アホと戦うと自分もアホになる

黒坂岳央です。

かなり挑戦的なタイトルをつけてしまったが、攻撃的・感情的な意図はなく、あくまで人間関係に悩む人へ何らかの解決への気づきを提供できればと考えて筆をとることにする。

ayakono/iStock

アホとは何者か?

ネットや職場など日々、あちこちで戦いが勃発している。これが有力者同士がプライドをかけてあくまで平和的にお互いの主張をぶつけ合う、といった戦いなら問題はない。どちらかといえばそれは相手を力でねじ伏せる暴力性の帯びる戦い、というよりディベートやディスカッションのような「競技」に近いためだ。斬新で異なる視点を得られる点で双方にメリットが有る。

しかし、おそらくこの記事を読むような自分を含む一般人にとって関わりがある相手は、多くの場合そうした理知的な人物ではない事が多い。ベストセラー「頭に来てもアホとは戦うな!」という書籍がヒットしたが、この本のタイトル通り、どれだけムカッと来てもアホと戦ってはいけないのである。なぜならアホを相手にすると自分もアホになるからだ。そう、アホは伝染するのだ。

ここでいう一体、アホとはどんな人物か?この「アホ」の定義は、知能指数の高低ではない。結論、ヒマを持て余していて承認欲求が慢性的に不足気味、酒を飲んでいないのにまるで酔っぱらいのような行為で迷惑をかける人間のことである。

筆者は彼らに数え切れないほど絡まれて来たので肌感覚でわかるのだが、彼らの99%が承認欲求不足が理由で、相手にしてくれる人を求めて持ち時間のすべてを使うという行動を取るという特徴を持つ。だが、こちらが時間を差し出して彼らの承認欲求を解消する義理はない。故にうまく対処をする必要がある。

アホへの適切な対処法

あちこちの書籍や動画で言われていることの一つに「アホでも上手に付き合いなさい」みたいな提案がある。だが、そのような幻想は早い段階で捨てた方が良い。「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」という言葉がある通り、他人は固定値であり変数は自分自身のみである。

だからはなから他人を変えようとする戦略は間違っている。どれだけわかりやすく話しても、証拠を出しても、図解化してもアホはそもそも相手の話を聞かない。だからいつまでもアホなのである。

相手を変えられないなら、自分を変えるしかない。つまり無視が最適解だ。これをすると相手はひたすら時間と労力を失うが、相手から怒りの反応を引き出すという本来望む報酬が得られず、バカバカしくなって別のターゲットへ向かう。

では逃げ場のない職場にアホがいる場合はどうしたら良いだろうか?結論、自分が実力をつけてよそへ移ることである。正直、会社勤務においては人間関係はガチャの要素が極めて大きいと言わざるを得ない。だが、自分のレベルが上がれば必然的に職場のレベルも上がるので、ガチャでハズレを引く確率を下げることができる。

自分自身、派遣で働いているときは周囲に荒くれ者や反社会的でどうしようもない対応に困る人が多くいた。しかし、その後、東証一部上場企業へいったらそのような対応に困るような人はグッと数を減らしたという感覚がある。

気持ちに余裕があって他者への配慮ができる人は多かったし、みんな自分の仕事に必死で他人がどうこうと言い出す人は少なかった。この経験からも、アホを変えようとせず、自分が必死にスキルアップなどをしてレベルを上げて、できるだけアホが少ない場へ移動するのが最適解である。

昔はアホに絡まれた時に、ロジカルに対応したこともあったがもうやめた。今は相手から何も言われても、法に触れない範囲なら好きに言わせっぱなしでいいと思っている。

 

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)

■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!

アバター画像
ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。