「マスクの国」に見える日本の将来

日本国内では相変わらずマスクをしている人がほとんどですが、私は公共交通を利用する時の車内以外ではマスクをしないようにしています。もちろん、サウナの水風呂にマスクをして入ったりはしません(写真)。

屋外を無言で1人で歩いている人たちが、マスクをしているのを見ると、日本が衰退していく理由がわかるような気がします。

会話もしない屋外でマスクをしている人たちは、何も考えていない思考停止状態です。出かけるときには、なんとなくマスクをする。2年間続いてきたことを現状維持バイアスで相変わらず続けているだけでしょう。

少し考えれば、マスクをしなくても良い時もあることくらいわかるはずです。

「なぜだろう?」「間違っていないか?」と言った素朴な疑問を持ち、それを解決していくことが新しいビジネスのヒントになります。現状維持バイアスによって、今やっていることに疑問を持たなくなれば、世の中の変化に対応できない衰退を意味します。

また、わかっていても止められない人は、同調圧力に屈してしまっているのです。みんながしているからという横並び志向とも言えるかもしれません。

人と同じことをやっていては差別化することができず、ビジネスでは成功できません。

「脱横並び」こそが求められる資質ですが、同調圧力によって抑え込まれてしまうのです。

さらに、都内の飲食店では入口でマスクを全員にさせ、席に着いたら外しても良いと言う謎の対応をしているところもあります。

そもそも会食をするのであれば、マスクをとって会話をするのが当たり前になります。入口でだけマスクをさせる対応は、コロナ対策をやっていることをアピールするアリバイ作りにしか見えません。

本質的な解決にならないこのような形式整備こそが、不必要な仕事を増やし生産性を低下させているのです。

私はマスクを完全否定している訳ではありません。全廃しろと言っているのではなく、重症化リスクがある人たちには、これからも慎重な対応するなど、柔軟に運営していくべきです。

しかし、思考停止の現状維持や、横並び意識、そして形式整備に明け暮れる「マスクの国」には、これからの日本が透けて見えるのです。

triocean


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。