうかしていると思います。東京地裁・岡田幸人裁判長の性的道義観念でしょうか?? pic.twitter.com/O4lQkuqMz8
— 平 裕介 (@YusukeTaira) June 30, 2022
そんな職業ならそもそも違法にそもそもするべきという意見も。
東京地裁「風俗は多数から疎まれる職業なので、風俗で働く人を差別するのは合法!」
そんな職業なら違法にするべきで、合法な職業への差別を裁判所が認めるのは凄いね。
〉「大多数の国民の道徳意識に反するもので、異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある」https://t.co/tunLStJb9p
— ひろゆき (@hirox246) June 30, 2022
裁判所の読解力に課題があるという指摘も。
「国民の理解」と言う得体の知れないものを、憲法14条で保障されている「法の下の平等」に優先させるとんでもない判決だと思います。既に控訴方針とのことですが、是非頑張って頂きたいと思います。司法が「国民の理解」と言う名の空気を読んでは、絶対にいけません。https://t.co/zsz1O40GJv
— 米山 隆一 (@RyuichiYoneyama) June 30, 2022
道徳心を区別の根拠にするのは危険だという意見も。
「大多数の国民の道徳意識」を根拠にするのは極めて危ういけどね。国内外、「大多数の国民の道徳意識」がやらかした非道の事例は枚挙にいとまがないよ。
性風俗業へのコロナ給付金 不支給は“合憲” 東京地裁 | NHK https://t.co/uGaOUXIjBt
— 岩田健太郎 K Iwata, MD, MSc, PhD, FACP, FIDSA, CIC, CTH (@georgebest1969) June 30, 2022
しかし、日本は伝統的に法治よりも徳治・人治のほうが上位のようなところがあります。
「客から対価を得て性的好奇心を満たすようなサービスを提供するという性風俗業の特徴は、大多数の国民の道徳意識に反するもので、異なる取り扱いをすることには合理的な根拠がある」
これは法よりも道徳を上位に置く判決で、法治国家の原則に反します。 https://t.co/HWZ1GWgsaB
— 町山智浩 (@TomoMachi) June 30, 2022
やはり行政訴訟はなかなか難しいものがあります。
亀石倫子弁護士は判決について「裁判所が国による職業差別にお墨付きを与え『性風俗を差別していい』というメッセージを社会に発信した。司法が少数者の権利を守らずむしろ権力と一体化している。到底容認できない」と批判し、控訴したことを明らかにしました。 https://t.co/7PaY1tfaHd
— 亀石倫子@sexworkにも給付金を訴訟クラファン実施中! (@MichikoKameishi) June 30, 2022
原告側は判決を不服として即日控訴しています。