お金は毎月管理するのに、健康管理はなぜ年1回?

人間の行動とは、感情的で矛盾に満ちたものです。

例えば、将来のリスクへの備えに多くの人は整合性がありません。

自然災害に関して言えば、日本国内の地震被害は、どの程度の規模でいつ起こるかはわからないものの、発生するのは確実です。だから、防災訓練を実施し、非常時の備えを行っています。

地震被害と同じように、規模や時期がわからなくても確実に起こるのがインフレです。

地震に対する防災対策をしっかりしているにもかかわらず、インフレへの対策は全くやっていない。そんな矛盾した行動している日本人がほとんどではないでしょうか。

地震もインフレも発生してから対応しても手遅れです。今からすぐに「インフレ訓練」しておくべきだというのが私の考えです。

インフレへの対策としてすぐやるべきことは、インフレに強い資産に資金を配分し、国内のインフレに備えて外貨資産を保有し、インフレで負担が減ることになる借金をしておくことです。

インフレに強い資産は、株、不動産、暗号資産、金などの実物資産です。これらに分散投資することが有効です。そして外貨資産への配分も計画的に行い、お金を借りられる人は借りられるうちに借りておく。

そうすれば、後はインフレになるのを静かに待つだけです。

と、インフレ対策の必要性について偉そうに書きましたが、実は私自身の行動パターンも矛盾だらけです。

例えば、資産管理は毎月定期的に行っています。何か問題があればすぐに対応できるようにするためです。

ところが、お金と同じ位、いやお金よりも大切な身体の管理は、年に1回内視鏡検査と血液検査を受けているだけです。

身体の方がお金より大事だとすれば、せめて毎月1回は健康チェックをするのが合理的でしょう。

b-bee/iStock

というわけで、友人に紹介してもらった銀座のクリニックにこれから毎月通うことにしようと思っています。

お金も健康も信頼できる専門家を見つけて、その人に相談するのが一番安心です。何かが起こってから後で後悔することだけは避けたいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年11月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。