静岡清水:ちびまる子ちゃんのふるさとをめぐる

静岡県・清水に来ています。清水を代表する芸能人といえば、広瀬姉妹。そして清水を代表するアニメキャラといえばちびまる子ちゃん。

金のちびまる子がお出迎え。

清水区のランドマーク施設「エスパルスドリームプラザ」の中にあるちびまる子ちゃんのテーマパーク、「ちびまる子ちゃんランド」に来ています。ずいぶん昔息子と来たことがありますが、それ以来の訪問です。

公園で遊ぶまる子とたまちゃんが出迎えてくれます。

キャラ、どれだけ知ってる?

ちびまる子ちゃんは花輪君や丸尾君などかなり濃いキャラのクラスメートが登場しますが、

5、6年生のときにさくらももこと同級生だった清水エスパルスの長谷川健太選手も3年4組のクラスメイトとして登場しています。

いつも駄菓子を買っている「みつや」のセットや、

「はまじ」のモデルになったクラスメイトの浜崎さんに贈った色紙なども展示されています。

最後はショータイムがあって、ちびまる子ちゃんの着ぐるみが写真撮影会とダンスを披露してくれます。写真撮影のポーズがかわいらしすぎて、怠惰で世間ずれしたアニメのちびまる子ちゃんとはちょっと違った印象。ちょっと小ずるい感じの彼女の方がわたしはらしくて好きです。

ちびまる子ちゃんランドを出て清水の町を散歩します。街の中心部を流れる巴(ともえ)川を渡ります。ちびまる子ちゃんの中でも登場する川で、1974年7月7日の七夕豪雨で巴川が氾濫、たまちゃんの家が被災した様子が描かれていたのを覚えています。

巴川から一本入ったところにぽつんと古民家があります。中央には「次郎長」の文字。ここは「清水次郎長」で知られる山本長五郎の生家です。名前は知ってるけど清水次郎長って何をした人なのかよくわかっていませんでした。

静岡生まれ、静岡育ちの会社のメンバーに聞いても「うーん…いいやくざ?」という回答。博打で生計を立て、侠客と呼ばれる無法者の一人であったそうですが、芝居などの創作の世界で美化されそのようなイメージが定着したようです。

新政府の目が厳しい中咸臨丸事件で戦死した幕府軍の兵士を葬る義侠心の暑い面があったり、地域の開墾や多くの事業を手掛けるなどして地域の発展に努めたことも地域に愛される人物となった要因のようです。

ちなみに、ちびまる子ちゃんの祖父の名は季語のない俳句を詠む友蔵さんですが、清水次郎長の兄貴分は大和田友蔵。ちびまる子ちゃんの祖父友蔵の名はこれに肖ってつけられたのかもしれません。

さて、ここからは清水の町中を少し離れてちびまる子ちゃんのふるさと、入江地区に向かいます。静岡鉄道新清水駅から電車に乗って桜橋駅へ。ちびまる子ちゃんでも静岡市の中心部におつかいに行ったときに静鉄が利用されています。

桜橋駅。この駅周辺が入江地区です。

ごく普通の住宅地ですので地域の方の迷惑にならないように巡ります。こちらは静岡市立入江小学校。ちびまる子ちゃん、そして原作者さくらももこさんの出身校です。ここでちびまる子ちゃんや彼女を取り巻くドタバタストール―が展開されていました。

彼女の面影を残すものは基本ないわけですが、唯一学校の隅に英語でちびまる子ちゃん所縁の地の地図が掲げられていました。

先ほどセットがあった駄菓子屋「みつや」はおしゃれなケーキ屋に変わっていました。オーナーは全く別の方。ちなみにさくらももこさんの家はここからは少し遠いようで、実際はあまり通ってはいなかったそうです。

ちびまる子ちゃんがお母さんに連れられて買い求めた名物追分ようかんのお店はコチラ。一本買おうかと思いましたがこの日も気温が36℃で洋館を食べる気にはなれませんでした。。。

少し離れますがこちらはちびまる子ちゃんやたまちゃんが訪ね遊んだこともある入江白髭神社。鳥居をはるかに超える高さの木々が目を見張ります。

連載当初は、さくらももこさんの子ども時代を描いたノンフィクション性のある作品だったことから、生まれ故郷にゆかりのスポットが残る「ちびまる子ちゃん」。何でもない町ですが、ちびまる子ちゃんの影を追いながら歩くとなんだか楽しくなります。

何でもない町が聖地になる。それが聖地巡礼の楽しさのひとつでもあります。彼女の面影を感じながら、ぶらぶら清水の町を歩くのも楽しいと思います。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年10月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。