座りっぱなしで丸くなった姿勢を改善:仕事の合間にできる4つのトレーニング (長岡 智津子)

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長時間のデスクワークや会議で、椅子に座りっぱなしになっていませんか?

その影響で、

  • 素敵な洋服を着ても背中が丸まってしまい、キレイに見えない
  • 腰痛や肩こり、頭痛に悩まされている
  • 姿勢が悪く、お腹がぽっこりとしてきた

といった悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。

でも運動する時間がない。そんなときは、自宅や仕事の合間に簡単なトレーニングをしてみましょう。

良い姿勢を保つには、座り方を改善して正しく座る必要があります。

正しく座るとは、骨盤を立てて座ることです。下腹部のお腹の奥にある筋肉と、背中の肩甲骨周りの筋肉を鍛えることで美しく、しかも身体に負担をかけない良い座り方が出来ます。

スポーツインストラクターの観点から、正しい座り方をするために必要な筋肉と、簡単にできるトレーニング方法を紹介します。

正しい座り方をするために必要な筋肉とトレーニング法

正しい座り方をするために必要な筋肉として、4つの筋肉を挙げたいと思います。

(1)骨盤底筋群:内臓を下から支え、肛門や尿意をコントロールする

私たちの体は骨と筋肉で支えているのですが、お腹周りだけは骨がなく、背骨と筋肉だけで内臓を支えています。よって、悪い姿勢や加齢による筋肉の低下で、内臓は下がってしまいます。

そこで必要なのがインナーマッスルの強化です。その1つが骨盤底筋という筋肉群です。胴体の一番底の部分で内臓が下がらないように支えている筋肉のことです(恥骨、坐骨、尾骨についている筋肉で、膀胱や子宮、直腸を支えています)。姿勢を維持するためにとても大切な筋肉です。

骨盤底筋群のもうひとつの役割は、排泄のコントロール。骨盤底筋群は便意や尿意があると緩み、排泄してくれるのです。締める力が低下すると、尿漏れや頻尿などのトラブルが生じます。尿道を締める力、肩こりや腰痛予防、ウエストの引き締めにも、とても必要な筋肉群です。

【トレーニング法】
椅子に座ったまま、ももをできるだけ内側に寄せる。タオルなど柔らかいものを足の間に挟むと意識しやすいです。肛門と膣を胃のほうに引き込むように10秒ほど締めます。その後、30秒ほどリラックスする。これを数回繰り返してみましょう。デスクワークの合間やTV鑑賞中などにトレーニングしてみましょう。

(2)腹横筋:ウエストを形成する

腹横筋は体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させる筋肉です。また、腹圧を高めて排便を補助したり、腰への負担が軽減するといった効果もあります。

【トレーニング法】
腹式呼吸をする際に、お腹をいつもより大きくへこませます(ドローイン)。立位・座位・寝たままなど、いつでもどこでもできます。通勤時間やデスクワークの合間にやってみてください。

(3)多裂筋:背骨を支える

背中の脊柱にくっついている筋肉。首から腰の脊椎の椎体をまたいで付いている小さな筋肉で、両側の多裂筋が働くと脊柱が伸び、片側が働くことで脊柱を回し、横に曲げる働きがあります。その働きのほとんどは大きな運動ではなく、わずかに動く程度です。腰痛との関連性も高いと言われています。

【トレーニング法】
椅子に座ったまま、両手を前に伸ばします。背中を丸めないように、両腕と床を水平に保つように意識してみてください(10秒ぐらいキープします)。

(4)横隔膜:呼吸をするときに働く

姿勢を良くする筋肉と、呼吸で使う筋肉は9割9分同じです。つまり呼吸がスムーズに行かないと体に酸素が行き渡らず、疲れやすくなって姿勢がくずれます。

【トレーニング法】
両手を頭の後ろでクロスさせて、体を横に気持ちの良い程度に倒します。10秒ぐらいずつ交互に行います。気持ちが良いので、休み時間に数回すると気分転換にもなります。

1日1分、横隔膜を正しく使った呼吸を習慣化すれば、姿勢が整い自然とリンパや血流もアップします。呼吸がスムーズにできると心の健康にも役立ちます。

体幹をキープすると良いことがたくさん

筋肉はトレーニングすれば鍛えられ、何もしなければ衰えます。体幹がしっかりとキープできれば、

  • 良い姿勢ができ、腰痛・肩こり・頭痛の予防改善
  • 内臓(胃腸・子宮)の下垂予防や体調不良改善
  • 頻尿・尿もれの予防改善
  • 便秘・ぽっこりお腹・冷え症・むくみの予防改善

につながります。

簡単な運動で、改善できますので、ぜひ楽しんで継続してみてください。

長岡 智津子 スポーツインストラクター Feel株式会社 代表取締役社長
日本体育大学を卒業後、国立競技場トレーニングルーム勤務。30年以上健康に携わる指導(健康増進体操・ソシアルダンス・ポールウォーキングなど)を1週間に150人以上指導。楽しく・美しく体を動かすことをモットーに性別・年齢を問わず、多くのメニューで心身の健康増進と生きがいづくりのプログラムを提供。非日常的な体験企画も提案し笑顔溢れる人生の道先案内人。 https://www.feel-nagaoka.com

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年5月2日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。