日本人同士でつるんでいる海外旅行は味気ない

Nopphon Pattanasri/iStock

学生時代に海外旅行に出かけた時は、バックパッカーとして各地に出かけていました。

お金も無く、1ドル=200円台だった時もあり、フライトはエコノミーグラスで現地では安宿。1人でタイ、インド、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、イギリス、東西ドイツ、トルコ、香港、韓国などに出かけました。海外はこれまで50か国以上に行ったことになります。

バックパッカーの時はいつも予定も立たず、当日にホテルのフロントで部屋を予約するような、行き当たりばったりの旅でした。

観光地を巡るわけでもなく、いつも街中をフラフラしていたせいか、新興国ではローカルの人に話しかけられ、仲良くなることも珍しくありませんでした。

中には、観光客をカモにしようとする下心ありありの悪い人もいました。南米では命の危険にさらされたこともありましたが、親切な人にもたくさん出会い、日本にいたら知らなかった世界をたくさん知ることができました。

トルコのイスタンブールの路上で知り合ったムラートさんとは、その後も交流が続き、来月トルコのカッパドキアを案内してもらうことになっています。

最近も年に数回海外に出かけますが、スケジュールを決めてホテルやフライトをしっかりフィックスして出かけます。

投資家コミュニティ資産設計実践会メンバーと出かけるスタディツアーは、現地の不動産などの視察が目的ですから、現地では日本人メンバーで一緒に行動することになります。

予定もメンバーも決まっていて楽しく安心ですが、刺激が少なく味気ないともいえます。JALパックに代表されるような、かつての日本人の団体海外旅行と同じだからです。

何十人ものグループが大型バスに乗って、スケジュール通りに観光地を見て回る。これではリアルな海外を知ることはできません。

せっかく海外に行くのであれば、日本人グループでつるんでいるだけではなく、現地の人たちとコミニケーションした方が楽しいです。

自分の足で現地を歩き、ローカルなマーケットで地元の人たちと身振り手振りでコミュニケーションする。屋台でご飯を食べたり、買い物の値切り交渉をする。お腹を壊すこともありますが、それもまた後から良い思い出になります。

残念ながら、もはやバックパッカーに戻ってそんなサバイバル旅行をする体力もリスクテイクする能力もなくなりつつあります。

高級ホテルでご飯食べるよりも、1人でローカルな屋台に出かけ、怪しげなお料理を食べたりするのが、今でも一番好きな海外旅行の過ごし方です。

せめて、スタディツアーの合間にバックパッカー時代のようなワクワク感を少しだけ味わってみるようにします。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。