海外旅行に行っても円安が怖くなくなる方法

私は資産設計実践会という投資家コミュニティーを主宰しており、メンバーと一緒に年間4回の海外視察ツアーに出かけます。

来週からは現地で購入した不動産物件の視察を目的にハワイに行く予定になっています。

2年前にもハワイに出かけましたが、当時の為替は1ドル140円台でした。現地の物価がずいぶん高い気がしたのですが、今回はさらに円安が進んでいます。

2年間の間に現地の物価水準も上がっていると思いますから、為替レートと相まって日本との価格差をよりいっそう感じるのではないかと予想します。

もし、私のように海外旅行に頻繁に行く予定があるのなら、円安を恐れないで海外に行ける方法があります。

それは、前もって外貨資産を作っておくことです。

私はFX(為替証拠金取引)を使って米ドル、ユーロ、英ポンドなどのポジションを作って長期間保有しています(写真、ただし画面は少し前にスクリーンショットしたもの)。

11年前の2013年に作った1ドル=99円台のドル買いのポジションは未だに保有しています。このポジションをドルのまま現受けすれば、当時のレートで両替したのと同じことになります。

ポジションを作った時点での為替レートで、外貨調達ができたことになり円安になっても気にならなくなります。

しかも、保有期間中には金利差から得られるスワップ金利も入ってきます。それも含めると両替のレートは恐らく1ドル=60円台になるのではないかと思います。

もちろん、ドルの買いポジションを保有してから円高になれば為替差損が生まれます。でも、自分が将来使う外貨資産と考えて損切りしたりはしません。両替のレートが高かったと考えて使えば良いのです。

海外に出かけて、モノの値段をいちいち円換算して「高い、高い」と騒いでいる人がいます。そんなに高いのが嫌なら自分で対抗策を考えておくべきです。

何も手を打たず文句を言っているだけなら、せっかくのお休みですから海外にまで行ってストレスを溜め込む必要はありません。海外旅行にいかず、国内で楽しんだ方が良いでしょう。

Motortion/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。