ニースに着いたらとりあえず、地中海に挨拶して(泳いでる人いる〜)、「ラ・メランダ」に駆け込み、ドミニク・ル=スタンのピストゥパスタ。2024年初のドミニクご飯。今年もたくさん来られますように。
お腹を落ち着かせた後は、マティスの”ロザリオ礼拝堂”を目指し、ヴァンスまで足を伸ばす。2017年ぶり!昔は、コートダジュール来るときは車借りることが多かったのでよく行ってたけど、最近はバスや電車移動が多いので、訪ねづらくなった。
バスを乗り継いで&歩いて、ようやく到着。
久しぶりの感動空間。(チャペル内は撮影禁止)
神々しく静謐な光に包まれた小さなチャペル。正面のステンドグラスが、白い大理石に黄青緑の模様を鮮やかに浮かび上がらせるのも感動だし、横のステンドガラス越しに見る外の景色も雰囲気あるし、お魚モティーフのクロスも素敵だし、タイル壁画も胸を打つ。すかし模様を入れたドアもかわいらしい。
タイルはご近所のヴァロリス(ピカソが陶芸に打ち込んだところ)で、ガラスはモンペリエ近郊で焼かれたそう。
シャペルに光を湛えるステンドグラスの3色、青(というか紺碧)は空と海、緑は大地、黄色は光、つまり神。神は見えないものだから、緑と青は透明だけど黄色は不透明。
ミサの時に使うシャペル建物入口の横のステンドグラスは、魚(キリスト教徒)が網に絡まれて(罪に落ちて)いるけれど、星(神)が赦してくれる、という寓意。
そして、奇跡のような空間に入る・・・。
1時間近く礼拝堂の中で過ごして美しさと神々しさに感動したのち、併設美術館へ。
聖母の素描やこのシャペル建立の立役者シャック=マリーシスターに宛てた手紙がとてもかわいらしい。
シャペルの設計図や模型も楽しいし、今のデザインの前に考えられた第一案が興味深い。
当初は、パリのノートル・ダムの薔薇窓にインスピレーション受けて赤系のデザインだった。でも、この小さなシャペルでは赤の存在感が強すぎたため、今のデザインに変えたそう。
冬にしては珍しく太陽の光が弱い1日。明日明後日雨で(パリから雨雲連れてきちゃったね、、)、今日しかタイミングなかったので、頑張って来てよかった。久々だったので、感動もひとしお。
次は来年の秋冬の(お天気の)朝、この小さなシャペルが太陽の恩恵を最大限受けるタイミングで再訪できますように。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2024年2月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。