ウクライナの原子力庁は、ウクライナのザポリージャ原子力発電所に対し、ロシア軍が終日にわたって繰り返し攻撃したことを非難し、水素漏れや放射性物質拡散の恐れがあると発表しました。同機関は、ロシアによるこの攻撃は、全世界の安全保障に対する脅威でもあると付け加えています。
一方、ロシア国防省は、ウクライナ軍が終日にわたって同原発に砲弾を撃ち込んだと発表しました。欧州最大のザポリージャ原発は3月以降、ロシア軍の支配下に置かれています。
同機関は今のところザポリージャ原発周辺の「原発の放射線レベルは正常」としていますが、安全への懸念が高まっています。
■
近くIAEA(国際原子力機関)は調査団を派遣することになっています。
国際原子力機関は来週、ザポリージャ原子力発電所を訪問する専門家チームを編成しました。
IAEA 長官と13人の中立国からの専門家が含まれています https://t.co/xyaA1ySSYc— 木下佳典 (@yoshitsune1977) August 28, 2022
調査団の訪問を前に、露軍側は原発で働くウクライナ人職員に、実情を話さないよう圧力を強めているとの見方もあります。
双方が互いの攻撃と言っているが、どちらかが嘘をついている可能性が高い。嘘を見破るには第三者による客観的な情報が必要。そのためにもIAEAがそこにいるということは大事なのだが、それを拒んでいるのはロシア。 #NewsPicks https://t.co/wIIE2RXbOA
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) August 28, 2022
しかし、報道に矛盾も見られます。
ただザポリージャ原発は3月からロシア軍が占拠しているので、ロシア軍が砲撃したというAFPの記事はおかしい。使用ずみ核燃料を破壊して核汚染させると、ロシア軍が撤退しないといけなくなる。
— 池田信夫 (@ikedanob) August 28, 2022
ゼレンスキー大統領は、放射能災害を回避するために、バックアップのディーゼル発電機が直ちに作動したと発表しています。
BBCによるとザポリージャ原発が外部電源を喪失したもよう。
ディーゼル電源が働いているうちは原子炉を冷却できるが、燃料が途絶えてディーゼルエンジンが動かなくなると冷却不能となる。
この状態が続くとメルトダウンが始まる。福一は10時間後。
=1月、ザポリージャ原発 撮影:田中龍作= pic.twitter.com/ujpJtik7tE
— 田中龍作 (@tanakaryusaku) August 25, 2022
今のところ放射能は漏れていないということです。
ウクライナも、ロシアも、敵のせいにしてるという、ありがちな話。
原子力発電所それ自体は、今のところ、大丈夫との由。https://t.co/kGvHIl0FKw
— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) August 28, 2022
世界に与えるインパクトは計り知れません。
エネルゴアトムが、ザポリージャ原発で過酷事故が発生した場合の放射性物質拡散シミュレーションを公開。29日(月)の天候条件だと、このような結果となるらしい。https://t.co/LUOnNV6ZIY pic.twitter.com/y3IMTqYXYC
— 松尾 豪 (@gomatsuo) August 28, 2022
原子炉だけでなく外部電源も遮断しようとしているようだ。電源を喪失するとメルトダウンが起こり、チェルノブイリ級の事故になるおそれがある。
汚染された場所は領土として使えないので、ロシアにとって戦略的な意味はないが、世界に恐怖を与えるインパクトはある。— 池田信夫 (@ikedanob) August 28, 2022
ザポリージャ原発はウクライナの電力の約2割を発電しています。送電網からの切断が長引けば、寒さが厳しいウクライナの人びとにとって影響は甚大です。