19日にカマラ・ハリス副大統領は当選後の経済政策を発表し、大増税を予告しました。
ハリス氏は当選後に、法人税を21%から28%に引き上げ、株価や債券等の売却益に課される税金であるキャピタルゲイン税を45%に引き上げることを計画しています。
ハリス氏、法人税28%に増税公約 中間層支援を手厚くhttps://t.co/FXv1OT1aeh
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 20, 2024
カマラ・ハリスは、1922年以来最高となる45%の長期キャピタルゲイン課税を提案。
さらに、「富裕層」の含み益に25%の課税。
しかし、ハリス陣営としては大増税は「富裕層」が負担するもので、その他の「1億人以上」の米国民に対しては減税を施すと主張しています。
ハリス副大統領「1億人以上減税」経済政策を発表…住宅購入支援や子育て世帯の税額控除
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価格統制策がお笑いネタになったハリスやけど、減税はトランプと差別化する形で競い合ってる。日本の与野党論争ではあり得ない光景…。 https://t.co/sp9uYm4CXl— 新田哲史 (@TetsuNitta) August 18, 2024
ハリス氏は大増税の他に、家賃や食費の価格統制を求めていますが、これは若干落ち着いてきたインフレを加速させる予感しかしない政策提言です。
8月16日に発表したハリス副大統領の経済政策に、ワシントンポスト紙が辛口批評。政策じゃなくて「ギミック」だと。そりゃそうだ。自由主義経済のアメリカで価格統制は無理だろう。住宅費補助は不動産価格を上げる恐れもある。元検事さんはやっぱり経済がわかってない。https://t.co/Oqecsewtsd
— かんべえさん (@tameikekanbei) August 18, 2024
しかし、今年の大統領選と同時に行われる上院選では民主党が敗北する確率が高いため、ハリス氏の増税案は実現する確率が低い状況です。
こっちもハリス副大統領が当選しても、議会で可決しないと実現しない。
・28% corporate tax
→2017年トランプ減税が2025年末で終了するので、減税前の35%に戻るよりましなのでは。
・44.6% capital gains tax
・25% tax on unrealized gains…— Reika.H (@doll__en) August 21, 2024
来年度の米国は債務上限の限界に近づくことで財政破綻の危機に直面し、トランプ減税の延長を行うかどうかの判断に迫られます。
2017年にトランプ政権下で実現した減税は「富裕層」向けであるとして民主党は批判していますが、議会内の一部民主党議員によっても支持されています。そのため、トランプ減税の継続については、トランプ氏またはハリス氏のいずれかが勝利しても、妥協の余地はありそうです。
アメリカの債務残高が急増してますが、バイデン・トランプ両陣営共に対策はなく、問題が放置されているという記事。
2025年初には債務上限引き上げ問題に再び直面するとともに、2025年末にはTCJA(トランプ減税)の期限も迫る。どちらが勝っても政権運営の足枷になりそう。https://t.co/ZI47PAccRV— 小林 庸平 | Yohei KOBAYASHI (@yohei_econ) June 26, 2024